表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

友人と、ケンカをした。

作者: 神崎 月桂

 友人と、ケンカをした。

 原因を今振り返ってみると、大笑いしたくなるほどにバカらしいことだったと思う。

 そんな些細なことであっても、私と友人の間にはたしかに壁がある。


 友人と、ケンカをした。

 ケンカをして、交流が断絶した。未だに断絶したままである。ケンカしてからは話していない気がする。

 いや、あれから一切友人と話していない。


 友人と、ケンカをした。

 バカみたいに変な意地を張った私は、謝らないといけないとわかっていたのに謝らなかった。

 謝れずに、結局今に至る。


 友人と、ケンカをした。

 もう連絡を取る手段なんてない。家の場所だってもちろん知らない。知っていたってきっと行けないだろうけど。

 そんな勇気はないから。


 友人と、ケンカをした。

 もしかすると、相手からすればケンカなんてしているつもりなんてないのかもしれない。

 やっと私との縁が切れた、と。


 友人と、ケンカをした。

 時の流れとは残酷で、あれほどに抱いていた謝りたい気持ちがだんだんと薄れていっている。

 今ではそれが、1番怖い。


 友人と、ケンカをした。

 友人と、ケンカをした。

 最も怖れていることを防ぐために、最も怖れていることが訪れてもいいように。

 卑怯な私は、先手を打つことにした。


 なんとだって言えばいい。私は卑怯者で臆病者だ。

 だから、これが私の最善手。


 友人と、ケンカをした。

 私は友人と、ケンカをした。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ