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ヨシキとゼロ  作者: ミミヨシ
世界の終わり
11/42

10

ヨシキ達は門を離れ、城の裏手まで歩いた。

ゼロはヨシキの後ろから言った。

「裏に行ってどうするのよ、あいつらはったおした方が早いじゃない」

「裏にじじいの小屋がある。そっからなんとか中へ入れてもらう」

裏手までつくと小さな木造の小屋があった。

ノックもせず扉を開ける。

「おおっ、誰じゃ!」

中でお茶を飲んでいた老人がこっちを向いて叫んだ。

「俺がわかるか?」

ヨシキ達3人は図々しく中へドスドスと入っていく。

「なんと、ヨシキかい。久々じゃの」

「まだボケてはいないようだな」

ヨシキは以前からこの城に用事があるときは、この老人の小屋から裏道を通って中へ入っていた。

「まあせっかく来たんだから茶でも」

老人は立ち上がり台所に急須を持って行った。

「ああ、すまない。この女はゼロ、そしてこの大男はジャックだ」

「初めましてご老人。お茶まで頂いて。自分で入れますわ」

ゼロは台所へ行きお茶くみの手伝いをした。

「俺はジャックだ。ヨシキのお供さ」

「まあその辺に適当に座ってくだされ」

老人は言った。

ヨシキとジャックはちゃぶ台の前に胡坐をかいた。

ゼロがお茶を乗せたお盆を持ってきた。

老人はゆっくりと椅子に腰かけた。

ヨシキは小屋の中を眺める。外から見た小屋は小さかったが、中に入ってみると意外と広く感じた。

壁にはトナカイのはく製などが飾ってある。老人が仕留めたのだろうか?

3人はお茶をすすりながら話し始めた。

スベンソンでの出来事、ヨシキがどれほどアンドロイドが憎いかなど。

老人もアンドロイドが憎いのは同じだった。

「実は孫娘をさらわれて1年たつ。その後どうなったか行方はわからんのじゃ」

老人はうつむきながらそうつぶやいた。

「その孫が無事を祈るばかりだ」

ヨシキは言った。

「奴らを倒すためにここまで来た。女王に会いたい」

「それはたやすいことじゃ。あんたなら何かできそうじゃわい」

すこし涙をにじませ老人は言った。

「私たちで絶対そのお孫さん探し出すから!」

ゼロは立ち上がり言った。

「俺たちならできるぜ、きっとな」

ジャックは老人の肩をポンと叩いた。

小屋の奥に扉があり、そこから城の中へ通じている。

「さあ、たのんましたぞ。あんたらしか頼れるものがおらん。」

老人は扉の鍵を開けた。

「ああ、絶対見つけ出して見せる」

3人は扉を開けて城の中へと入っていった。

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