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占い師

裕馬が、言った。

「とりあえず…占い師の話だ。」と、美智を見た。「美智さん。」

美智は、頷いた。

「私は、話を聞くまでは悟さんが相方だと思っていたけど、私を狂人だとか言い出したから、もしかしたら間違って占い師の私に白を打ってしまった狂人なのかと思って来たわ。結果が騙れなくなるから、あちこち疑いたいんだろうなって。咲子さんは、やっぱり騙し討ちみたいな出方が怪しいから引き続き偽だと思う。だから、今の時点では真悟さんを相方かなと思っているの。グレーだけど、それより煌さんよ。めちゃくちゃ考察が伸びるけど、仮に咲子さんが狐なら相方の狐なんじゃないかって思うのよね。煌さんの方が出た方が良かったのに、騙し討ちで咲子さんが出ちゃって怒ってるようにも見えたわ。狐なら、狼を吊りたいから村目線の考察も落とせるよね。だから、グレー云々よりも、狐じゃないかって占い対象に見えてるわ。」

煌が狐。

皆は、そう言われるとそんな感じに見えて、顔をしかめる。

煌は、しかし面白がっているような顔をした。

「ほう。私が狐と?だったら占えば良いのではないかね。村に真占い師だと知ってもらうチャンスだぞ?」

美智は、煌を睨んだ。

「言われなくても指定先に入れてもらうわ。」

裕馬が、割り込んだ。

「こら。指定はこっちからする。占い師の希望を聞いたら囲われるからな。そこはみんなの意見を聞いて、オレが適切だと思う位置に指定を入れる。」と、ため息をついた。「…次は…疑われまくってる咲子さんの意見を聞こうかな。」

咲子は、言った。

「…私は…共有者が出たから、だったら出ておこうと思った真占い師よ。自己紹介の文言もあまり何も覚えてないし、だったらゲームをさっさと進めて夜の投票を村有利にしようと思って。あのままみんな、おっとりしてる感じだったでしょう?私は、人より考察が遅いから、早くみんなの意見を聞きたかったの。それだけで怪しまれるなら、出なければ良かったと思ってる。でも、私があの出方をしたから、人外にも出る判断をさせなかったと思ってるわ。多分、急いだから霊媒も確定したんじゃない?戦う時は、敵に考える時間を与えないほうが良いと思うわ。」

咲子の言うことはもっともだった。

まだゲームをしようという雰囲気ではなかったので、咲子のCOで一気に場が動いて、人外も慌てたのが本音だ。

今ので、咲子が一気に白く見えて来た。

直樹が思っていると、海斗も同じだったようで、顔をしかめた。

「そうなの?めっちゃ分かる意見だよね。確かに人外は考える時間がなかったから、慌てた気もする。誰が出るって話し合いする暇も、考える暇もなかったわけだし。現に霊媒が確定してる。村のためになってる。」

裕馬が、頷いた。

「オレもそう思った。で、咲子さんから見て占い師達はどう見てる?」

咲子は、答えた。

「私はみんながみんな私を偽だと言うから、ほんとにわからないのよ。まだ真悟さんの意見を聞いていないし、それからかな。ただ、美智さんの攻撃の仕方はちょっと引っ掛かったかも。どうして私が狐だって目線しか落とさないの?もし、私が人外に見えていたら、狼か狂人の可能性もあるわけでしょ。間違った視点から、すごく考察が伸びてる煌さんまで疑うなんて、強敵そうな所を人外塗りしておきたいように見えたわ。だから、美智さんは怪しいと思ってるわ。グレーは、みんながみんな私を怪しむからわからないの。直樹さんも、あの状態で私を庇うって、逆に白く見えたのは私視点なんだから仕方ないと思って欲しいわ。ただ、私も玉緒さんを吊るのが安牌かなと思ってるかな。役職でないなら、グレーを減らせるから初日は別にそんな理由で良いと思う。」

咲子は、自分で考察が遅いとか言っていたが、そんなことはない。

そもそも、遅かったらあの速さでCOは無理だし、これまでのどの占い師よりもしっかりした意見だった。

美智が、言った。

「そんなの!だから煌さんを怪しむ理由は言ったでしょう?狐が狐を囲ったと考えるのはおかしくないと思うわ!」

裕馬が、まあまあと言った。

「それは後で。全員の意見を聞いてからだ。」と、少しうんざりした顔をしながら真悟を見た。「じゃあ、真悟。」

真悟は、口を開いた。

「…なんだろうな、オレからは誰も攻撃してこないし、よくわからないんだよね。咲子さんが出方で怪しまれていたけど、理由を聞いたらもっともだと思ったし白くなった。なんなら占い師の中で最白かもしれない。あれだけ皆に攻撃されていたのに冷静に考えていたことがわかったし、攻撃されたらやたらと割り込んで弁明する美智さんの方が、真を取りたくて必死の人外に見えて来たな。仮にここが狂人だとしても、もしかしたら悟が狼か狐の可能性もあるわけだし、両方人外でも驚かないなと思った。とはいえ…狐も出ていると考えると、占い師の中でも人外同士が戦うだろうし、分かりづらい。グレーは…そうだな、オレ目線じゃお告げ先の祈さん以外は全部グレーだ。だが完全グレーから考えると、きちんと割り込んで意見を落とす海斗は白い。余裕がないと軽口叩くのも難しそうだし。真希さん、和彦、諒は強く玉緒さんを怪しんでいるから、玉緒さんの色次第で白くなると思ってる。詩子さんはちょっと庇うような意見を言ってはいたが、あれは気遣いの範囲の発言だったから今はそこまで疑ってない。直樹はあからさま過ぎて人外でも白だろうなと感じた。高広は無難な意見だったが、最初の方の発言であれだけ話せたら良い方だ。清は冷静に回りを見てる感じがする…余裕を感じるので人外っぽくない。だが、亜由美さん。最後の発言だが、内容は全くなかった。村に次の進行、白先と占い師の意見を聞きたい、と言っただけ。玉緒さんのことにも、咲子さんのことにも言及しなかった。狼位置が分かるまで、どこにも色を付けたくない狂人なのかと思ったな。今のところそれぐらいだ。明日からの吊り位置のこともあるし、玉緒さんを吊ってその色でグレーの色を予想して行きたいと思うよ。」

完全グレー全員に言及した。

真悟も、狼を探している占い師に見えた。

裕馬が、ため息をついた。

「よく見てるなあ。やっぱり占い師の中じゃ、真悟が一番真に近い印象かな。次が咲子さん。オレの印象だけどね。」

悟が言った。

「…まあ、オレはまだ他の占い師の発言を聞けてなかったし。これから呪殺を目指して頑張ることにするよ。占い師吊りじゃないんだし。」

裕馬は頷いた。

「その通りだ。今日はグレー…このままだと、玉緒さんが筆頭吊り位置になるけど、何か考えた?霊媒以外全員の話が聞けたけど。」

玉緒は、首を傾げた。

「…考えるのに時間が掛かるの…実は、さっきから御手洗いに行きたくて。」え、と皆が驚いた顔をする。「ごめんなさい。言い出しづらくて。」

詩子が、慌てて言った。

「あ、あら、そうね、みんな座りっぱなしだし。女子は言い出しづらいわね。」

祈が、頷いた。

「気が付かなくて。一旦休憩にしませんか?キッチンに行けば飲み物もあるだろうし、また後でお話を。」と、玉緒を見た。「リビングの、そこが御手洗いみたいだから、行ってらっしゃい。」

玉緒は、頷いて立ち上がった。

裕馬が、急いで言った。

「もう昼を過ぎてるし、じゃあまた後で。呼びに行くよ。」

全員が頷いて、立ち上がった。

体をくねらせて固まった筋肉をほぐす者、伸びをしながらあくびをしている者、様々だ。

直樹は、ハアとため息をついた。

すると隣りの、和彦が言った。

「キッチン行くか?みんな行くみたいだし。飯にしようや。」

…疑われてたのに、話し掛けてくれるんだ。

直樹は、ホッとして笑顔で頷いた。

「なんか一気にお腹空いたなって思った。目が覚めてから、いろいろあったし。」

海斗が、歩きながら言った。

「だよね。僕もお腹空いたー。何があるのかな。インスタントラーメンばっかだったりして。」

直樹は、げ、と顔をしかめた。

「オレ、毎日食べてた気がする。できたら別のが食べたい。」

清が、笑って言った。

「大丈夫だろう。冷蔵庫めっちゃあるって言ってたし。行こう。」

そうして、ぞろぞろとキッチンへと入って行く波に乗って、直樹達は歩いたのだった。

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