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世界が俺を拒んだとしても  作者: オク野 トラ
ミレライル王国編
8/23

異世界ルデュセリト


《翔輝視点》




俺は千隼に男を任せて生徒達を逃がしていた。




すると、俺達の教室から白い煙が広がっていた。




『何があったのだ!』




俺はすぐにでも駆け出したい衝動に駆られたが、ふと横を見ると今まで誘導してた一年達がどうしたらいいかわからないといった感じで俺を見つめていた。




『生きててくれ千隼!』




俺はそう思い一年をすぐに校庭へと連れていった。



そして急いで自分の教室の前の廊下まで戻るともうほとんど生徒はいなかったが、千隼が未来の前に立ち男の刀を体で受け止めていた。





「千隼ぁぁぁぁああ!」





俺は千隼を助けようと男へと走って行ったが、その瞬間辺り一面に光の円が現れ、やがて光は空間を包みこんでいった。





そして光が消えると…。





「ようこそ!勇者さ…ま……」





「どうしたんですか!!」





という声が遠くで聞こえた。周りを見ると大勢の生徒達がいた。中には俺が校庭へ逃がした一年生達もいた。そして何故か壁際に甲冑を着た昔の兵士らしき人間がずらりと並んでいた。




俺は警戒心を絶やさずに千隼を探した。すると、さっき声が聞こえた場所にこれまたプリンセスの様な服を着た少女と未来と倒れた千隼がいた。


そして少し離れた場所にあの男が立っていた。俺は急いで助けに行こうと立ち上がったが、どうも未来の様子がおかしい。少し様子を見ていると未来の手元が輝き剣が現れた。



そして男を殺すためか未来は大きく振りかぶった。俺はまずいと思い駆け出そうとしたが、俺の横を物凄い速さで何かが通り過ぎた。



よく目を凝らして見ると夏希だった。


でも間に合うのか?。そう思っていたら未来が振り下ろす前に一気に夏希が加速したのだ。そして男に当たる前に夏希が未来を抱きしめた。

その間僅か2.67秒。その短すぎる時間で100メートルぐらいの距離を走破したのだ。




そして未来は夏希の胸の中でいつの間にか寝てしまっていた。





良かったと思った束の間、壁際にいた兵士が男に向かって動き出した。





どうやら甲冑を着た兵士達は少女に男を捕らえるように言われたらしい。




でも男はとても抵抗し、兵士達を次々と傷つけていった。




すると、兵士達の中から一際大きく、派手な鎧を着た兵士が現れた。




男は一目で強いとわかったのか、雄叫びを上げ、ヘルメットを脱いだ。




中から現れたのは髪がほとんど抜け落ち、目は血で染まり赤く、肌はとても黒ずんでいる、まだ二十代半ば頃の男性だった。




そして男は刀を振り上げるとその兵士に向かって走って行き、あの剛力で振り下ろした。



だが、その兵士はそれをとてもデカイ大剣で横一線に跳ね返し、そのまま一回転し、勢いを殺さずに縦に振った。


だが、()()()()








はずだった…







男より一メートル程離れた場所で空振った筈なのに、男は後方に吹っ飛び、胸元にはとても深い傷がつけられていた。男はもうほぼ戦闘不能だった。




なのに男はまだ立ち上がりその兵士に向かっていった。





その兵士は来る度に後ろへ吹っ飛ばしていて圧倒的だった。





やがて男は勝てないと思ったのか、最後に良い戦いをしたと思ったのか、いきなり正座をし刃の無い刀で自分を突き刺し自害した。





俺達は呆気にとられていたが。





「今日は皆さんお疲れの様なので、明日説明をしましょう」





とさっきの少女が言った言葉で我に戻った。





そして城?の様な建物で一人一部屋の個室を貰い、その部屋にメイドもいた。




お世話は全てメイドがしてくれるらしい。最初は警戒しながら寝てたが、なにもしてこないとわかったので普通に寝ることにした。




_ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _





この世界にも何故か朝日があった。




俺はそんなことを考えながら、昨日の場所まで行っていた。途中で也菜と夏希に会ったので一緒に言ったが、二人ともとても心配そうな顔をしていた。




そして着くと兵士やメイドがとても慌ただしくしていた。





「どうしたんですか?」





近くにいた兵士にそう聞いた。





「あぁ、勇者様、昨夜とても大きな地震があったのですが、そのことについて皇国の聖女様に神託が下ったのです。」





皇国?聖女?よくわからないがなにか大変なことが起きたらしい。





兵士は「失礼します」と挨拶するとどこかへ走っていった。





邪魔にならないように壁によっていると全員の生徒が来たらしくあの少女がやって来た。




「おはようございます。では今から説明をさして貰いますね。」




「じゃあまず自己紹介から、


私はミレライル王国第一王女マリン·ミュード·ミレライル、この王国の王女です。」




ここは地球じゃないと思っていたがあっていたようだ。





「おい!ここは地球じゃねぇのかよ!」





誰かが叫んだ。





「すいません、その地球というのは勇者様方のもといた世界のことでしょうか?」





「あぁそうだ、ここは何処なんだ?あと勇者様とはなんなんだ?」





俺はそう聞いた。





「この世界はルデュセリトといいます。そして勇者様方は私達が《勇者召喚》を使いこの世界に召喚しました。」




次回遂にステータス!

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