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嘘か誠か

諒が語る襲撃先開示の理由は、もっともなものだった。

狼目線、狐が見えているのに、バカな狼が手を貸してくれたと影で嘲笑われていると思うと、我慢がならなかったという感情は理解できる。

海斗が、言った。

「…でも、それだと真占い師は美智さんと咲子さんでしょ?清さんは確かに真悟さんの白先だけど、咲子さんの白先でもあるんだよ。狐じゃなくない?」

諒は、ニタリと笑った。

「…お前、本当に清が狩人だと思うのか?オレは、煌さんが狩人を騙っていたのだと今朝知ったが、次に出て来た清のことも、だから怪しいと思った。それでこの結果から考えたんだが、煌さんが噛まれるのを覚悟で庇うなんて祈さんぐらいのもんだろ。祈さんが狩人で、煌さんはそれを庇ってた共有か猫又。噛まれるのにメリットがあるのは猫又だ。だから、オレは煌さん猫又で清が共有、祈さんが狩人なんだと結論を出したけどな。どうだ?間違ってないだろう?」

海斗は、困惑した顔で裕馬を見る。

バレたか…!

裕馬は、思っていた。

狼から、いつかはバレると思ってはいた。

だが、今とは思っていなかった。

「…そう、私が狩人よ。」祈は、慌てる煌を後目に、続けた。「他の二人の内訳は、私には分からない。でも、私は真狩人だわ。私を狐置きするのは勝手だけど、これで噛めなくなったわ。ここから順に噛んで行くのは共有からでしょうけど、私は守るわよ。護衛成功が出たら、また狐を噛んだと騙れなくなるわよ?あなたが出て来たのは、真占い師に捕捉されて逃げ場がないから、他の可能性を提示して村を混乱させるためでしょう。仮にあなたがラストウルフなら、どうして狂人位置まで露出させて吊らせようとするの?咲子さんと美智さんを昨日から真置きしたがっていたわ。もしかしたらもう一人居て、その狼を生き残らせようとそんなことを言うんじゃない?だとしたら…和彦さんがその狼ね。それとも狂人だもか言っておいて悟さん?そこしか庇う位置はないわ。」

諒は、顔を赤くして祈を睨んだ。

「オレは最後の一人だ!狐がオレを陥れようとしても無駄だぞ!」

「ストップ。」正志が言った。「ちょっと待て。これだけ言われてるのに真悟は?何も言わないな。お前、どう思う。」

そういえば真悟がだんまりだ。

真悟を見ると、真悟は口を開いた。

「…いや、なんだろう、狼は必死だなって。」皆が驚いた顔をする。真悟は続けた。「オレ目線じゃ、諒さんは狼でしかない。咲子さんはほとんど偽だ。狩人が守ってるのに死んだし、呪殺だろうからだ。とはいえ、オレ目線じゃ狩人が偽でも、分からないんだよな。今わかったよ、祈さんが狩人なら、マックス狂人で狐じゃあない。オレ目線じゃ、高広さん真もまだ分かっていなかった。分かるか?オレ目線じゃ、オレの結果だけだと分かるのは色ぐらいなんだ。煌さんだ清さんだと、オレが占ったわけじゃないから、どこが狩人で、狼なのか狐なのか狂人なのか真なのか、全く分かっていなかったが、祈さんなんだったらほとんど真、ぐらいしか情報はない。でも、狂人でもおかしくない。狼には分かってるんだろうが、オレからは分からないんだよ。」

裕馬は、意外なことに驚いた。

「え、じゃあ祈さんが狩人でない可能性もあるって?」

真悟は、顔をしかめた。

「だから、ほとんど真だろう。だが、狼が噛み合わせて来てる以上、白だったって分かるだけでオレから見たら咲子さんの正体なんか確定しない。真もある。その場合、確かに諒さんはラストウルフなんだろうけど、オレが狐だとか言い出して、狩人もそうだと言うのなら、嘘だと言うしかない。オレは真占い師だから。狼と狂人が示し合わせて吊り縄を消費させようとしてるようにも見えるしな。だから、オレ目線じゃ祈さんが確かに真だとは言えない。祈さんと高広さんの結果が上手く連携してるから、違う陣営じゃおかしいし、同陣営で狼のために縄消費させようとしてるのかもしれないとか思えて来たりもしてる。」

真悟から見たら、確かに狩人も霊媒も、占っていないので色が分からないのだ。

同列にされたら困る、と言っているわけだ。

真悟からしたら、呪殺なのか襲撃なのか分からないが、とにかく咲子が死んで、白だった。

そこを狩人が守っていたから真だと言われたが、どちらにしろ真占い師なのは自分が知っている。

狩人と霊媒が偽だったからと、自分は偽だとは確定しない。

そういうことなのだ。

そして、真悟から見て狼の諒が何を言っても、信じてなどいないのだ。

何しろ、自分の結果は間違っていない。黒を打ったところが黒であり、狼COして確定したのも当然のことだった。

だから、呆れて黙って聞いていたのだろう。

「…確かに真悟目線では確定しないな。狩人と霊媒が連携しているだけで、真悟目線は別だ。つまり、真悟はこのままグレー吊りを進めたいんだな?」

真悟は、頷く。

「もちろんだ。まずは高広さんを占って色を見る。その結果次第で悟のことも狩人のことも疑わなきゃならなくなる。今の言い合いを聞いてたら、どうせ吊りきるなら和彦さんから吊ったらどうだ?狼かもしれないんだろ。海斗は何も知らなさそうだったし、明日占ったら良いかなとか思って見ていた。狐ならオレは呪殺できるし。狼は追い詰められてるんだろう。諒さんの必死な様子を見てて思う。」

ずっと黙っていた、和彦が言った。

「…オレは、初日から意見の合う諒を信じてた。まさか狼だとは思ってなかった。もう露出して、これを最後に狐をなんとかしてくれと言うのに、強行して狐勝ちされたくない。今の真悟の話だって、結局自分と祈さんを分けて考えて欲しい狐に見えてる。海斗は白いし、オレは村人。諒が言うことが間違ってないだろうとしっくり来たんだ。縄に余裕があるなら役職は吊るべきだ。特に、狩人のローラーを止めたからこんなことになってるんだろう。狩人は、吊りきるべきだったんだ。どちらにしろ、縄に余裕があるなら狩人を吊りきって、確実に最終日に向かえるようにするべきじゃないのか。それとも、高広さんか。祈さんと高広さんの結果が連携してるんだから、そうやってどっちか吊って、霊媒か狩人のローラー完遂させるべきだ。村目線、確実にそれで人外が1落ちるのが見えるじゃないか。共有だな猫又だか知らないが、煌さんは片方に肩入れし過ぎだと思う。」

もう、真悟が確定占い師だと思っていた。

だが、狼が真悟を噛んだと言って来て、分からなくなった。

このままだと、確かにもう占い師が生き残っていない時、手遅れになってしまう。

祈が人外だったら、煌の進行では村人みんなが犠牲になってしまう…。

すると、高広が言った。

「…縄が足りるんだな?」裕馬が高広を見ると、高広は続けた。「だったら、オレを吊れ。狩人はまだ真証明できるが、オレにはできない。オレは真だが、村目線が濁るならそうしろ。祈さんが気になるなら、明日悟に占わせたらいい。狂人なら黒を打ちたいだろうが、狼目線それはおかしいから、呪殺もできないし面倒だろう。真なら真結果を出す。それで良いじゃないか。」

裕馬は、言った。

「でも…狐だったら?諒が言うように真悟さんと祈さんが狐なら、縄はギリギリになる。」

高広がそれに答える前に、煌が言った。

「駄目だ!そんなことをしたら…祈が陥れられる事に!」

祈は、煌を見た。

「煌さん、そこまでで。」と、裕馬を見た。「私はいいわ。私でも、高広さんでもどちらでも今夜吊って、進めたらどうかしら。縄は足りる。きっと…明日になれば。」

煌は、険しい顔をして、祈を見た。

だが、祈は黙ってそんな煌を見返している。

裕馬は、今夜は結局、霊媒ローラーを完遂するしかないのかと、茫然としたのだった。

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