プロローグ4
白い煙が広がると同時に、床には鮮血が飛び散っていた。
「くそがぁぁぁああ!」
俺は瞬間で接近すると男の刀を踏みつけ埋めた。そして男が持ち上げる前に刀を蹴飛ばし刃を折り、少し距離をとった。
「おい!お前達生きているか!」
俺はそう言い倒れている生徒達にそう言った。それぞれ胸を斬られたり、右腕や両手が無かったり、腹を貫通させられているのだ。
だが何の返答もない。
こいつ達は殺されたのか?。なぜこんな殺人鬼に俺達が襲われなければならないといけないのか?。警察は何をしているのか?。
目の前のこいつはなんで笑っているのか。
俺はふらつく足取りで男に近づき本気でヘルメットの上からぶん殴った。
ヘルメットは少し凹み、男は後ろに少し仰け反っただけだった。
俺の本気はこんなものなのか…
俺はもう諦めていた。
怒りを通り越してしまった。
男は血が滲んだ赤い目でこちらを見てきた。
だがどこか様子がおかしい。
こいつが見ているのは俺ではない。
俺を通り越して後ろを見ている。
なにか嫌な予感がする…。まさか!
だが俺が気づいた時には時すでに遅し、男が高速で後ろの生徒達の所へ行った。
一人の女子生徒が吹き飛ばされた。男はその女子生徒に止めを指そうと刀を振り上げた。でも、その女子生徒の目は怯えておらず、しかも男ではなく俺を見ていた。そして涙を流しながら薄く微笑んでいた。
俺はその女子生徒の顔を忘れたことは一度もない。昔からずっと好きだった奴だ。
絶対に殺させない!
「未来ぅぅぅううう!」
次でプロローグ最後ですね。