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三匹の子豚より「愚かな三男」

作者: 黒井暁
掲載日:2014/09/21

ある牧場に三びきの子豚がいました。三びきはとても仲のいい兄弟でいつも一緒でした。お母さんはいないけれどまわりには馬や鶏といった友達もいました。


その日の朝、三びきは小屋を出て遊ぶことにしました。少し寒い冬の時期です。すると長男が秘密基地をつくって遊ぼうと提案しました。弟たちはそれに賛成しました。

三びきは秘密基地の材料を探すために解散し、太陽が上に上る頃にまた集まろうと約束しました。 


面倒くさがりな長男は藁を持っていこうと思っていました。藁があるところはすぐそばですし、藁は軽いし組み立てやすいですから基地を作るのにも良いだろうと考えたのです。長男は少し急ぎ足で藁が積んであるところへ向かいました。藁があるところについたので少し休憩をしようと長男がその場に腰かけた時、長男は気づくことが出来ませんでした。彼の後ろに動く影を。


次男は木のあるところへ走って向かっていました。次男は三びきの中で一番体力があります。木は丈夫ですから基地を作るのに最適じゃありませんか。次男は木のあるところへ着くと良さそうな木をいくつか持って集合場所を目指しました。

すると後ろから何かの駆ける音が聞こえてきました。足音のようです。はじめは気にしていませんでしたが、その音は段々と大きくなっていきます。怖くなってきた次男はちらりと後ろを見ました。そこにいたのはなんと狼です。

次男は木を投げ捨てて全力で走りました。それでも狼との距離は広がりません。次男はとにかく走りました。

その時、急に何かに足をとられたのです。沼でした。

沼は次男の小さな体を少しずつ沈めていきました。次男はひたすらもがきましたが、とうとう…


三男は一人兄たちとは全く別のところへ向かっていました。三男が持っていこうと思ったのは煉瓦です。煉瓦がたくさんあるところを三男は知っていました。賢い三男は藁や木も思い付きましたがその中でも一番丈夫でしっかりした煉瓦を持っていこうと考えました。三男は煉瓦が積まれたところへ着くと持って行けるだけの煉瓦を持って集合場所へ向かい、それを繰り返しました。

ある程度の煉瓦を運び終わった時にはもう約束の時間でした。しかし、兄たちはいません。不思議に思った弟は一人で煉瓦で基地を作って兄たちを驚かせようと思いました。

三男が煉瓦で基地の形を完成させた頃、そばを通った馬たちの噂話が耳に入りました。

「あの兄弟…長男はクリスマスで丸焼きにされるんですって。次男は野犬に追い回された挙げ句沼で溺れ死んだのが見つかったそうよ…」

三男ははっとしました。兄たちがもう来れないことも、その理由もわかったのですから。

もしかして、次は次は自分の番では?

怖くなった三男は必死で煉瓦の基地を作り上げそこに籠ることにしました。そうして出来た煉瓦の家の下に生える草などを食べて過ごしました。見つかったら殺されてしまう…何故か三男はそう思い込んでしまったのです。それは兄達が立て続けにいなくなった恐怖感から来ているのか、あるいは…

人間達の自分を探す声が妙に恐ろしく感じます。

寒くても。ひもじくても。三男は我慢しました。


賢いといっても三男は豚です。

小屋の中で生きてきた三男は本格的な冬を知りません。

それ故、三男は基地に籠るという浅はかな選択をしたのでした。

空から見たこともない白いものが降ってきても、三男は息を白くして暖かい春を待ち望みました。


翌日、降り積もった雪の寒さに凍えて死んだ三男が見つかりました。

馬や鶏は話しました。

「三男はなぜあんな馬鹿なことをしたんだろう。三びきの中の一匹は家畜じゃなく家族として誰かにもらわれる予定だったのに」

相変わらずのシリアスですみません(>人<;)


あとシンデレラのやつよりもわかりづらい作品になっちゃいましたね…… 


他にも思い付いたら載せてみようかな…と思ってます。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 下手に賢いが故に死ぬというのが読んでいて辛かったです [一言] 長男は人によるものですが、次男は野犬によるもの なぜ、三男は次は自分だと感じたのでしょう? 兄弟二人が死んだら、つぎは自分だ…
2014/09/22 00:46 退会済み
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