ハーレム王の新たなる旅立ち 準備編 1
「で、これからどうするんだ?出ていくなら止めないぞ?」
「……ぶぅ~、この状況でそのセリフですかぁ?ヤるだけヤったらポイですか、そうですか。ケダモノ通り過ぎて鬼畜ですね。」
メイリーンは毛布を引き寄せ、その身体を隠しながら起き上がりながら悪態をつく。
「いや、他にどうしろと?」
「そこはぁ「お前は俺が護ってやるから、何も考えなくていい。ずっとそばに居ろ。」とかぁ「何も言うな、すべて俺に任せればいい。お前はそこにいるだけでいいんだ。」とかぁ「メイ様無しでは生きていけない。一生お側にいさせて下さい」みたいなぁ、イケメンっぽい事を言ってほしいのですよ。」
「最後のイケメンかぁ?というか、お前が言ってたことだろ、それ。」
さっきまでメイリーンを可愛がっていたのだが、初めてということで固くなっていた彼女も、快楽の波にのまれ、何度も果てるうちに、最後には「一緒がいい」「離さないで」「ずっとそばにいて」等と絶叫していたのだ。
「うぅ、それはそれです。っていうかその事持ち出すのはズルいです。」
メイリーンは羞恥で顔を真っ赤に染めて俯いてしまう。
「あ~、悪かった。」
少しからかい過ぎたと反省し、素直に頭を下げる。
「しょうがないので、キスで許してあげます。」
真っ赤になりながらそういうメイリーン。強がって見せながらも、恥ずかしそうに視線を彷徨わせるその姿が可愛らしく、アイリが入ってこなければ先程の続きを始めるところだった。
……正確に言えば、入ってきたのがアイリだけであれば、アイリも含めて二人一緒に可愛がっていたことは間違いない。
その衝動を押し止めたのは、一緒に入ってきた二人の小さな存在のおかげ?だった。
「残念そうね?」
「そ、ソンナコト、ナイデスヨ……。」
「どうだか。」
「それより、どうした?」
俺は居心地が悪くなってきたので話題の転換を図る。
「重要な話し合いに来たのよ。」
「この子達を受け入れるなら、最初に話しておかなきゃならないことがあるでしょ?」
「……まぁ、そうだな。」
クリムとアンジェに言われて、それもそうかと思う。
ターミナルや俺たちの事について話しておかなければならないこと、秘密にしておかなければならないことなど、細々したことは最初に話しておかないと、のちのとトラブルの元になる。
「そういう事。じゃぁ、ソーマの嫁の序列について話すわよ。」
俺の頷きを承諾と取ったクリムがとんでもないことを言い出す。
「そこっ?」
「当たり前じゃない。こういうことは初めにちゃんとしておいかないと、後々のトラブルのもとになるのよ。」
「いや、それもそうかもしれないが、今はそんな事より……。」
「そんな事?今、そんな事っていった?」
俺の言葉に、意外にもアンジェが大きく反応する。
「あのね、ソーマ。わかってないかも知れないけど、これ、すごく重要なのよ。」
アンジェが、真面目な顔でそう言う。
「例えばね、なぁなぁにしてると、勘違いしたメイリーンが、ソーマの正妃になろうと下剋上を計るでしょ?。そうしたら、クリムに氷漬けにされてゴブリンたちの慰み者になるのよ?ソーマはそれでいいの?」
「えっと、なぜか私の未来が決定事項のように話されているんですけど?」
「姫様……人生諦めることも肝心です。」
「アイリはそれでいいの?何納得してるの?おかしいよね?」
「私はすでに諦めました。姫様も一緒に堕ちるところまで堕ちれば、悟りを開けますよ?」
一緒に堕ちましょうよぉ。と蠱惑的な微笑みでメイリーンに迫るアイリ。
「そんなのいやぁぁぁ……。」
アイリの腕を振りほどけず、もがきながら叫ぶメイリーン。
そんな布二人の事はスルーして、アンジェは話を続ける。
「古来より、『奥』での争いが表の派閥争いにまで広がって、それがもとになって朽ちて行った国や、王侯貴族は数多いわ。ソーマもそんな愚か者たちの仲間入りしたいの?」
「いあ、それは……。」
「そうよ、大奥の乱れはソーマの平穏を脅かすのよ。その芽を早めに摘んでおこうと言う、このクリムちゃんの優しさが分からないの?」
「あ、うん、ソウダネ……アリガト……。」
「という事で、後は私たちに任せて、ソーマはお外で遊んでらっしゃい。」
そして、俺はまるで追い出されるかのように……と言うか、割とマジで部屋を追い出された。……ここ、一応俺の部屋なんだけどな。
だが、クリム達の言にも一理ある。何と言っても、大奥は伏魔殿だというしな。こういうのは当人たちに任せるのが一番いいはず……うん、そうに違いない。
俺は、そう自分を納得させながら部屋を後にし、執務室でビャクレンを相手に愚痴をこぼしながら、一人淋しくコーヒーを飲むのだった。
因みに、その部屋の中で、どのような話し合いが行われていたかは知らないし、知りたくもない。これから知ることもないだろう。
後で、部屋から出てきたアンリの上気した顔を見て、ハイライトの消えたメイリーンの瞳を見て、そう確信するのだった。
◇
「ソーマ、お待たせ。」
俺が、本日3杯目のコーヒーを飲んでいると、クリム達が執務室に入ってくる。
まぁ、便宜上執務室と言っているが、ここから直接ターミナルの機能を操作出来ることもあり、会議室として使っていることが多い。……と言うより、各自の寝室と食堂を除けば、使えるようになっている部屋はここしかないという事情もあるので、大体はここにいるってだけなのだが。
「あ、あぁ。それで話はまとまったのか?」
「あ、うん。当面、二人は愛玩枠という事で、メイちゃんはアンジェが、アイリちゃんは私が面倒見ることになったから。……それとも、ソーマは奴隷枠の方が良かった?」
クリムがそういうと、アイリとメイリーンの二人は身体をビクッと竦ませる。
「まぁ、二人が決めたなら、俺がいう事はないよ。」
俺がそう答えると、二人はあからさまにホッとした表情をする。
「愛玩枠でも、躾けという名目で調教は出来るしな。」
俺がニヤリと笑うと、二人の表情が青ざめる……。いかん、なんか楽しい。
「ソーマ、話が進まなくなるから、そういうのは後にして。」
そんな俺達の様子を見て、アンジェが呆れた声を出す。
「あぁ、悪かった。」
(後なんだ……。)
(そこは止めてくださいよぉ、アンジェさぁん……)
メイリーンとアイリが、小声で何かを呟いているが、よく聞き取れない……まぁ、大したことじゃないだろう。
「分かればいい。それでこれからの事なんだけど……。」
「あぁそうだな。」
俺はメイリーンとアイリを椅子に座らせて声をかける。
「……メイ、アイリ、お前たちの事を話してもらえるか?」
「はぁ……やっとですか。普通は、出会った直後とかに聞くものだと思うのですが?」
メイリーンが少し咎めるような口調でそう言う。
「いや、お前らの事情より、嫁に出来るかどうかの方が重要だから。」
「「「「…………。」」」」
……はッ、しまった。また本音が漏れていた。
その場にいる女性陣たちの冷たい視線を浴びて、俺はまたやらかしたことに気付く。
「い、イヤ、だからな。助けた直後って、ほら、色々疲れてるだろ?肉体的にも、精神的にも……さ。だからね、一度落ち付いてから、改めて聞いたほうがいいと思ったわけだ、うん。」
俺は慌ててそう言うが、女性陣の視線は冷たいままだ。
「ソーマ、全然誤魔化せてないから。」
アンジェが一応教えてくれる。
「ですよねぇ~……。」
いい加減、本音がすぐ出る癖を無くそうと誓うのだった。
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