ツンデレラ
むかしむかし、あるところに自分の気持ちに素直になれないお姫様がいました。
名をツンデレラと言いました。
見目麗しいツンデレラ姫のことを好きですと言う王子様は10本の指では数えきれぬほど居ました。
しかし、ツンデレラ姫は好きと言われると「別にあなたのことなんか好きでもなんでもないんだから」と心にもないことを言ってしまう癖がありました。
ツンデレラ姫は自分のどこをどう好きなのか具体的に言える王子様に出会ったことがありません。
ある日、とある王子様から「素直になれない君の姿が可愛くて好き」と言われました。
ツンデレラ姫のツンツンしている姿が良いとその王子様が言ってくれた気がしたので「あなたのことが好きなわけじゃないけど、嫌いな理由もないから付き合ってあげる」と言いました。
すると、その王子様は「そういう言い方しかできない不器用なところも好き」と言いました。
ツンデレラ姫は褒められることが少なかったので、その王子様にだけ素直になろうと思うようになりました。