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運転手の息が荒くなってきた。
「早くしないと!」ゼロは運転手のおでこを撫でながら言った。
急いでいるせいで車が揺れる。
ヨシキは猛スピードで峠を下った。すぐに病院が見えてきた。
病院の正面玄関に車を横付けし、ジャックが運転手を担いで病院へと入って行った。ゼロが後を続く。
ヨシキは車を駐車場へ入れ、急いで病院内へと入って行った。運転手はもう医者に見てもらっている所だった。すぐに手術室へ連れていかれ、ジャック達は外へ出された。
手術中の赤いランプが灯る中、3人は目の前のベンチで待った。
1時間程経った頃ランプが消え、ドアが開いた。
医者が出てきてニコっと笑い「もう大丈夫です。3ヶ月程で元に戻るでしょう」と言い去って行った。
看護師が移動式ベッドで運転手を運んできた。
「ありがとう。助けてもらったみたいだね」運転手は3人に向けて声細に言った。
そのまま奥の病棟へと消えて行った。
「よかったわね。しかしアンドロイドの奴らどこにでも出没するわね」ゼロが言った。
「ああ。でもあれは古い型でおそらく浮浪者の類だろうな。車も盗難車だろう。だから脳の修理が行き届いていなかったんだろうな。多少バグっていていきなり人が現れたから撃ったっていう感じだろう。長居は出来ない。大丈夫らしいしもう出よう」ヨシキは2人に言った。




