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そこは広々とした広間だった。
ヨシキ達は堂々と中へ入っていく。
すると、横の通路から槍を持った兵隊が近づいてきた。
「なんだお前ら。見ない顔だな」
「小屋の爺さんに案内されてな」ヨシキは兵隊の一人に言った。
「まあいい、あのジジイなら信用できるだろ。通れ」
兵隊は槍を仕舞い、中へ通した。
広間は高級そうな家具がいっぱいある。
ソファーやテーブル、テーブルの上には燭台がありろうそくの火がともっている。
まだ昼間だというのにこの中は暗いせいだ。窓一つない。
ヨシキ達は兵隊に言った。
「女王に会いたい。どう行けばいい?」
「ああ、この右の通路をまっずぐ行って階段を昇ったらそこが女王の間だ。失礼のないようにしろよ。お前らはなんだか怪しい雰囲気がするがな。まあジジイのことを信じて教えてやる」
兵隊は右の通路を槍で指しながら言った。
「ありがとう」ゼロは兵隊に向かって言った。
ヨシキ達は階段へ走って向かった。
階段は赤の絨毯が敷かれていた。
階段を昇る。
昇った先にはシャンデリアが見えた。
階段の出口付近にまた二人の兵隊がいた。
「なんだお前ら。そんな汚い恰好でよくこんなとこまで来たな」
「女王に会わせてくれ」
「なんだと!?」
兵隊とやりあっているその時、奥の方から甲高い声がした。
「ヨシキ!」
奥の玉座に座っていた女王が立ち上がり大きな声でヨシキの名前を呼んだ。
「女王、ご無沙汰しております」ヨシキはその場でお辞儀をした。
「お前ら、下がってよい」
「はい!」兵隊二人はすぐさまヨシキ達の前から引いた。
「よく来たね!いつ振りかしら。会いたかったわぁヨシキ」
「光栄です。お元気そうで」ヨシキは頭を上げた。
ゼロとジャックは女王の気迫に圧倒されて怖じ怖じしている。「すごい光り方だな。あれ全部でいくらするんだよ」ジャックはゼロに小声で言った。
宝飾品を体中に身に着けた女王はこれ見よがしに光っていた。
「さあ、立ち話もなんだよ。奥の部屋でコーヒーでも飲みながら話しましょ。お連れさんもどうぞ」
女王は立ち上がり、玉座の裏にあったドアを開け中へ入っていった。
ヨシキ達も後をついて部屋へ入っていった。




