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次の日、村長は早速船を用意してくれた。しかも船長付きだ。
「おーい、準備は出来てるからいつでも出れるぞ」船長が船の甲板から大声を出している。
ヨシキ達は腹ごしらえもそこそこに、村長に別れを告げ、船に乗り込んだ。
「わー、中は広いのね。ベッドもフカフカ」ゼロはベッドを手で押しながら弾力を確かめていた。
「俺は久しぶりに酒でも飲みたいな。なんかあるか?船長さん」ジャックは船長に訊ねた。
「こっちが酒蔵になってるよ。ジャンジャン飲んじゃってくれ」船長は奥の酒蔵の扉を開けた。中には日本酒からワイン、ウイスキーなんかが山ほどあった。
「たまには俺も飲むか」ヨシキが先に中へ入ってウイスキーを物色した。
「しかし、なんで東の大陸なんだい?」船長がヨシキに訊ねた。
「一体のアンドロイドが死ぬ間際にボソッと言っていたんだ。『東へ行け』ってな。調べたら東の大陸には科学が発達した都市があるらしい。そこへ行く」
「なるほど。頼むぜ、あいつら鬱陶しいんだわほんとになぁ」
船が陸を出て、数時間後夜になり、酒盛りが始まった。
「カンパーイ。ヨシキ達の勝利を祈って!」船長はビールジョッキを上に掲げた。
「カンパーイ」3人は各々手に持ったグラスを上に掲げた。その夜は旅の話に花が咲いて朝方まで宴会は続いた。




