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ヨシキとゼロ  作者: ミミヨシ
南の国へ
31/42

13

3人の乗った車はズンドバ村に到着した。早速村長の元へ向かった。

アンドロイドが居なくなったという噂はもうすでに村中に広まっていた。村人が話しかけてきた。

「あんたらかい、アンドロイドを掃除してくれたのは」

「ああ、そうだ」ヨシキが面倒くさそうに返事した。

「ありがとうね。あいつらには大変困ってたんだよ。村長さんも喜んでるよぅ」村人のおばあさんはお辞儀をしてヨシキを拝んだ。

「今報告に行くところだ」

「ああそうかい。たいそうなことだ」

ヨシキ達は村長の家のドアをノックした。コンコン。「ヨシキだ。村長はいるか?」

すぐにドアが開き、女が出てきた。「どうぞ」すぅっと手でヨシキ達を招き入れた。

村長は椅子に座っていた。こちらに気づき、「おお、ヨシキ殿。待ってましたぞ。アンドロイドを倒してくれたんだだってな」と立ち上がりお辞儀した。

女がテーブルに冷たいお茶を持ってきた。

「さて、約束の曲は出来ているか?」ヨシキは早速本題に入った。

「ああ、ばっちりじゃ。持ってきてくれ」村長は女に言ってCDを持ってこさせた。

CDプレーヤーにセットして聴いてみる。

ズンドコズンドコズンズンズン。ノリのいい曲が流れた。

「元気が出てくるわ」ゼロは手拍子をした。

「ぞうだな。売れっ子の作る音楽は違うな」ジャックは耳を傾けていた。

「どうじゃろ?」村長はヨシキに聞いた。

「うん、これを掛けながら戦闘をするとすごく調子がよさそうだ。テンポもいい」ヨシキは気に入ったようだ。

ポータブルプレーヤーと一緒にCDを受け取った。

「次はどこへ行くんだい?」村長が訊ねた。

「海を渡って東の大陸を目指す。そこにこのアンドロイド戦争の原点があるような気がするんだ」

「それなら島の船を使うといい。誰も使ってないのが空いている」

「それはありがたい。使わせてもらおう」

「良かったわね。船を探す手間が省けたわ」ゼロはお茶を飲み干して次の一杯を注いでいた。

ヨシキ達は次の大陸を目指して村で準備することにした。

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