異世界転移
<未来視点>
「どうしたんですか!!」
光が晴れたら目の前に昔のお姫様の用な服を着た女の子がいた。
「千隼を…千隼を助けて!」
私は女の子にそう言った。
「わ、わかりました!そこの者急いで救護班を!」
女の子は近くの中世ぐらいの甲冑を着た男にそう言った。
「そして、全員でそこの男を捕らえよ!」
え…。まさか…。
振り替えるとあの男がこちらを向いて立っていた。
その後ろには他の生徒もいたが、まだ状況が理解できてないようだった。
甲冑の人達が捕らえる前に、男は私を殺そうとしてきた。
でも何故かさっきまでの諦めの心はもう無かった。
逆にとてつもない怒りの心が沸き上がってきた。
そう、この男は千隼を殺す寸前まで痛めつけたのだ。私は今まで本気で怒ったことはなかった。
この怒りはついに殺意に至るまでとなった。
「殺してやる…」
すると手の中に光の剣が現れた。
「あれは、言い伝えにある勇者の剣聖剣エクスカリバー!」
男はその光の剣を見て怯えたのか少し後ろに下がった。
「あぁぁぁぁぁあああ!!」
私は大きく振りかざし男をヘルメットごと斬ろうとした。
「ダメエエエエエエ!」
と、声が聞こえ、後ろから誰かに抱きつかれた。
「こんな人間のために未来の手を汚したらいけない!」
まるで女神のごとき美貌に、ミルクティブラウンのロングヘアで、肌はシルクよりも白い女性が私を温かく、とても温かく抱きしめてくれた。
彼女は前田夏希、昔からあだ名が聖女といい、誰もが彼女の美貌に惚れ込んだ。
私はその温かさに怒りや殺意が全て無くなり、泣き崩れてしまった。
也菜はそれでも温かく私を包み込んでくれた。
私は泣いて、泣いて、泣いて、泣きつかれて寝てしまった。
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知らない天井だ。
目を開けると俺は白い空間にいた。
最後に覚えているのが、俺の腹から生えた刀と、未来の泣いている顔だ。
俺は…死んだのか?
「いや、君は死んでないよ」
声が聞こえ、振り替えると光の人間がいた。
「やっとここに来たか」
どういうことだ?と聞こうとしたが、声がでない。
「あぁ、ここじゃ声はでないぞ。けど、俺は心が読めるから大丈夫だ。」
「あと、俺の不手際だったんだ」
だから、どういうことなんだ?
「君の転生するときに俺の記憶を入れ忘れてたんだよ」
意味がわからない。
「だろうね、じゃあ手っ取り早く記憶を戻そう」
まあ、そうしてくれ。
「頭痛が酷いけど、君の頭なら大丈夫だよね、多分」
おい、どういうことだよ。
「まあ、いくよ!」
お、おい!聞いてんの…っ!!!
今まで感じたことがないとても酷い頭痛が広がり、また意識が途切れた。
◇ ◇ ◇
「終わったよー」
俺はその声で目を覚ました。懐かしい声だ、だが誰の声かわからない。
「人は自分の声は以外と知らないって言うからね」
そうか、確かに俺の声だ。
俺はもう一人の俺の方へ向いた。すると、さっきまで人間の形だったのに、今はほとんど消えかかっている球体になっていた。
「俺は君…いや、俺の記憶の塊だからね。俺にほとんど全ての記憶を渡したから、ここにあるのは、俺が俺と話した記憶だけなんだ、だからあとは消えるのを待つだけさ」
そうか…よし、お前…いや俺も俺の記憶の一部になってくれよ。
俺はそう言い、右手を差し出した。
「…俺は優しいね。ありがとう」
「あ、あと風神達は君が呼べばいつでも来るよ」
そうか、ありがとう。
そう言って光は俺の手の中に消えていった。
さて、そろそろ起きるか。
俺は空間を叩いた。すると、そこからは罅が入り、ついに空間が割れた。
そして白い空間は粉々に砕けちり"それ"は異世界で覚醒した。
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同時刻《異世界》
"それ"が覚醒した瞬間、異世界は悲鳴を上げた。
大地、いや、世界自体が揺れた。
そして、異世界はその原因を探した。
すると、ある王城のある部屋にまだ若い男が目を覚ましていた。
異世界はそれを直ちに排除するように全ての事象に命令したが、どれも怯えてしまい、誰も"それ"に反抗しようなど微塵も思わなかったのだ。
そして異世界自体も我慢することにしたのだった。
◇ ◇ ◇
同時刻《異世界神界》
「皆、ここに集まった理由は言わずとも分かると思うが、ローリエス、先程のあれは一体なんだのだ?」
「はい、先程大地神様に連絡をとり、何かを聞いたところ『我らの神が御降臨下さったのだ』と申しておりました」
「そうか、まああの方は何かあったらすぐそれだからな…いつもの戯れ言だろう。しかも神の神とは何なのだ!我らが全ての最高峰だろう!」
「でも先程の衝撃は私でも感じたことのない凄まじいものだったぞギアニス」
「分かっております最高神様ですが!」
「言葉が過ぎるぞギアニス!」
「そうですよ、もしかしたら概念神様方の中でも最上位の力を持つ破壊神様の移動経路にこの世界が直撃したかもしれないじゃありませんか」
「ま、まぁそうかも知れないが…」
「取り敢えず神託を下しておきましょう」
「そうだな人間も焦っているようだからそれがいいだろう」
「わかりました」
◇ ◇ ◇
同時刻《ある人族の秘境》
「長ぁぁぁああ!」
「あぁわかっておる…」
「一体どうなっているのですか!」
「とても強い何かがこの世界に現れたのじゃ…」
「私達はどうすれば良いのですか!」
「祈るのじゃ…その者が世界を壊さないように祈るのじゃ!」
「わかりました!」
少しだけ伏線を入れてみました!
遂に異世界に行きました!