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ゆるいエッセイ集

夕べ、スーパーの入り口ですれ違ったあなたへのラブレター

作者: 寒がり

 夕べ、スーパーの入り口ですれ違った時、あなたは随分とやつれた顔をしておいででしたね。あんまり辛そうにお歩きになるので、ついつい目で追いかけてしまいました。


 あなたがなぜそんなにお疲れなのか、なんらかのトラブルに直面しておいでなのか、作業の期限が迫っているのか、あるいはそれ以外か、それは存じ上げません。


 ただ、あの時、私はその一瞬だけは世界の誰よりもあなたの幸せを祈ったと思います。あなたの辛そうなお顔が笑顔に変わる何かが起こったらどんなにいいかと想像しました。


 それは博愛とか仁愛とかいう道徳的なものではなく、あなたの顔を見た瞬間、ふと私の心に浮かんだ感情でした。多分、あの時のあなたの顔を見たら誰でも似たようなことを思ったはずです。


 私は奇跡ということには懐疑的ですから、きっとこの手紙はあなたには届かないと信じます。よしや届いてもあなたはお気づきにならないでしょう。


 でもどうか、あなたが二度とあんな顔をしなくて済みますように。あなたの明日に何か楽しいことが待っていますように。

 

 夕べ、スーパーの入り口ですれ違った赤の他人より

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