不思議な異世界生活
初投稿作品なので、至らぬ点はあるとは思いますが、温かい目で読んでいただければ...と思います。
筋の通った話が好きな人にはあまりおすすめしません。
作者の思いつきで文章を綴っているだけですので。
僕は困惑していた。
目の前の惨状(いや、楽園か?)に。
事は20分前に遡る...
僕は神崎 冬、まあ、そこそこ顔はいいが(自他共に認める)、勉強も運動も蛆虫以下という顔だけの出来損ない野郎だ。
何というか、勉強も運動も出来ない代わりなのか、この顔と自慢の会話術によって、クラスから孤立しているということはない。
神の御慈悲かな(遠い目)。
その時、僕は普通にいつも通り、朝起きて、顔を洗って朝食を食べて歯を磨き(以下略)...とまあ、日常的なことをしていた。
そして、一人で(家の近い友達がいないだけだ)通学路を歩いていたら...
「待ちなさい。神崎 冬。大事なことなのでもう1度言います。待ちなさい、神崎 冬」
「いや、繰り返さなくていいよ!?」
透き通った綺麗な声が聞こえたかと思えば、意味不明な台詞に突っ込まずにはいられなかった。
住宅街に僕の声がこだまする。
振り返って、僕は言葉を失った。
ああ、この世にこんな女性がいるのか...戦慄さえ覚えるほど整った顔立ちの美少女が、少し離れたところに立っていた(しかも仁王立ち)。
ほんのりと赤みのかかった白い肌に、睫毛が長い大きな目。紅を差したような真っ赤な唇。
すげえな。
髪なんてつやつやさらさらだ。
「あら、私に見惚れたのね。困ったわ。いつ襲われるか分からないもの。これだから男は...」
呆けたように彼女を見つめていると、ため息を吐きながらとんでも発言をした。
なんだこいつ。
「つか、なんて僕の名前を知ってるんだ?」
1度でもこんな美少女に出会ったことがあるなら忘れないはず...不思議に思いながら彼女に問いかける。
彼女は、ふんと鼻で笑ったあと(何かむかつく)片方の眉を器用に吊り上げながら言った。
「私があなたの顔を忘れるはずがないじゃない。それはそうと、あなたにはやるべきことがあるわ。さあ、早く行きましょう」
つかつかとこちらに歩み寄ってきたかと思うと、僕の手をつかみ、何処かへと連れていこうとした。
なんだこのラノベファンタジー的な展開は。
異世界に連れていかれるんだろうか。
実は僕は最強超能力者とか。
ならいいや。最高。何処にでも連れていってくれ。
「気持ち悪いわね。あなた、顔立ちだけはいいのに友達がいないのね?独り言が多い人間は、孤独だって誰かが言ってたわ...」
全部聞こえていたのかよ。
ちぇっ。
「それはそうと、お前僕のことを何処に連れて行く気だよ。別に何処でもいいんだけどさ。せめて場所とか、こう、地名とかは教えてくれてもいいんじゃねえの?」
しかしスタスタと歩く女だ。
あっという間に知らない景色が見えてきたぞ。
「あなたはもう何も覚えていないのね...まあいいわ。その質問には答えられない。強いて言うなら、あなた達の言葉でいう...異世界...?かしら」
ふーん。
特に驚きはしないな。
最初の言葉が引っかかるが...
「実は僕、強かったり?超能力持ってたりするんだ?」
にやにやと(多分傍から見たらとてつもなく気持ち悪い笑み)質問すると、彼女はチラッと僕を一瞥してから口を開いた。
「それはどうかしら...あなた次第ね、...それより、着いたわ!どうにか間に合いそうね、さあ行きましょう」
気がつくと、どでかいコンクリートの塀に囲まれた建物の前にきていた。
中世の城みたいなもんだな。
門の中をくぐると(衛兵のようなのが2人いた)、赤い絨毯が敷いてあって、続いた奥に威圧感を漂わせた男が椅子に(これまた中世の王様が座るような椅子だった正直口元が緩む)座っていた。
手をひかれるまま、その男の前まで行くと、女が跪き(強引に俺も跪かさられた)、口を開いた。
「連れて参りました。彼が、例の...それにしてもこんな頼りないただの男子高生ですが、本当に彼で?」
頼りないは余計だ。
僕にだってプライドはあるぞ。
男をチラリと見上げると、なかなかに整った顔立ちのお方だった。
重々しげな雰囲気を醸し出しながら、男が言った言葉は信じられないものだった...




