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テコテコと歩きながら、キョロキョロ辺りを見渡す。
家の中と違って、ここは賑やかで楽しい。
ワクワクする心のままにクルクル回ってみる。
……楽しい!
「えへへ~♪くるくるー。」
回っていると、目がグルグルしてきて、フラフラしちゃった。
「あうぅ~。」
フラフラッとしていると、ドンッと誰かにぶつかっちゃった。
私は慌てて顔を上げると、おじいさんが道に倒れていた。
「ご、ごめんなさい!大丈夫?」
慌てて助け起こしたおじいさんは、とても痩せていて私以上にフラフラだった。
「あぅ、あぅ。大丈夫?どこか痛いの?」
聞くけど、おじいさんは何も答えてはこれない。
虚ろな目をして虚空の見るだけ。
「えっと、えと…。あ、そだ!ねぇ、おじいさん。コレあげる。ごめんなさいのかわり!!」
そう言って、私はポケットから1つの小さな石を取り出す。
赤くてキラキラして、苺みたいだったから宝物にしようと思ってたんだけど、仕方ないよね?
「ね、おじいさん!これ、苺みたいでしょ?可愛いでしょ?私の宝物なんだけど、おじいさんにあげる!」
そう言って、おじいさんの手にその赤い石を置こうとした時、後ろから伸びてきた手が私の宝物を取り上げる。
「あ!」
慌てて後ろを振り向くと、そこには同じ顔をした男の人が2人、こちらを見下ろしていた。
「返して!」
取られた宝物を取り返そうと手を伸ばすが、かわされてしまう。
私は、プッキューッと頬を膨らませ、その人を睨んだ。