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正義の実現者になりたくて  作者: 藤本悠
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序章 我らは見えざるが故にこれを恐れるのであれば

失踪しまくりながら、懲りずにまた始めました。

今年忙しいけど頑張ります。


人生薔薇色ってのはどんな人生だ?

金か?地位か?名誉か?女(あるいは男)か?

まあ正直ここに何が入るかは知らん。

そいつにとって一番重要なファクターってのは大きくは変わらないようで人それぞれブレるからな。


ただまあ。


少なくともそれは魔物と悪魔とクズと硝煙の臭いのする戦場(ここ)じゃねえってのは確かだ。


この環境下で鼻呼吸をしていると嗅覚が鈍くなるので、俺たちは自然と口呼吸になっていた。

「……欲しいもんだな、そんな人生」

口をついて出た言葉は銃声と爆発音でかき消されて誰の耳にも入りやしない。

……余裕が生まれたからか余計な事を考えていたな。

そうして再び機械的に、敵をひたすら殺すマシーンになっていく。

いったい何体祓ったのか分からん程弾薬を消費し、任務を終え本部に帰還し、おざなりに報告を済ませしばしの休息。

祓う、帰る、休む。

祓う、帰る、休む。

祓う、帰る、休む。

もう何十年も続けてきた作業。

次第に人間性が喪失していくのを感じながら終わらないループに身を任せる日々。

祓う、帰る、休む。祓う、帰る、休む。祓う、帰る、休む。祓う、帰る、休む。祓う、帰る、休む。祓う、帰る、休む。

いい加減飽きてきていたにも関わらず、それしかやることがなかったが故の惰性。

……いつしか、俺は最上位の地位である聖騎士(パラディン)へと上り詰めていた。

面倒だったので、聖騎士團(パラディオン)の再結成は部下に任せて一線からは退く事にした。

そして。

60手前だったが、まあそれまでの人生を振り替えると悪くない死に様だろう。

そういう訳で。

生まれてから死ぬまで悪魔を祓い続けた、下らない一人の男の人生が終わった訳だ。

特に悔いはねェし何の未練もありゃしないんだが。

自分が死んだ後もしばらく意識があった事に俺は気付いた。

あんまりダラダラ引き延ばされんのも、それはそれで苦痛だ。

と、少しずつ自分が薄れていくのと同時に無明に光が差し込むのが分かった。

そして。

俺はここでしばらくお別れとなる。


***


その日。魔神の落とし胤が二つ、人界に生まれ落ちた。

一人は黒髪黒目の男の子、一人は黒髪赤目の女の子。

教会の軒先に捨てられた彼らは、もうじきやって来る貴族と出てくる牧師に見つけられて貴族に引き取られるだろう。大人しい男の子はしばらくは姉のおもちゃにされ、その関係のまま成長していくはずだ。

だからそれまで、世界はその二つを知らないまま回っている。

その片割れに、いずれ世界が引っ掻き回されるとも知らないままに。


あとがきまで読んでくれた人います?

そんなに長くないので、いたら嬉しいなぁ。

一話出来るだけ早く更新しますねぇ。

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