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船は朝方に小さな港町に着いた。
「とうちゃくー!」船長が先に船から降りた。
3人も後から付いて行くように降りた。
「空気が澄んでるわね。はーいい気持ち」ゼロは深呼吸した。
「この町は西海岸のべネスか。ここから奴らの拠点までは大陸を横断しなければならない。長い旅になるな」ヨシキは町を見渡した。
「さー、旨いもんはあるかなー?」ジャックは早速お腹を空かせていた。
「それじゃあ俺は島に戻るよ。幸運を祈ってる」船長は船に乗り込み、エンジンを掛けた。ドドドド。
船はゆっくりと港を離れていった。3人は手を振って見送った。
町の人が一人近づいてきた。「あーもしかしてあんたか?ヨシキってのは」
「ああ、そうだ」
「なんか見たことある顔だと思ったよ。まーあんたよりお父様の方が俺は好きだけどな。まああんたが奴らを皆殺しにしてくれるんなら認めてやってもいいけどな」そう言って去っていった。
ヨシキの父親は世界を統治していた王様だった。アンドロイドとの戦争で亡くなって、その後、ヨシキが後を継いだ形となった。父親は世界中からの信頼が厚かった。特に経済面での功績が大きかった。
「なんか嫌な感じね。ここはお父様の影響が強かったの?」
「そうだな、この町自体親父が作ったようなもんだったんだ。だからそう言う人も少なからずいるだろうな」ヨシキは全く気にしていなかった。
3人はとりあえず飲食店と宿を探すことにした。




