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二日目朝の会議

結局、皆が揃ったのは7時半ぐらいだった。

解錠されたのが6時で、それからいろいろ話して戻ったのが6時半ぐらいだったとしても、女子達が全員揃うまで、一時間かかっている事になる。

これは朝は、時間を決めてそれに間に合うように、食事も全て終えてもらうように取り決める必要がありそうだった。

それは裕馬も思ったのか、皆を前に言った。

「明日から、朝の会議は8時から始める。だから、それまでに準備は進めてここに集まって欲しい。遅れた人は、話し合いに積極的でないとして投票対象になるかもしれない。それで頼むよ。」

かなり遅れて来ていた、真希と詩子が渋い顔をしたが、玉緒は全く気にしていないようだった。

裕馬は、ため息をついて続けた。

「で、今朝の結果だ。占い結果、悟が煌さん白、美智さんが和彦さん白、咲子さんが清白、真悟が正志白だった。霊媒結果は、高広が白、直樹が黒。その上で、議論を進めよう。これで完全グレーは真希さん、諒さん、詩子さん、海斗の4人に減った。悟さん目線、咲子さんは煌さんを囲っていたわけじゃなかったわけで、何か思うことがあるか?」

悟は、答えた。

「昨日は、オレには発言が強い海斗と煌さんが振り分けられてて迷ったんだが、やっぱり煌さんの色が気になってな。咲子さんを少しでも信じるためにも、占ってみようと思ったんだ。結果的に囲われていなかったし、オレから見て咲子さんは好印象だ。より相方に近いと思い始めている。」

咲子は、頷いた。

「私から見ても、悟さんは好印象よ。人外、特に狂人だったら、狼に早くアピールするためにも、黒を打ってもおかしくないと思っていたから。真結果を出してる、悟さんは相方に誰より近いと考えてるわ。なので、その悟さんの白先の、美智さんはどうしても狂人に見えてしまうわね。ちなみに清さんを占ったのは、潜伏していたら怖い位置だと思ったからよ。落ち着いているし、村の流れを操作できそうな人だから。白で良かった。」

美智は、言った。

「私は、さっきも言ったように怪しまれていた和彦さんと諒さんのラインとかが見えるのかなと思って、和彦さんを占ったの。私から見て真悟さんが昨日の時点で相方かなと思えていたから、祈さんは占う必要ないと思ったわ。咲子さんと悟さんが、まさか狼と狂人なんじゃないかって、今のを聞いて少し思ったかな。狐は出られなかったのかなって。」

真悟が、言った。

「ということは、君は悟さんの白を見てるから悟さんが狂人で咲子さんが狼?…どうだろうな、だったら囲いは発生していないのか?囲われているとしたら、煌さんということになるけど。」

裕馬が、眉を寄せた。

「二人掛かりで囲う必要あるか?まだグレーに狼が居るだろうにそっちのが囲いたいだろう。だが…まあ、指定先に入っていなかったら、そうなるか。」

清が言う。

「問題は、霊媒結果だろう。」と、直樹と高広を見た。「どっちかが人外だ。直樹が黒、高広が白。昨日の亜由美さんは、どっちに見えた?」

それには、正志が答えた。

「オレはあって白人外かと思ってた。だから直樹が黒だと言った時、それであんなにお粗末なのかと不審に思った。高広の白結果の方がまだ、信憑性がありそうだ。何しろ土壇場で票が入りすぎなんだよな。みんなあれだけ真希さんがめんどくさいとか言ってたのに、結局亜由美さんに入れてる人が多いだろう。真面目に考えた結果なのだとは思うけどな。」

祈が、言った。

「私は、真希さんは白だと思うのよ。そして、詩子さんはあまり発言を聞けていなかったし、そうなるとあの中では少しばかり話していた亜由美さんを疑うしかなかったわ。玉緒さんのCOを助けたのはこの二人だったし、どちらでも良かったの。でも、同じ条件で意見が聞けていない詩子さんが、昨日亜由美さんに入れていたのよ。その理由が聞きたいわ。」

そう、詩子は亜由美に入れているのだ。

あれだけ一緒に居たのだから、三択になれば真希に入れそうなものだった。

あの一票で、亜由美が吊られたと思ってもおかしくはない重い票だった。

詩子は、ビクリとして顔を上げた。

「あれは…ホントに分からなくて。私は別に、一緒に居ただけなのにラインだとか言われて困っていたし、私が入れたぐらいで亜由美さんが吊られるとは思っていなかったの。私は関係ない、投票できると分かってもらおうと思って入れただけだったの。」

咲子が、眉を寄せた。

「でも、その一票で亜由美さんは吊られたわよね?私も、あの票の入りかたでは亜由美さんは白だったと思っているわ。だから、直樹さんが偽だと思う。玉緒さんがあれだけ疑われていたのに、役職COして残されたのに、投票対象に挙げられても何のCOもしなかった亜由美さんが吊られたなんておかしい。もし亜由美さんが黒だったなら、玉緒さんも黒ってことね?協力してたんでしょう。だから対抗COできなかったんだとしたら分かるわ。でも、白だったなら詩子さんは怪しいわよ。私はそう見てる。」

直樹は、言った。

「亜由美さんは黒だったんだよ!だから亜由美さんに入れてる人が疑われるのはおかしい。咲子さんの言い方はおかしくないか?何か色が見えてる人外で、真結果を村に知られたくないように見えるよ。」

しかし、高広は言った。

「違う、亜由美さんは白だ!咲子さんは間違ってない。あんなに仲良くしてそうだったのに、土壇場で投票してる詩子さんが怪しい。もしかしたら狐だったかも知れないが、とにかく亜由美さんは白なんだ。狼だから白の亜由美さんを吊ったと思う!」

「待て。」煌が言った。「埒が明かない。霊媒結果は結局これからも確定しない。狼が手伝ってくれたので霊媒師に無駄縄を2本使う必要がなくなった。今17人、吊り縄は8。村目線ではまだ人外は狼3人、狂人2人、狐2人の7人外が残っている可能性があるが、直樹目線では残り6人外だと確定している。縄に余裕がある。今夜から直樹を吊って、霊媒をローラーし切れば必ず1人外落ちる。私は霊媒師から手を掛けて行けば良いと思っている。」

直樹は、え、と凍り付いた。

霊媒ローラー…?

だが、裕馬はため息をついて頷いた。

「確かに。徹が噛まれたことで霊媒結果は永遠に確定しなくなった。ここは縄に余裕があるうちに、霊媒に手を掛けるのが良い。そして、まずは縄に余裕がある結果を出した直樹から吊るのが良いだろう。明日は高広。それで村目線でも必ず一人外落ちる。順当に行けば明日吊りきった時点で吊り縄は6。そして人外も6。亜由美さんで落ちていたら5。その間に占い結果も落ちて、間違いなく黒も見つかるだろう。そこから精査だ。そうしよう。」

誰も、反論しない。

直樹は、慌てて言った。

「そんな!オレは真霊媒なのに、黒結果を見たってだけで吊られるのか?!だったらせめて、今夜は高広から吊ってくれ!どうしてオレなんだよ?!」

清が、落ち着いて言った。

「すまないが、勝てばきっと戻って来られる。徹を見ただろう。だから、オレ達を信じて眠って待っててくれ。」

直樹は、助けを求めて皆を見回す。

だが、誰一人として目を合わせてはくれなかった。

…そんな…!今夜吊られるのか?!

直樹は、出なければ良かった、と思った。

いや、黒結果など打たなければ良かったのだ。

狼に襲撃されずに、尚且つ生き残ろうとしたばかりに、結果騙りが裏目に出てしまったのだ。

せめて結果を合わせていたのなら、恐らく徹が真であったかも分からず、今日もグレー吊りだったかもしれない。

それとも、潜んでいる役職が出て来てそちらが吊られたのかも…。

直樹は心底後悔したが、もうどうしようもなかった。

全く庇ってくれないどこかに居るだろう狼を恨んだが、勝ってくれないことには自分は戻って来られないので、鬱憤をぶちまけるわけにもいかなかった。

「…真霊媒を吊るなんて!どうせ襲撃で死ぬかも知れなかったのに…!」

直樹は、リビングを飛び出した。

誰も、追いかけては来なかった。

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