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意見4

詩子の部屋へと入ると、詩子は扉が閉まるや否や、言った。

「もしかしたら、役職が何か聞いてるの?」

裕馬は、頷いた。

「そう。玉緒さんにも聞いて来たよ。それで、詩子さんは何?」

詩子は、それには答えずに、言った。

「…他に騙りはあった?」

裕馬は、ムッとした顔をした。

「それは君には今言えない。それより、狩人なのか?それとも猫又?」

その答えで、こっちはやることがあるんだっての。

裕馬がイライラしながら待っていると、詩子は眉を寄せて考えてから、言った。

「…他の人に言わないよね?言ったら襲撃されるの。」

襲撃される。

ということは、狩人…?

「え、狩人なのか?」

詩子は、頷いた。

「そう。私は狩人よ。」

ちょっと待て。

裕馬は、顔をしかめた。

ということは、煌は猫又確定だが、狩人が三人も居る。

もちろん、この後の海斗が猫又COしなければの話だが。

「…分かった。じゃあ、とりあえず夕方の会議は夕食後にするから、また時間を知らせるね。その時また、降りて来てくれる?」

詩子は、驚いた顔をした。

「え、もういいの?」

だって狩人が三人だから。

裕馬は思ったが、頷いた。

「いいよ。他も回って来ないといけないし、オレ、まだ昼ご飯も食べてないんだ。急いで行かないと。」

詩子は、頷いた。

「そう。分かった、ごめんね、時間取らせて。」

裕馬は、頷いてそこを出た。

…今日は狩人から。共有指定で、清と話し合おう。

裕馬は、そう思っていた。


海斗の部屋へと招き入れられると、海斗はあくびをした。

「時間掛かったねぇ。僕まで一時間以上掛かってるよ?で、僕は素村。役職はないよ。」

だったら猫又は煌で確定だ。

万が一にも偽だったらと危惧していた裕馬の思考は、それで徒労に終わった。

裕馬は、頷いた。

「そうか。じゃあ後は清に聞いて役職COは出揃うことになるなあ。それで、怪しんでる人いるか?」

海斗は、顔をしかめた。

「わからないよ。みんなどことなく怪しいと言えば怪しいし、怪しくないと言えば怪しくない。上手いことやってるなあって感じ。高広目線じゃ亜由美さんが狐か狂人でなければ、人外吊れてないわけでしょ?だったら綺麗に隠れてるよね。誰がCOしてるかで、怪しむ位置は変わるかな。でも、今は教えてくれないでしょ?」

裕馬は、首を振った。

「教えられない。明日みんなの前で言うけど、内訳までは言わないつもりだよ。」

海斗は、頷いた。

「ってことはあの二人の他にやっぱり役職COあったんだね。だったら、やっぱりあの二人が徹底的に怪しいよ。特に詩子さん。玉緒さんが、COで吊りを逃れてるから、それで出て来た気がするんだ。二人が同陣営かどうかまではわからないけどね。」

裕馬は、頷いた。

「とにかく最後まで聞いて、そこから対応を考えようと思ってる。海斗は今一緒に行動してる、正志や煌さん、祈さんはどう思う?」

海斗は答えた。

「正志はわからないけど、上手いこと場を見て転がすことには長けてると思うよ。いつもオレ達の中で空気を整える役をしてるからね。怪しい動きもないし、今のところ怪しんでない。煌さんは敵だったら怖い。でも、味方だったら負ける気がしないね。でも、祈さん命なところがあるから、もし祈さんが人外だったらまずいことになりそうだよ。だって、敵同士でも祈さんを助けるために動きそうだもんな。だからかわからないけど、めっちゃ祈さんに質問してたもんね。どっちであっても知っておいて、祈さん有利に動きたいからじゃないかなと思って見てた。だって、とにかく煌さんは祈さんが好きなんだよ。言わないけど、バレバレ。」

やっぱり。

裕馬は、ため息をついた。

「君から見て祈さんはどっちだと思う?敵か味方か。」

海斗は、うーんと首を傾げた。

「うーん、味方?あの人も相当頭が良いんだよね。煌さんといい勝負だと思う。考え方がそっくりなんだ。一緒に育ったのかと思うぐらいにね。筋は違うけど、いつも同じ結論になるみたい。僕はいつも感心して聞いてるの。だから、騙されてたらごめんね。」

だったら、祈の色もまだわからないか…。

裕馬は思ったが、頷いた。

「ありがとう。参考にするよ。じゃあ、清の所で最後だから行って来る。また次の議論時間は知らせるな。」

海斗は、ヒラヒラと手を振った。

「いいよー。頑張ってねー。」

裕馬は、急いで海斗の部屋を出た。

そして、最後の清の部屋へと向かったのだった。


清は、やはり部屋で待っていてくれた。

扉を閉めると、清は言った。

「良い考えだな、裕馬。全部回り切ったのか?報告を聞こう。」

裕馬は、頷いて清が番号順でグレー最後なのにラッキーだったと思いながら、これまでのことを話して聞かせた。

清は、聞き終えて考え込む顔をした。

「…煌さんが確定して良かったが、狩人だな。となると狩人ローラーかけなきゃならないぞ。3分の2が人外なんだからな。もう人外が居ないかもしれない完全グレーを吊るよりよっぽど効率的だ。」

裕馬は、頷く。

「オレもそう思った。今も話したけど、ほんとは煌さんと祈さんのことは、今夜通信で言おうと思ってたんだ。でも、煌さんが押し掛けて来たから急に思い付いて。だったら他に誰か居ないか、そして内訳をオレだけ聞いて来たら良いんだって。だから、オレから見たらとりあえず、玉緒さんか詩子さんかなって。祈さんには白が出てるしね。あの二人が完全グレーで疑われて出た役職だから、そこから選ぶのが良いだろ?」

清は、頷いた。

「まだ内訳は知られたくないし、誰がCOしたのかも知られたくない。だから、今日は狩人が三人出た事実と、そこから共有者の中で精査してこの人にする、と宣言した方がいいぞ。」

裕馬は、自分が思っていた通りだったので、頷いた。

「誰が良いと思う?」

清は、すぐに答えた。

「詩子さんかな。終始怪しいからな。玉緒さんは確かに怪しいんだが、あんまり情報がないからまだ置いておきたい。祈さんも、真っぽいのは真っぽいが、頭が良さそうだろう。騙されてたら大変だしな。ここは、一番黒く見える詩子さんからで行こう。だが、狩人か…なんでみんな狩人なんだろうな?」

裕馬は、首を傾げた。

「なんでって?」

清は、続けた。

「猫又の方が、噛まれないのを怪しまれることもないわけだし、COしやすいだろう。吊るのも怖がられるんだぞ?なのにみんな狩人だ。煌さんの対抗だなんて誰も知らないわけだし、出ても良かったはずだ。でも、全員狩人なのが…なんか、引っ掛かってな。」

言われてみたらそうだが、人外の考えなどわからない。

裕馬は、言った。

「オレ達に人外の考えなんて分かるはずないじゃないか。とにかく狩人が三人出たわけだから、そこから吊るしかない。煌さんが村人だと確定しただけでも良かったよ。オレ達目線。」

清は、顔をしかめた。

「良かったか?祈さんが偽でも、守り通しそうな勢いなんだろ?」

まあ、そうなんだけどさ。

裕馬が下を向くと、清は慌てて言った。

「ああ、落ち込むなよ。とにかく役職が見えただけでも良かったじゃないか。お前は良くやったよ。で、飯まだなんだろ?下へ行こう。飯食って議論だ。一緒に頑張ろう。」

裕馬は頷いて、清に促されるままに廊下へと出て、やっとキッチンへと遅めの昼食を摂りに降りて行った。

その時にはもう、午後2時を過ぎていた。

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