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どこが人外なのか

煌は、言った。

「…まず、占い師の中で皆に怪しまれている咲子さんは、真か狐だろうと思っている。なぜなら誰も庇わないし、狼ですら攻撃しているように見えるからだ。なので数人の咲子さんを庇う発言をしている人は、恐らく何も知らない村人か、仲間の狐。とはいえ、ここまで怪しまれたら仲間の少ない狐では庇えないだろう。それから悟と美智さんだが、お互いに白を出しているのだが先に言ったのは悟だ。なので、あるとしたら美智さんの方が人外ではないかと今は思っている。美智さんは白を打たれて出た人外ではないかと今は思っている。真悟は、何でもありだが今のところ情報がない。」

美智が、言った。

「え?私があのスピードで出るって決めて出た人外だと言うの?」

煌は、頷く。

「君の話し方を聞いていると、自信があるようだし、積極的だ。それぐらいの瞬発力はあるように思うがね。」美智は、黙る。煌は続けた。「グレーだが、あちこち節操なく庇う直樹が狂人っぽく見えている。観察していると、役職を出す時もキョロキョロと落ち着きなく、タイミングを計っているように見えた。結局出られなかった狂人なら説明が付くなと今、思っている。」

直樹は、バレてる、と内心息を飲んだ。

だが、それなら狼も分かってくれているかもしれない。

煌は淡々と続けた。

「それから玉緒さんだが、残して置いても一番色が見えない位置だ。役職でないなら、今夜は玉緒さん一択ではないかと思うがね。狐は呪殺できるし、狩人の護衛もある。これから縄がどう動くのかわからないのだから、まだ縄に余裕がある初日に濁る位置は処理しておくべきだろう。村であっても、残せば負ける可能性があるからな。他にもっと怪しい位置が出たら別だが、私はもう玉緒さんに入れようと決めているよ。今のところ、言えるのはここまでだ。」

かなり話した。

村の中で一番多く話したのではないだろうか。

それなのに言えるのがここまでということは、もっと考えていることがあるのだろう。

裕馬が、圧倒されながら、言った。

「ええっと、じゃあ占い師はまだ誰が真とは分かってないわけだな?」

煌は、頷いた。

「あれだけではな。とはいえ、真悟は特に怪しむ所がないので一番真に近いと今の時点では思っている。そうなると悟が真なら、美智さんは狂人。美智さんが真なら悟が狂人。咲子さんが真なら、どちらかが狐でどちらかが狼だろうと考えるが、そうなるとお互いに囲ってしまうと後が面倒なので、恐らくどちらかが真だろうし、その場合は悟だろうな。あくまでも、真悟が真なら、という上での考えだがね。」

煌は、とても頭が良いのだ。

直樹は、それを聞いて思った。

スラスラとそんなことが出て来るということは、判断力がずば抜けているのだと思われた。

裕馬は、圧倒されながら頷いた。

「ああ…じゃ、まあそれが煌さんの意見だな。」と、仕切り直して祈を見た。「祈さんは?」

祈は、答えた。

「…煌さんはとても白いわ。私が思っていたことも、考察の中にあった。咲子さんが偽だとしても、囲っていないなとそれで思ったわ。だから、今日はグレーから吊るのに賛成で、今のところ怪しい位置は直樹さんかな。」直樹が、ギクリとした顔をした。祈は続けた。「だって、他を庇うだけならそこまで怪しまなかったの。村人でも、考え方次第で庇うことはあり得るだろうから。でも、庇い方が雑なのよ。清さんが、役職が居るから慎重にとおっしゃっていたけれど、その意見ならば玉緒さんを庇うのも分かるわ。でも、直樹さんはそこに言及しなかった。ただ庇ってるだけ。おかしいわ。煌さんの意見を聞いて、でも、確かに狂人っぽく見えるから、今夜はそこではなく玉緒さんかなと私は思うわ。とはいえ…狼は3人居るのに、みんながみんな吊り推してるとなるとどうなのかなとは思うけど。投票でどうなるのかよね。発言ではどうとも言えると思うから。占い師は、まだわからない。私は自分が白だと知ってるから、真悟さんは囲っていないと知ってるので、真寄りには見ているわ。以上です。」

祈も、かなり発言が伸びる方だ。

直樹は、ここの二人が白だったらまずいなと思っていた。

煌が狼だったらかなり頼りになるのだが、自分は狂人だと透けても、自分の白稼ぎのために切り捨てられてしまうのは目に見えていた。

何しろ、狂人は二人居るのだ。

裕馬は、言った。

「確かになあ。直樹が落ち着きないのは見ててオレも思ってた。だけど、狂人だったら白しか出ないし、狼を吊りたいよな。黒であんなにあちこちあからさまに庇うとか無さそうだから、あっても狂人かなってオレも思う。」と、次は占い師を見た。「悟…さんから聞こうかな。」

「悟でいい。」悟は苦笑して言った。「そうだな、オレは美智さんに白を見てるから、美智さんはあって狂人だ。真の相方の可能性はあるんだが、オレに白って返して来たのがなあ…そんなに上手いこと真同士が重なるかって思うし、微妙だ。この形にしたのは美智さんだからな。オレが先にCOしたんだし。となると、やっぱり狂人かなとか思ってる。」

美智は、顔をしかめて言った。

「そんなことを言っても、白を見てるんだから仕方ないじゃないの!私は逆に私に白を打って来たから、相方なんだと素直に思ったわよ?だって、初日は狐には当たらないんでしょう。さっき言ってたわ。」

それには、裕馬も頷いた。

「そうだな。お告げ先は狐に当たらないって言ってたよな。」と、悟を見た。「それで、グレーは?」

悟は、顔をしかめた。

「うーん、直樹が怪しいと、あちこち庇うから思ってたんだが聞いてると確かに狂人っぽいかなと思えて来て。だったら、何の色も落ちてない玉緒さんから吊って色を見て、そこを怪しんだり庇ったりした人達の色を予想したら良いんじゃないかって思ってるんだ。誰も庇わないし、みんなから疑われているから、本当なら白だ。でも、狼もこのままじゃ道連れになるからと切ってる可能性もある。自分を白くしようと思って。」

それには、真希が言った。

「…でも、狼は3人しか居ないのよ?初日から切るってヤバくない?私は、切ってるとしても一人で、一人は直樹さんなんじゃないかって今、思ってるわ。狂人置きされたらラッキーだもんね。狐が居るから、一人でも頑張って生き残ったら勝てるかもしれないじゃない。もちろん、玉緒さんが黒だったらの話だけど。白ならいくらでも吊れるもんね。」

裕馬は、渋い顔をして玉緒を見た。

玉緒は、分かっているのか居ないのか、黙って聞いている。

「…なんかなあ、このままだと玉緒さんだけど。白でも黒でも情報が落ちるから。役職があるなら、言ってくれないか。」

玉緒は、首を傾げた。

「役職?村人は役職じゃないの?」

裕馬は、首を振った。

「違う。村人なのか?」

玉緒は、頷いた。

「ええ。村人って書いてあったわ。」

素村か。

こうなると、吊り推しても良いかもしれない。

そうでなくても、直樹は怪しまれているんだから、直樹が言うことで黒であったとしても、色が濁るんじゃないか。

「…だったら、おかしいよな。」直樹が口を開くと、え、と皆が直樹を見た。「玉緒さんは何も知らないとはいえ普通、もう吊られるってなってるのに、狼だったら何か言わないとっていくらなんでも焦るし、騙るよ。狼は3人しか居ないのに、猫又とか狩人とか、COしたら真役職が出て来るんだから、吊られてもあぶり出せるじゃないか。そこまで頭が回らなくても、勝つには吊られたらまずいのは分かるはずだ。何も知らない村人を、みんなで狼に先導されて吊ろうとしてるんじゃないのか?」

海斗が、嫌な顔をした。

「…それを直樹が言う?君、怪しまれてるんだよ?今のを聞いて、確かに同じように思ったけどさあ、君が言うと分からなくなるんだよ。」

清が、言った。

「だが、狂人なら狼を知らない。みんな今の発言で、玉緒さんは多分白だろうなって思っただろうけど、それを逆手に取って、直樹が白いと発言することで吊らせようとしているように見えたな。」と、息をついた。「だが…直樹がほんとに何も知らない村人の可能性もあるし。どうしたもんだろうな。」

煌が、言った。

「…役職がないなら、玉緒さんを吊る。」皆が驚いた顔をした。「それで色が分かる。白なら皆が思うように村人だろうし、黒なら狡猾な初心者ということだ。残しても村のためにはならない位置は、初日に処理しておくべきだ。私は今ので必ず玉緒さんに入れると言っておく。」

皆が、顔を見合わせた。

それが正しいのか、誰にも分からなかった。

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