3回目の人生は第七王子です【ユイリス】
最初の人生は最悪なんだろう。生まれた時から心臓の疾患を持ち病院生活をしていた。まぁそんな事はどうでも良かった。外の世界を知らなくても、出来る事だってある。
でも、美味しい物を食べれない、命の儚さを知っていた。
いつか死ぬ事だって分かっていた。そう18歳の若さで亡くなった。
2番目の人生は普通より上、だった。異世界で家は下級貴族で美味しいものはそれなりに食べれた。それに好きな魔法を使う事が出来て、学ぶ事が出来、同い年の友人が出来た。
好きな事を出来て、学校にも通えて、友人と遊んでそれが楽しかった。
魔法の使い方、扱い方、理解力、読解力、再現力そんな事が俺の青春だった。使う事が出来なくてもそれがこの人生で楽しかった。
そんな人生が終わったのは面白い事にまた18歳の年だった。
友人を庇い氷の槍が突き刺さって死んだ。最後までその魔法を解析した。この人生の俺らしい死に方だったと思う。
最後に思ったのは、、、、「次は地球の食べ物と魔法を沢山、使いたい」と、、、、
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そうして3回目の転生は、、、、
「ユイリス様~」
「あぶっ」
「本当可愛いわぁ」
「みんな第七王子のユイリス様を可愛がっているわね」
「貴女だって可愛がっているじゃない」
第七王子だった。1回目の人生と2回目の人生の記憶を持ち生まれた俺は2回目の人生で生まれたライジックと言う世界のセイヴテクト王国の第七王子に転生していた。それが分かり生後1週間。
1人になり、考える。
「(王族になったと言う事は、魔法も扱う事が出来ると言う事、なら)」
俺はそう思って頭の中で1番得意だった魔法『氷槍を念じる。
槍の形を生成して、前よりちょっとデカいなと思ったら止められなくなり大きくなって急いで窓の方に狙い撃つ。
その直後ーー
ドュオオオオォン!!、、、、と、爆音が響き城が揺れた。
見れば窓に大きな巨大な氷槍がぶっ刺さっていた。
音を聞き付けたメイド達が駆けつけて驚いていた。
俺も同じだからだ。王族だからこんな威力の高い、、、、俺やっぱりとんでもない家に転生したんじゃないか、3回目の転生は第七王子だった件、、、、なんつって。
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セイヴテクト王国第七王子、ユイリス・ヴィータ。これが3回目の人生で得た新しい名だ。前世と同じ金髪と碧眼なのが良かった。
今年で8歳になり、この生活にも慣れてきた。最初は戸惑ったが、結構楽だと感じている。俺は多分死んだ直後にこの体に転生したんだろうと、生活をしていく中で分かった。
当時はあんまり国の事にあまり興味がなく王子誕生など知らなかったが、知ってからは少し申し訳ないと感じてしまった。
兄は殆どが成人しており歳の近い兄でも12歳で、歳が離れていた俺になんて王位継承権など存在しないと同格なのだ。
まぁ政治に興味出さないし、小柄な事もあるし末の子供と言う事もあるだろうが。
兄達が毎日毎日政治を含めた勉学やマナー、武術を学んでいる姿を見ていると、これで良かったと思っている。
だってそのおかげで俺のしたい事が沢山出来るからだ、料理に魔法!
毎日毎日図書館とキッチンに行くのが日課になっている程だった。
「今日は何作ろうかな~、、お小遣い貰ったから沢山調味料買えるし~」
ルンルンになりながら俺はキッチンに向かっていた。
「ぁ、ユイリス様~!ハル、ユイリス様ですよ!」
「!、本当だ、ユイリス様だ!」
廊下に響き渡る2つの大きな男性の声。
その声を聞いて足を止める俺、毎日の中で楽しみな1つが俺にはあるそれが、この声の主であり俺の護衛兼執事のハルとナツの2人だ。
2人は俺の姿を見ると急いで近づいたと思えば、明るい笑顔になる。
ハルの長い黒色の髪を靡かせ褐色肌が耀く、ナツは濃いオレンジ色の髪の前髪を手で上に上げ、狼の耳がピコピコ動く。
「ユイリス様、、またキッチンに行くんですか?私も行かせて貰ってよろしいでしょうか、今剣術の訓練も終わりましたので」
「ぁ、ズルい!俺も俺も!俺も行って良いっスか!!ユイリス様の料理食べたいっス!」
「全然良いよ。寧ろ2人に食べて欲しいぐらいだし」
2人に俺の作った料理を食べて貰うのがここ数年の楽しみになっている。
2人は元々は暗殺者だったり研究所の非検体だったりしたのを俺が助けた事で俺に懐いているのだ。
2人に挟まれる形で俺はキッチンに入るのであった。
「ぉ、ユイリス坊ちゃんじゃねーですかぁ。肉届いてますよぉ」
「本当!総料理長!」
「あぁ今日は特にオークの大量の肉が届いてますぜ。あと、牛肉があるんで使って良いですぜ」
「よし、いっぱい作れる、2人共何かリクエストとかある?」
「そうっスね。俺は絶対に兵士や騎士達に勝てる様な料理が食べたいっスよ」
「私もです。最近またいちゃもん付けてくる人が増えたので」
「了解」
面倒くさそうな表情をしているハル。
それもそのはずだ、ハルは元暗殺者それも世界全土に渡る指名手配をされていたぐらいだ。ナツも能力自体が高いせいで、兵士や騎士達から絡まれる事が多い。ただ、あの2人は強い。
ただの兵士や騎士が勝てる様な相手ではないぐらいには俺は信頼している。
俺は2人のリクエストを聞いてからある物を作ろうと思って魔法術式を展開する。
「、、望む物を代償の代わりに我が手に授けよ『インターネットショッピング』」
俺の言葉に答える様に俺の目の前に画面が出る。俺の持つ特殊な力の1つだ。固有魔法と言うらしく俺以外は持っていないと言われる。
俺が元居た地球の商品が此処から買えてお金を払えばなんでも得る事が出来る。
そして周りからはこの能力の事は、
「流石、ユイリス様神子としての力、輝いております」
「神子だから使える力!尊敬するっス!!」
「神子であるユイリス坊ちゃんに仕える事が出来るなんて、俺は幸せだぁ」
【神子】、そう3度目の正直と言うべきか、俺が新たに得たと言うよりかは生まれた時に授かった称号と言うべきだろうか。
俺はこの世界に居る神から神の力12個を与えられ、神の加護を与えられ膨大な魔力持って生まれた。それが分かる方法が体の何処かに葉っぱが輪っかになっているのがあるのが神子、らしい。
神子は神子王に進化すればこの世界のトップになれるとかなれないとか、言う。それと神子は全ての種族に変化する事が出来る。
俺は2度目の人生の時もあんまり知らなかったしあんまり興味なかったんだよなぁ。
と、思いながらキッチンにある物以外を『インターネットショッピング』で買う。
「それで、ユイリス様、何をお作りになるんですか?」
「今日は、カツ丼かな。あと、牛カツサンドとか」
「なんですか、その名前だけ聞いても絶対美味しい料理は」
「ナツ、涎出てる。私達が手伝える事は手伝いますので」
「だったらお米洗ってくれる、ハル。ナツは玉ねぎ切ろうね」
「了解しました、ユイリス様」
「了解っス!ユイリス様!」
ハルがお米を洗っている間に俺は玉ねぎを切る。隣で涙を流しているナツは置いといて、オークの肉を少し分厚い大きさに切り、下味を付ける。
牛肉も同じ様にしてご飯が炊ける前に色々済ませる。まずはオーク肉に片栗粉をまぶします、その次に解いた卵を絡めて、パン粉を全面に付けたら、もう一度パン粉を強めに付ける。
それをもう1回繰り返して、牛肉の方も同じ工程を何回かしたら後は揚げるだけ。
「揚げると言う事は、唐揚げみたいな事ですか。でも、唐揚げにはパン粉は付けないし」
「唐揚げとはちょっと違うかな、味付けとかしてないしね」
「でも絶対美味しいっス!!」
良い温度になった油の中にオーク肉を入れる。と、言っても弱火で加熱してからキツネ色になった一度上げて、数分置いてから2度揚げをする。こうする事によってサクサク食感になってちゃんと熱も行き渡る。
「同じ様に牛肉もする。ナツ出来る?」
「ユイリス様、お任せ下さい、出来ます!」
「ユイリス様、そろそろご飯が炊けそうです」
「了解、じゃ、カツ丼作りますか」
ハルにナツを任せて、俺はフライパンに水150ml、砂糖大さじ1.5、醤油大さじ2.5、お酒大さじ2.5、ホンダシ小さじ1を入れて煮詰める。
その間に揚げたばかりのオークカツを六頭分にして切り、事前に切っておいた玉ねぎをフライパンの中に入れる。
玉ねぎに味が染み込んだと思ったらオークカツを入れる。それから卵2つを混ぜて少し麺つゆを入れるのが俺の好み。
それで熱したフライパンの中にまず半分を入れて少し固まったと思ったら残りを入れ、炊き立てご飯に置きネギをかければ完成。
その工程をもう1回やれば、オークカツ丼2個の完成である。
「!!これがカツ丼!」
「美味しそうです、」
「感想は食べてから、、絶対上手いから」
「「いただきまーす!」」
2人は手を合わせてカツ丼を食べ始める。2人が美味しそうに食べる姿は俺は大好きだ。
「煮込んでるのにサクサクしてて、卵がトロトロしてるっス」
「オーク肉って少し味がしつこいけどこれは食べやすい。一緒に煮込んだこのタレ?ソースと言うのでしょうか、味わい深くて優しいと言いますか、とても美味しいです」
「ですがユイリス様、何故この料理が勝てる料理なんですか?」
「ん?、あぁ昔呼んだ文献のとある国ではカツ丼って言う料理が勝負事に勝つ料理とされていたんだって(まぁ、嘘なんだけど」
「ほぉ、凄いですね、読書家なユイリス様だから分かった料理ですね」
「なぁ、良い雰囲気の中すまんが、ユイリス坊ちゃんの作った料理に釣られて兵士や騎士が大量に来るんだが」
「だと思いました。なのでこの牛カツサンド食べさせて下さい」
特製ソースに絡ませて焼いた食パンと挟んで半分に切った牛カツサンドの山を総料理長に手渡す。
「!、、ユイリス様!俺にも!」
「あの、私にも」
「大丈夫、、2人の分もあるから、まずはそれを食べて欲しいな」
「「、、、、はい!」」
俺の作った料理を美味しそうに食べる人達の姿を見ながら俺は自分で作ったオークカツ丼を頬張るのであった。
明日の俺もまだまだやるんだけどね!!




