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パートナー達の戦場

連続投稿は今日で終わりになります。

1週間休憩をいただきますので次の投稿は2週間後になります。

私としたことがぬかった!

ディアン様を連れて門をくぐったと同時にアルキュによって地下まで転移されるとは!


「しかもフィリア………何をやっているの!」


改心したとは思ってなかったけどまさかイグニス達と繋がっていて、ディアン様まで誘拐するとは思わなかったわ!


応戦しようと構えた私の死角から延髄に雷撃を叩き込んでぇぇ!!


古代封印魔法を怒りなどを雷の魔力に変えてその余剰分の力で私を縛る地面に書かれた魔法陣の文字を焼き潰して行く。


「早くしないとブラッド様まで大変な目にあってしまう!」









「遅い、皆んな大丈夫かな?」


閉じた門が見える位置に隠れながら皆の帰りを待っていたが、帰って来たのは爆発音と本丸の頂上へ走って行くマコト君の姿。


「何か非常事態があったようじゃな。どうする?我らも動くか?」


「俺様はやらんぞ。小物同士で勝手にやってくれ。」


我関せずと言った風に路地裏の壁に体を預ける英雄さんは置いておき(クレアさんにも頼りにならないと言われた)私は門まで近づいていく。


タツ婆さんも英雄さんの耳を掴んで無理やり連れて門前に立つ。

私も2人の影に隠れるように立つと大きな扉が少しずつ開いていく。


「なんじゃアレは!?」


「鎧か?いや、それにしては不可解すぎる。」


そこにいたのは、いやあったのは森林を表す深い緑の装甲、よくわからない武器の数々、多分銃器の一種だろう。


正確に言えばバルカン砲にガトリング砲、挙句にはミサイルまで搭載した殲滅砲撃型魔導騎士。

これがアルキュ専用の魔導騎士だ。


「発射!!」


「む!?」


「なんじゃ!?」


砲塔から放たれたのは鉄の玉ではなく、魔力弾。

それを武術の達人の2人は弾こうと構えたがそれは2人の腕に張り付き、そのまま体を覆って球状に取り込んでしまった。


「魔力拘束弾さ、古代魔法よりかは拘束力は低いけど五属性の魔力がないと破れないよ。おやまだいたのか、じゃあ君も。」


「悪いけど無駄よっ!」


飛来する魔力拘束弾を私は無詠唱の炎魔法で相殺する。


「なんだい、君。もしかして魔法に自信があったりするのかい?でも無駄無駄、君の前に立つのは五重魔法使いさ!」


全ての砲塔をこちらへ向けて彼女が扱える属性、火、水、風、土、木の五属性の魔力弾が飛んでくる。

それら全てが普通の魔法とは大違いなのはよく分かる。


だけどね………


「防がれた!?」


「五重魔法使いだからって調子に乗らないでよね!こっちは文字通り全属性!虚偽なしの十重魔法使いよ!」


「9属性!?そんな訳あるか!!」


私は魔法に関してはなら誰にも負けないのよ!


砲塔を介する事で無詠唱並みの速度で撃てるなら正々堂々とこちらも無詠唱で迎撃してやるわよ!


「君は無詠唱を使えるのか!?」


「当然でしょ!舐めないで!」


無数の魔力弾を………いえ、正確に計測するなら36個の魔力弾を私の後方に多重展開したその10倍、360の魔法陣から放たれる魔力弾を持って迎撃する。


「『多重展開広域弾(マルチプル・バレット)』」


「おい待てよ!ずるいだろ!」


魔力弾が次々と打ち出され、私の魔力弾が蹂躙する中で鎧の中からでも分かる彼女の焦りようが伝わってくる。


今はまだ拮抗しているけど………まだ全力じゃないのよ、ごめんね?

私は足を地面に踏みしめるとそこから氷の床を広げていく。


「同時にこれほどまでに高度な魔法を使えるのか!」


凍結した床に彼女を縫い止めようとしたが分かりやすすぎたわね。彼女も同じように氷の床を広げて相殺したわ。

なら次は………


「こうかしらね!」


氷が張り付いた地面ごと地面をくり抜き、装甲にそのくり抜いた地面をぶつける。

次々とぶつけて行き、そのまま彼女を鎧ごと岩のボールに閉じ込め、外から更に本を閉じるように地面を畳む。


門前の地面は酷いことになっちゃったけど後で魔法で埋め直しましょう!


私はそのままそれを風で浮かび上がらせる、かなりの重量ではあるがそこは私の豊潤な魔力を持ってして無理を通す。


「あんな強固な鎧を纏っているなら全力でやっても死なないわよね!」


なら全力で!やらせてもらうわ!

我が魔法の剣を持って!!

『我を守護する無数の剣!』


私の全力によって生み出された9の剣。

全てが違う属性の剣を眼前に浮かぶものへ突き刺していく。


1本、火が上がる。

2本、風を巻き込み、更に燃え上がる。

3、4本、土と水が泥となる。

5本目の木がそれを媒介に成長し、締め上げる。

6本、雷がそこへ飛来し、

7本、8本、光と闇の剣が土の塊を破壊する。

9本目がそこから落ちてきた魔導騎士を叩き落とす。


私は陥没した地面に落ちてきた魔導騎士に近づいてみるがもう動く気配はない。

一応、それを取り出し、陥没した場所を土で埋め、魔導騎士は氷に閉じ込めて置いておく。


そのまま私は魔力拘束によって閉じ込められた2人を五属性の魔力を通して解放した。


「助かった、ありがとう。」


「礼は言わん。だが貴様の評価を少し上げておこう。」


「いえ、大丈夫ですよ。それよりも皆んなが気になります!」


さっきから本丸では爆音が響き、二の丸あたりでは吹雪が起きている。

皆んな大丈夫かな。









吹き付ける冷たい風の中、身を切るような極寒を物ともせず、動き回る2人。


片方は空を表すような清涼感溢れるドレスを身に纏い、抜群のスタイルを持つクールビューティなお姫様。


もう片方は水を表すような透明感溢れる5メートルはこえる無骨な鎧を身につけて、戦う女傑。


「天の恵みから大いなる地へ受け渡すは海寄りきたし災害ーー"海より来るは絶望の波デスペア・グロスヴァーグ!!」


「我が呼ぶは最古の吹雪、あらゆる敵に永劫の死をーー"永遠に続く雪の中(ニブルヘイム)


大瀑布の如く吹き出す大波を空間すら白く染める彼女の冷気が押し留め、少し過ぎれば見事な津波の氷の彫刻が出来上がっていた。


「天から降るは恵みの雨、地から芽吹くは新たな命ーー"降り注ぐは歓喜の雨(レイニーブルー)!」


「冷酷に残酷に原初を語る詠み人よ、汝に与えられるは白銀世界ーー白銀世界にただ1人シルバ・アイソレイション


襲いかかるような音を立てて激しく降り注ぐ雨の槍は同時に全ての音を吸い込むような白銀の雪に触れ、雹となって2人の間に降り注いだ。


「水と氷じゃ私には勝てない。投降をお勧めする。今なら1、2年の懲役で済ましてあげる。」


空が溶け落ちているのではないかと思う光景の中で姫は冷たく、だが甘い選択を彼女に選ばせる。


「………お断りします、リリム姫様。私は彼に救われた恩をまだ返しきれていないのですから!」


彼女の強い意志を受けたリリムは悲哀に満ちた表情のまま彼女を倒すための魔法の詠唱を始める。


「雪原をひとりで歩いた先に残るものは小さな足跡、戻ることは許されず、立ち止まる事はもう出来ない、故に進みづけるしかなくーー銀の雪が舞う夜にタンペート・ド・ネージュ


この雪は先程とは全く違う。

空気中の水分を吸収し、温度を下げ絶対零度まで持っていく。

そんな温度下で動けるのはこの魔法を唱えたものだけ、それ以外は体力を奪われて動けなくなってしまう。


そう彼女はステロペを殺したくはないのだ。

同じ種族として彼女が幸せを掴めたのはいい事だ。


だがそんな彼女の婿に当たる男が国の乗っ取りなどやって仕舞えば今度こそ自分達の国は危険視され、他国から滅ぼされてしまうだろう。


だからこそ彼女はステロペを生きて止めなくてはいけない。

国民を守る義務がある姫として

同じ種族である魔族の1人として


「換装!!」


しかし、ステロペにそんなリリムの気持ちなど分かるはずもなく彼女の魔導騎士の両腕が外れたかと思うと噴射口と銃器がついた腕が水の中から飛び出てきた。


「ファイア!!」


噴射口から吹き出したのは燃え盛る火焔。

その紅蓮の焔は辺りに舞う幻想的な風景を焼き尽くし、リリムへ向けて銃器を乱射する。


咄嗟に雪壁を何重にも張り巡らしたかまくらを作り上げ、籠城する。

削岩機のような音がかまくら内に反響し、長い時間持たないことも承知していた。


「ステロペ、私は甘くないわ。その選択を断った以上は貴方に容赦はしない。」


だからこそ彼女は一国の姫として彼女を処断する事を決めた。

そこにリリム本人の気持ちはいらない。

そんな甘い気持ちは決心を鈍らせるからだ。


「ーー我が心は氷の如く。」


魅せてあげよう。

彼女に罪を背負いながらも惨めに真なる道を進み続けるリリムの歩みを。









「もう少し………!」


かまくら内に篭ったリリム姫様を倒すために私は機銃の弾丸を装填しながら撃ち続けた。

コックピットの中からでも伝わる振動に酔いそうになるがこれだけの威力なら押し通せる!


「見えた!」


何重にも折り重なった雪の壁を破壊した先には片膝をついて魔法の詠唱をするリリム姫様。

私は機銃の弾丸を装填し直し、狙いを定めて撃ち放つ。


「えっ!?弾詰まり!?」


だけどこんな時に弾詰まりが起きてしまう。

慌てふためきながらも対処しようとする私だったが更にコックピット内が以上な寒さな事に動きを止めた。


「ーー棄権もなければ完走なし、歩者は吹雪の丘で雪を愛でる。」


「なっ!その詠唱は!?」


間違いないこのコックピット内の寒さも弾詰まりもこの魔法の前兆のせいだ!

あれは絶対に止めなきゃならない!


虚飾の能力で嘘だと信じたいが頭に浮かぶのは本気だということ。

あれは絶対に私を殺すための魔法だ!


「ーーけれど我が歩みに終わりは見えず」


「させないっ!」


既に詠唱は完成間近、私は火炎放射器を向けて姫様に向けた。

真っ赤に燃える破壊の炎がリリム姫様に触れる


「不倒のまま雪の中を歩み続けるーー『夜闇に消えた雪の道(ロード・シュトゥルム)


寸前から完成した魔法が火炎を凍らせてそのまま私ごと凍らせようとする。


「換装!」


火炎放射器を切り離し、大剣がついた腕に変える。

火炎放射器はそのまま凍りつき、そのまま影に引きずり込まれた。


「この魔法の範囲は私が歩んだ場所、私の足跡に触れればそこを消すように影が貴方を氷に閉じ込めて飲み込む。そう、何もなかったように。」


冗談じゃない!

闇に水に風の三重魔法でこんな極悪な魔法を使うなんて!


文句を言っている矢先にもリリム姫様が踏んだ足跡から黒き者が顔を覗かせ、私を飲み込もうと手を伸ばしてくる。


私は影を大剣で切り裂きながら転移結晶を使おうか考える。


だがそのせいで一旦止まったところを狙うように青黒い闇が私へ向けて突き進んできた。

射線上にあるものは全て凍てつき、飲み込まれ、私の視界を黒く染め上げる。


「逃げなきゃ!」


横に足を踏み出そうとしたら その場につんのめり、手をつく。

原因だと思われる足を見れば彼女の足跡から伸びた影が私を縛る楔となっていたのだ。


「さよなら、ステロペ。」


リリム姫様は冷えた目で私を見ていた。

眼前には凍結の余波を撒き散らす青黒い闇。


負けを確信した私は躊躇うことなく、転移結晶を砕いた。









「危なかった!!」


私は転移した先、火山地帯にある私たちプレイアデス傭兵団の隠れ家に少しあの魔法を受け凍傷を起こした右足をかばいながら身を寄せる。


そこはイグニス様のおかげで暖かなベッドや食べ物などが揃っているのだが私が入るとそこは異様な光景であった。


唯一生身で強いメロは全身に痛々しい傷跡を残し、ベッドの上でうなされている。


ケライノはお酒を飲んでいる右腕が爛れている。

おそらく火傷だろう。


アルキュは傷はなさそうだが蒼ざめながら「ボクの魔法なんて…」と言っている。

彼女が魔法勝負で負けるとは思わないが負けてしまったのだろう。


エレクトは強がってこちらへ笑顔を向けているがその体に右腕はなかった。


「ごめんなさい、私も負けちゃった」


「ええよ、ここにいる皆んなまけてもうたんやから。」


「だけど時間は稼いだのであろう?」


「もちろん!彼らを城に閉じ込める作戦は成功しました!」


「ボクの魔法も成功したよ………あの女が張られた魔法陣に気づかない限り、外には出られないさ。」


「後はターユだけかな?」


私たちが作戦の成功を祝っていると奥の扉からマイアが出てきた。


「イグニス様は?」


「イグニスなら魔導騎士を整備してる。傷を見せて、直してあげるから。エレクトも少し待ってて、精巧な義手を作るから。」


私は彼女に右足を差し出して直してもらう。


そう、私たちは最初から勝つ気はなかった。

私たちの役目は邪魔者であるクレア一派を城の奥まで誘い込むこと。


そして誘い込み、後はイグニス様が城ごと里を破壊するのだ。


イグニス様の魔導騎士ならそれが可能だからこそやれる力技。

王族の始末は後で出来るため、先に邪魔者を潰そうと考えたイグニス様の作戦勝ちなのだ。


「皆さん、ターユが帰り次第、作戦に移ります。だけど心配なんていらない。」


この部屋に私たちの戦意が充満していくのが分かる。

私たちの身を削った行為をイグニス様は無駄にしないと分かっているからだ。


「この勝負、私たちの勝ちは決定しているんだから!」


マイアが突き上げた拳に皆が従う。

そうだ私たちが負けるはずがない!


今回も私たちの勝ちなんだから!

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