友人と、ケンカをした。
友人と、ケンカをした。
原因を今振り返ってみると、大笑いしたくなるほどにバカらしいことだったと思う。
そんな些細なことであっても、私と友人の間にはたしかに壁がある。
友人と、ケンカをした。
ケンカをして、交流が断絶した。未だに断絶したままである。ケンカしてからは話していない気がする。
いや、あれから一切友人と話していない。
友人と、ケンカをした。
バカみたいに変な意地を張った私は、謝らないといけないとわかっていたのに謝らなかった。
謝れずに、結局今に至る。
友人と、ケンカをした。
もう連絡を取る手段なんてない。家の場所だってもちろん知らない。知っていたってきっと行けないだろうけど。
そんな勇気はないから。
友人と、ケンカをした。
もしかすると、相手からすればケンカなんてしているつもりなんてないのかもしれない。
やっと私との縁が切れた、と。
友人と、ケンカをした。
時の流れとは残酷で、あれほどに抱いていた謝りたい気持ちがだんだんと薄れていっている。
今ではそれが、1番怖い。
友人と、ケンカをした。
友人と、ケンカをした。
最も怖れていることを防ぐために、最も怖れていることが訪れてもいいように。
卑怯な私は、先手を打つことにした。
なんとだって言えばいい。私は卑怯者で臆病者だ。
だから、これが私の最善手。
友人と、ケンカをした。
私は友人と、ケンカをした。