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天才数学者の恭しい現実

作者: おやぶん

雑文です。先に言います、ほんとに酷いです。

書きたいと言う欲望に駆られ、書き記しました。完全たる自己満足。何書いてんのか自分にも分からない。

や、ね。

私にだって確かに解りますよ、この状況は流石に。


でもさぁ、タイミングおかしくない? ……うん、絶対おかしいよね。だってさ、全て終わってんだもんね。転生しちゃったら、ストーリー全部終わってんだもんね。


だから私こんなことにいるんだよね。最悪だよね。軽く幽閉だよね。私まだ華も恥じらう16歳だよね(こっちの世界では)。お先真っ暗だよね。





「っ、ぁああああああああああ最悪うううぅぅぅっ!!! 」


私は、絶叫する。




*****



前述でお察し頂けると私の心も抉られなくて済むんだけど、詳細は説明しといた方がこの私の凄絶な心情をより的確に把握できると思うから、説明するよ。


といっても、まぁこの身に起こったことを説明するっていっても、ありがち(?)な乙ゲーの世界に? ヒロインの悪役令嬢として? 転生しちゃっただけなんだけどね。うん。私だって別にここまでは(百万歩譲って)納得してるんだよ。色々騒いでも今更この事実は変わんないわけだし。


でも、どーーしても納得できない事があるから「最悪ううぅ! 」なんて叫んでいた訳でありまして。

そう、何が納得できないかって言うと、転生したタイミング。それが明らかに異常なんだよね、はい。


だってさぁ、普通はさぁ、乙女ゲームのストーリーが始まる前か序盤の方で転生してさぁ、「ハッ! ここはゲームの世界だったんだ! 何とか自分のバットエンドを回避しなきゃ! 」ってなってるじゃん。


……違うからね。私の場合、ストーリー終わってるからね。見事にバットエンドかまして、見事にどっかに幽閉されちゃってるからね。


転生して待っていたのは幽閉生活って、私のこの絶叫したくなる気持ち、分かるよね。普通、精神狂うよね。狂わなかった私、偉いよね。

あ、でも。

ヒロインがどのルートを辿ったかは知らないけど、私が殺されてない所をみると、マシなもかのしれない……かもしれない……かもしれない。とか現実逃避始めてみました☆(いや、やはり精神イっちゃってるわ。)



現実逃避はそこまでにして。


私が転生したとおぼしきゲームは、『あなただけのプリンス』という乙女ゲーム。


転生した私の身体の持ち主は、乙女ゲームのメインの攻略対象の人物、ケアンズ・ド・アランフォート(名前長ッ!! )さんっていう王子様の元婚約者かつ悪役の公爵令嬢、ミシェル・クローリーという人物だった。鉄板だね。

……とか、語ってみたけど、転生前の私は乙女ゲームなんて物に毛ほどの程興味もなかったんだよね。私がトキメキを覚えるのは、十年来の恋人の数式だけなのよっ!


……はい、そこ引かない。ほんとなんだからしゃあないじゃん。


じゃあ、なんでこのゲームの事を分かっているのかって?


そんなの、私が聞きたいぐらいだよ。なーんか知ってんだもん。といっても、全部じゃないんけどね。所々情報が欠落してる記憶もある。なんたって、第一に私、私が転生する前のミシェルは、ヒロインに何をやらかしてどうしてここに幽閉されてるのか分かんないからね。

……こんな感じで中途半端に脳内に刷り込まれてる感、半端ないもん。ハッ! もしかしてこれがゲーム補正ってやつかな。(違う)


それに可笑しな点も一杯あるのよ、この世界。細かに挙げ始めたら切りが無いこと必定だから、特に可笑しいと思ったことを挙げるね。


まずは、時代観。

大筋は中世ヨーロッパの貴族物語なのに、魔法が使えて剣と魔法の王道ファンタジー……にも関わらず、国立国家機関の魔法学園がゲーム本編のステージ、と謎の設定に落ち着いてる。


それに、今、私の状況はゲームの謂わばアフターストーリー。ということは、既存の模範解答ストーリーが存在しないって言う結論になる。


要するに、これから終わっているゲームストーリーに関わらないようにするためには、私はどう行動するのがベストなのか、全くもって不明なんだよね。うーむ、困った。

あ、でもこれは言える。

多分、この幽閉屋敷に一生籠ってれば大丈夫!

よし、じゃあ籠ろうか! うん! 善は急げだ! 時代錯誤(?)起こっててもいいじゃん! 私には関係ないもん!


てかてか、転生してからずっと気になってたんだけど、この世界の魔法が前世の世界の理論と関連あるかもしれないんだよね……。あ、ヤバイ。禁断症状(数学的、理論的なこと考えてないと体が疼く症状)が出てきた。



「しゃあ! 落ち込んでる暇なんてない! 数式が私を待ってるわ!」


私はその日の内から、この幽閉屋敷唯一の使用人であるやる気の無さそうなおばさんにペンと紙をもらって、部屋に籠ることにしました。





*****




2年後。


私は18歳になった。こっちの世界での成人年齢だ。そして、成人を機にどうやら私はお引っ越しをするらしい。


あれ? 生涯幽閉説はどーなった? って訊ねたいところだけど、なんでも国直々の勅令らしい。いかに父親が王国一の公爵といえども、王家の勅令には逆らえない訳です。


くぅ~。庶民的な幽閉屋敷は結構気に入ってたし、折角おばさん(使用人)とも仲良くなれたから離れがたいなぁ。流石にお国に逆らっちゃ不味いしなぁ。



'事実上'幽閉されていたこの2年間、私は摩訶不思議な魔法の構造の解明の研究をしていた。

寝食とか無下にしても良いくらい楽しかった! やっぱり理論的思考は楽しいな。

もうなんのなんの、怖いくらいに簡単に法則やらが見つかっちゃってさ。


使用人のおばさんに話したら、至急に王都の国家機関に提出した方が良いとのことだったので、訳も分からず偽名で送ったのが約1年前。

王都で私の発見した法則やらが話題になってたらしいんだけど、何せ偽名で提出したから身元が割れなくて、漸く特定したと思ったら、偽名の主がかの公爵家の娘でもっと騒ぎになっていたらしい。もちろん限られた上層部の中でね。

……当の本人の私は全部蚊帳の外にいましたが。

で、私の父親っぽいダンディーなおじさんが、この幽閉屋敷にポツポツ来はじめたのが半年前。私はこれは仲直りしよう的なアレだと確信している。


父親が初めて幽閉屋敷に訪れた時、不憫そうな目で私を眺め回して開口一番に痩せたなって言われた。大方、精神的に追い込まれてるとでも思ってんだろうけど、研究にのめり込みすぎて痩せただけだよ、お父さん。

……はぁ、父親にまであんな態度とられるとは。ほんとに何したんだろうね、ゲームの中のミシェルは。すげーなめられてんじゃん。


で。国から正式に研究員として雇いたいという話が父親伝いで入ってきたのが2ヶ月前。

そっから、あれよあれよという間に王都にある何処(どこ)ぞの研究室に配属されることになってしまった。


私的にここに残って研究を続けたいと反対したんだけど、「我が儘言うな!」って父親から叱られた。「我が儘言うも何も私が王都に戻ったらゲーム設定崩れるでしょうがぁぁ! 」と私は切実に叫びたかった。



こんなことをしている間にも、私は何回か国家機関に論文を寄稿している。最新の寄稿の返書はまさかの王様からの自記筆だった。触ることでさえ畏れ多くて、封を開けずに壁に飾っておいた。


そしたら、まぁ、それが「王都に来て、是非我々の発展に貢献してくれまいか? 」っていう引っ越しの勧誘だったっていうタネ。スミマセン、返書畏れ多くて未だに開封してません。




それで現在に至る。

今は王都に向かって馬車に乗せられている。妙なリズムの揺れが気持ち悪さと吐き気を誘ってくる。


私の斜め前に座る父親情報によれば、王都まで半日はかかるとのこと。なんの拷問だこれはと文句垂れたくなってしまった自分はきっと正常だろう。てゆうか、半日て。大分遠くまで飛ばされてたなオイ。


襲ってくる気持ち悪さを、目を閉じて大好きな某アインシュタイン様の一般相対性理論を想うことで緩和していると、不意に馬車が停車した。

「?」

私が首を傾げて窓の外を覗こうとしていると、扉から静かに父親の従者っぽい人が入ってきて、父親とこしょこしょ話をした後、すぐに出ていった。おい、私は仲間外れか。だけど、馬車が停まったお陰か気持ち悪さも後退し、今はなんとも気持ちが爽やかである。何の話か興味あるが、それよりもこの時間が永遠と続けば良いのにと切に願った。


すると、父親が変にニヤニヤした顔で馬車を降りていく。ここで降りるのかと思って後に続くと、父親に「お前は残っていろ」と止められた。意味不明だ。


たちまち馬車の中で独りぼっちになってしまった私は、ボーッとして暇を潰していたが、何時まで経っても誰も来ない。そして、疲労のためか遂に抑えていた睡魔が限界を超えーーーーー寝た。






微睡(まどろ)みの意識の先に、誰かが目の前に座っている様子が映った。まだ身体は眠っているのか、視界がぼやぼやしている。


(父親が戻ってきたか。あーあー、貧乏揺すりしちゃって。何時もは貧乏揺すりなんてしないのに、どうしたんだろう)と疑問に思いつつ、再び落ちてくる睡魔に意識を受け渡そうとした刹那。


「起きろ」

命令された。だが、命令されて素直に恭順する私ではない。


「仮眠中ですの、ふぁぁ」

「っ! ……あくびとはな。貴様、俺を愚弄すのか」

低音の凄みのある声。それには怒りの感情が含められていた。


(わー……。なんかお父さん、怒ってるっぽいけど、なんで怒ってるんだ? この程度の()れ言、いつもなら笑って受け流すのになぁ。それに、さっきも違和感を感じたんだけど、この声、父親の声じゃないような……気がする。ヤバイな、聴覚までとうとう狂ってきたのか……)

などと色々思ったが、確かに失礼には変わりないので、私は意識を覚醒させるために、目を擦りながら返事をした。父親相手だし、そこまで不敬にとられないだろう。


「何を怒っていらっしゃるのですか、お父様」

「おとっ……、お前はバカか! 俺の何処がお父様だ! 」


そしたら、何故か怒鳴られた。やっとこさ遅れて、意識が戻ってくる。そして。


「あれ……? 」


視界がはっきりしたその先には、父親ではなく無駄にキラキラオーラが飛び交ってるイケメンが座っていた。誰だこの男。父親の友達か何かか。いや、それにしては歳が若いな。


「貴様、あれだけのことをソフィアにしておいて、少しは反省したと思っていたが……。またしゃしゃり出てきたな。魔法理論の解明とは、今回は一体どういう手を使ったんだ。誰を雇ってここまで成り上がった」


見知らぬイケメンさんは、ぶつぶつと私を罵っている。彼の麗しい唇から出てくるのは、知らない名前と身に覚えのない言葉。あまりの突拍子ぶりに、私は呆然としてしまった。


「あの、何処の誰だか知りませんけどね、憶測だけでモノをいうこと「……まて」


は失礼かつ浅慮であられますが、と続くはずの言葉はイケメンさんに遮られる。人がまだ話している途中なんだけど。


「何処の誰、だと? まさか、俺の顔、忘れたわけじゃあ……」

「……はっ? 」


目が点になるのは不可避である。


あらら、そこに反応しちゃう? お前の顔はこの世の生きとし生けるもの全部が知ってるってか? この人は自己中なのか、それともナルシストなのか。どっちにしても、イケメンなのに残念なことだ。


「覚えてるって、私と貴方は初対面でしょう」


私は、イケメンさんの目を見返しながら、呆れの意味を込めて、これ見よがしに大きなため息を吐いた。

イケメンさんは虚をつかれた顔で私を見つめてくる。……大丈夫。私は間違っていない、私とこんなイケメンさんとの接点はなかった筈だ。


「ミシェル……? 俺のこと本当に覚えていないのか? 」

「はい(多分)」

「……冗談は止めておけよ。数年越しとは言え、元婚約者の顔を忘れるなんて、代わらず最低な女だな」

「えっ? 」


私は思わずイケメンさんを見返す。


(元、婚約者……? こんやくしゃ? こっ……ああああ!! おっ、おっ、思い出したぁぁぁぁぁ!!!! そうだ、この人私の元婚約者だったよ!!! 噂のケアンズ・ド・アランフォートさんじゃん!! いや私(前世)は直接この人の顔見たことないけどね!!!! どうしよう他人事過ぎてヤバイよこれ!!!! )


脳内で沸き起こる叫び。やはり中途半端な情報の刷り込みは禁物だった。元婚約者の顔を覚えてないって…失笑ものである。まぁ、私の場合は不可抗力なので不問だろうが。


「ああ、そういえばそんな顔でしたかね。スミマセン、あの後、貴方への興味が急速に失せてしまいまして」

「!? 」


悪役お得意のゲス顔でそう言えば、元婚約者はさっきよりも更に虚をつかれた顔をしている。

ああ、ゲーム中では私が彼を愛していることが当たり前だったことによる影響だなぁ。確かに彼はイケメンだけども、一般相対性理論の方が断然格好いい(←え)し、魅力を感じる(←え)。

関わってはいけないという危険信号を脳受信した私は、口喧嘩の調子を全快にさせた。


「それよりも、貴方、非常識ですよね。仮にも婚約解消した相手に許可なく押し掛けるとは、人としてどうかと思いますが」

「は? ミ、ミシェル? 」

「はい何でしょうか、ええと、名前なんでしたっけ……。ああ、どうでもいいですか、今は他人ですしね」

「……? 」


うろうろと、元婚約者の麗しい目が泳いでいる。そう、見るからに彼は戸惑っている。私はそこにつけ込んで、彼を馬車から追い出したい一心で一気に畳み掛ける。

私は、ピッと馬車の扉を指差した。


「返す言葉がないのでしたら、今すぐここからご退場くださいますか。そして、私の前に2度と現れないでくれまして? 」

「……待てっ! 」


漸く元婚約者のイケメンは荒げた声を出す。

くそ、易々(やすやす)と引き下がれば良いものを。一体、なにが彼をこれ以上ここに引き留めようとするのか。私とこれ以上接触するとこのゲームがぶっ壊れるぞ。

意味が分からない行動をされるのは困る。私は彼をできる限り彼を睨み付けた。


「出ていってください。もう、私と関らないで」


……私自慢の低温ボイスを添えて。流石、公爵令嬢のミシェルだ。悪役令嬢だっただけのことはある。悪役ゆえに、生まれつきこういう声は得意らしい。

元婚約者は私の所作に怯んだ様子だったが、すぐに我に返ったようで、私に対抗するのか厳しい声を発した。


「で、出ていけとは、誰に向かって物を言っている」

「私のモト婚約者で、今はアカノタニンにですが」

「チッ……」


ああ言えばこう言う私に何も言い返せない元婚約者は、苦虫を潰したような顔で私を睨む。私は負けず劣らず、扉をもう一度指差し、バカにした声色で彼に喋りかけた。


「はーい。退場ですね」


そこは彼も、所詮貴人と言ったところだ。悔しげに顔を歪ませながらも、スッと立ち上がって扉まで歩いていく。


案外、素直に引いてくれた。だか、元婚約者は馬車の扉に手をかけ、動きを止めた。加えて、妙なものをみる目付きを投げかけられる。


「何でしょう」

「……お前、大分印象変わったな」

「……」


当たり前です、中身別人ですからね。とは決して言わない。いや、言えない。

とりあえず、最優先で馬車から出てってほしいので、私は最良の愛想笑いを振り撒いた。


「それはそれは、誉めて頂き光栄です。それではごきげんよう」

「……」


完全に元婚約者が馬車から降りていき、完全に一人の空間に戻る。瞬時に私は座席にへたりこんだ。ふわふわの座席に沈みながら、ふぅ、とため息をつく。


忌々しい元婚約者が、視界から消え去った。敢えて今の心地を表現するならば、精神的に酷く疲れた、だ。


ーー何なんだ、一体。今さら会いに来るものなのか。


私はそんな邪念を、愛している一般相対性理論について考えることで強引に振り払った。



その後すぐに父親が戻ってきて、色々探りを入れてきたがことごとく無視してやった。どうせ私があのイケメンとよりを戻すのを期待してるに決まってる。

そして、その後は私は何事もなくーーヒロインとその取り巻き達に鉢合わせずにーー、魔法学園の研究室にに入室することが出来た。




*****



国立国家機関魔法学園に併設される、国立魔法研究所魔法理論学科2023号室。


私の住まい兼研究室の名称である。研究所に引っ越してから、既に一ヶ月の日々が過ぎた。新しい生活の秩序が形成され、腰も落ち着いてきた今日、この頃。


《国民栄誉学者、魔法理論研究者博士号取得》


私は偉そうなオッサンから大層な肩書きを賜った。誰このオッサンと思ってたら、まさかの国王だったというオチがついてきた。ほんとに偉かったのね。


何でも、国民栄誉〇〇(〇〇には職業が入る)というのは国民に多大な貢献をしたものに贈られるもので、〇〇博士号とは一定の条件を満たし、かつ優秀な論証を示した学者から選ばれるらしい。



授賞式で、父親は私以上にはしゃいでいた。


そんな父親の隣には綺麗な妙齢の女の人が侍っていた。多分母親だろうが、もし違っていて愛人とかだったら面倒臭いので目を合わせないでおいた。今思えば貴族社会だから、妻は何人もいてよかった時代だね。愛人という概念は存在しなかったわ。


それにしても、偏屈者の私の身には合わない、えらく程遠いご身分になってしまったものだ。一度は貴族階級から追放された身。私の身分を担ぎ上げてなにか面白いのだろうか。もしかして更に上から叩き落とす為の布石なのだろうか。……背筋がゾッとした。


「……なーんて、冗談☆」


いやいやいやいや、冗談で済まなかったら凄く怖い、考えたくない。



私は部屋備え付けのソファーに寝そべり、ボーとしていた。手には、先程受け賜った大層な肩書きの証明となるワッペン。


キンキラ金のワッペンだ。

常にこれを襟に付けておかねばならない、と父親が教えてくれた。それを聞いて、死ぬほど嫌だと思った。なんじゃそれ、校章かい。服の襟なんかに付けたら絶対に目立つ。中学生じゃないんだから、そんな恥ずかしい真似はしたくない。



「あー…。なんか」


変わっちゃったな…とちょっと自傷する。部屋に虚しく響く、私の独り言。

本音をぶっちゃけると、私は身分が欲しいのではない。ただ、自分の大好きな研究をしていたいだけのだ。下手に身分なんか貰って、自分の行動が制限されるなんてやぶ蛇ではないか。


コンコン。


変なエンドレスにはまっていると、扉を叩く音が聞こえた。「はぁーい」と適当な返答を返すと、今度はカチャッと扉が開く音が聞こえた。因みに、聞こえたと表現しているのは、単に私がソファーに寝そべったまま、物音の方を見ずに昏々と天井の無機質な白をボーと観察していた為である。



設定を。

※年齢は(ゲーム時→本編時)


ミシェル・クローリー(16→18)

容姿はきつめというより、涼やかな印象。身長は160㎝前後。

ゲーム時:悪役キャラ。公爵家の娘。性格は最悪。ドぎついメイクに、恒例の縦ロール。ヒロインに手下を使って襲わせた張本人。これが露見して学園追放僻地幽閉の身になった。

本編時:前世が(ひいらぎ)(かおる)という天才数学者。26歳の時に自身の研究所が爆発して死亡。そんな彼女がそのままミシェルに乗り移ったので、メイクには無頓着、興味ないことは一切手ェ出さないという残念な性格となる。執着がない彼女は、周りの男から『是非とも手に入れてみたい女』と思われていることを知らない。


ケアンズ・ド・アランフォート(16→18)

ゲーム時:メイン攻略ルートの人物。冷静沈着で滅多に顔に表情が映らないので有名。ミシェルの素行にほとほと困っていた。ヒロインとは彼の中身を見てくれる事から心開いて行く。

本編時:2年ぶりにミシェルを見かけたと思ったら、大分印象が違っていたことに驚く。研究者として名を上げているミシェルに嫉妬し始める。自分の欲しいものは自ら手にいれないと気が済まないためミシェルに手を出したところ、ほんとに興味をなくしていて焦る。


ソフィア・ニール(16→18)

ゲーム時:ゲームのヒロイン。たぶん転生者。ゲームが終わったあとに運命の人を見つけ、だがイケメン達を傍に置いておきたいと願っている。天然で凄く可愛い子。



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