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元英雄の死にたがりアンデット  作者: 戌亥刑部
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prologue~かくして英雄は再び

処女作です!ストックはないので更新遅くなると思いますが、大目に見てください!よろしくお願いします。

「ぜぇ・・・・、はぁ・・・・」


ジークは深く広いダンジョンの神層にて、亜神龍の亡骸にもたれかかっていた。

腹からおびただしい血液を噴出し亜神龍の白い鱗を赤く染めている。回復しようにも魔力は尽きている。

万事休すとはまさにこのことかと内心で自嘲した。

魔王との戦いでもここまで損傷しなかった、それほどまでに亜神龍は強力だった。


「ここで、死ぬのか・・・」


自分が思ったよりもあっけがなかった。若くして勇者の称号を得て魔王を倒し、最強の名を冠した自分が・・・とそこまで考えたところで悲しくはならなかった。


最強の名を冠し感じたのは優越感などではなかった。ただただ虚しい。尽くした国からは腫れもの扱いを受け、街を歩けば恐れられる。

もちろん羨望のまなざしも向けられたこともあった。なにせ国を救った英雄だからな。

ジークの死は国を挙げて弔われるだろう。多くの民が悲しむかもしれない。だがそれはジークを惜しんでのことではないだろう。英雄を惜しんでのことだろう。ジークに親族はおらず、親しくしていた人も少ない。思い残すことなどない。


「やっと・・・死ねるのか」


もはや喜びの感情に近かった。

皮肉っぽくつぶやいた言葉は、神層の中に響き渡る。


「願わくば、来世は平凡を・・・」


眼を閉じる。だんだんと意識が遠のいていク・・・

死がまじかに迫ってクル

ここでジークの英雄譚は幕を下ろした。













__________突如として意識が覚醒する。

神層の天井から差し込む光に腕で顔を覆う。


「・・・?」


顔を・・・覆う???


自分の行動のおかしさにジークの思考は停止する。


感覚的にはつい先刻、ジークは龍との戦いで命を落とした。

これは紛れもない真実。死んでないなんてことはないはずだ。


自分の体が自由に動く。これはいったい何ごとなのか?


「あ‘‘ぁ・・・??」


自分の喉から自分のものとは思えないような声が鳴る。ひどくのどがガラガラだ。


その声は、まるでアンデットのようだった____________


そこに考えが至った刹那、ジークは全てを理解した。


アンデットになってるわ

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