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公衆電話な女の子。  作者: 夕凪
第1章
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第8話


 とりあえず、ラメンタは僕が買ってきた下着(もちろん白!清純な白!)を着てもらい、その上には僕用に買われたもののサイズが合わず運用を見失っていた大きめのジャージ上下を着てもらった。これで安心。

 それと、陽翔に今日は自分の家に戻ることを告げることになった。

 普段なら家電なんだけど…今日はラメンタがいるので、ラメンタに仕事をしてもらうことにした。お金を少し払って電話番号を告げる。

 ラメンタの口から陽翔の声が聞こえるのはものすごく違和感を覚えた。まるで、太陽が西から昇るのを見ているかのような、それぐらいの違和感だった。

 ラメンタで電話をするときはやっぱり顔隠しの布を付けてもらった方がいいかもしれない。

 陽翔は『そうかそうか。無理そうだったらまたいつ来てもいいぞ?あ、着替えは宅配便で送っとくぞ?あ、料金はこっちで持つから』とめちゃくちゃ優しかった。

 やっぱり持つべきものは良い友だなぁ。

 と、いうわけでやるべきことが一見なくなったかのような気もするが、まだ夜ご飯を食べていない。

 時計に目をやると午後七時ちょっと過ぎ。

 今からでも遅くないと判断し、ご飯を作ることにした。

「ラメンタさんってご飯……食べれる?」一応機械だけど大丈夫なんだろうか?電気を充電とかの方がいいのかな?


「う~ん?あ~………いちおう、たべられるよ~?」


 何だったんだ、今の間は。もしかしてガソリン派だったのか。本当に大丈夫なんだろうな?食べ終えてから問題を起こさないでくれよ?たとえば……壊れるとか。ラメンタには壊れて欲しくない。

 冷蔵庫を漁ってみると……賞味期限オーバーのものがいくつか散見された。

 消費期限のは捨てた。

 ごめんよ、小魚君たち……。だって食っておなか壊してゲロゲロ下痢下痢したくないから…。

 さ~って何を作るかな~?

 僕の料理の腕前は自分で言うのもなんだけど、そこそこできる方だと思う。

 う~ん、と……。

 オムライス!サラダ!

 メニュー決定っと。


「何作るの?」

「オムライスでもしてみようかと」


「ほうほう、それは中々興味深いですな」と、興味津々のラメンタ。

 彼女は料理を作れない……というか作ったことがないそうだ。

 なので見学。


 料理シーンはめんどいのでカーット。

 料理漫画でも読め。

 というわけで完成である。

 うむ、我ながらよくできた。

「おおお~……おいしそうだね~」とテンション上昇中のラメンタ。

「さ、食べよう食べよう」と言って料理をダイニングにテーブルに運んでお互い今度は対面に座る。


「わたし……ごはん食べるの初めてなんだけど……三沢さんのが初めてでよかった」


 なんだこれ、すごくうれしいというか、はずかしいというか。


「お、おぅ。召し上がれ」


 なに?僕にデレちゃってんの?勘違いしちゃうよ?


「「いただきまーす」」


 あむ。

 むしゃむしゃ。

 ごっくん。

 あむ。

 むしゃむしゃ。

 ごっくん。

 あむ。

 むしゃむしゃ。

 ごっくん。

 あむ。

 むしゃむしゃ。

 ごっくん。

 あむ。


「ら、ラメンタさん?もうちょっと落ち着いて食べてもいいんだよ?」


 あむ。

 むしゃむしゃ。

 ごっくん。

 あむ。

 むしゃむしゃ。

 ごっくん。

 あむ。

 むしゃむしゃ。

 ごっくん。

 あむ。

 むしゃむしゃ。

 ごっくん。

 あむ。

「……ん、だって、すごくおいしいから、ついつい」照れ照れ。

 ラメンタ可愛い。


「いや、それは作った側としてはすごく嬉しいんだけども」


 まぁ、いいか。

 久しぶりに、楽しい食事ができた。

 それでいいじゃないか、ということで。



「「ごちそうさまでした」」


 ラメンタと目が合う。

 意味もなくお互い笑い合う。


「んふふ、どうしよっか?」


「そうだな…まずは片付けかな……?」皿洗いとか。

「皿洗いなら任せて!」と腕をまくるポーズを決めるラメンタ。


「大丈夫?」

「じょぶじょぶぐっじょぶ」


 ホントに大丈夫かな?


「ま、いっか。じゃぁ、お願い、できるかな?」


「おうよ!」頼もしい。


「僕はその間にお風呂に入ってくることにするよ。

「ん、わかった」




           †



 というわけでラメンタが入った後のお風呂である!なんかエロい!

 できればこのお湯をペットボトルにでも詰め込んでおきたいぐらいだが……さすがにそれはやめておこう。腐ったらめんどくさいし。

 なんだか今日は疲れた。

 でも、この疲労感は家族が殺された時の疲労感とは異なって、どこか心地いいものがあった。


 はて、現状をよく分析してみると、あることに気が付いた。

 今日まで知らなかった、おそらくは同年代(あくまで見た目なので分からないが)の女の子を自分の家に連れ込んだ挙句、お風呂に入れて、一緒にご飯を食べる。親は当然いない。

 うん、これって結構ヤバイ状態なんじゃないだろうか?

 少なくとも今日出会ったばかりの女の子を家に連れ込んだ時点で軽くアウトな気がする。風紀的に。

 ………どうしよう。気にし始めたらどんどん緊張してきたというかそわそわしてきたというか。う~ん、べ、別にラメンタがこの家に泊まるとかそういうわけじゃないから問題ないよな!!

 ん?待てよ……?泊まらないとしたらラメンタはどこに行くんだ?服はまだ乾燥中なわけで、そもそも、電話屋さんを泊めてくれるような家があるとは思えない。つまり、夜の街をずっと歩き続けるということで。幼女の例があるように、自己防衛等に関しては心配はないんだけど……。

 そんなことをしばらく考えていたら、のぼせた。



次話は5/1 19時頃に公開する予定です。

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