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ハーレム王の新しい嫁 4

「クスン……もうお嫁に行けない……。」


ベッドの上でアイリが呟く。


そのあまりにもの可愛らしい仕草に、思わず抱き締めキスをする。


「嫁に行かなくていいから。というかもう俺の嫁だろ?」


俺は唇を離すと微笑みながらそう言う。我ながら気障だと思うが、つい口から出てしまったのだから仕方がない。


「はい。アイリはアナタの可愛いお嫁さんです。」


アイリはそう言ってキスを返してくる。


……いかん、可愛すぎる。


俺はそのままアイリをベッドへ押し倒すのだった。



「昨夜はお楽しみでしたね。」


食堂に行くと、クリムが冷たい声でそんな事を言ってくる。


「いや、お前も楽しんでただろ?」


「うっ……。だって、だって……何よ、あの可愛いの、反則だわ。」


クリムが見悶えしながら言う。


最初はちょっとした悪戯のつもりだった。


アイリには悪いが、調教プレイの真似事の相手をしてもらうつもりだけだったのだ。


まぁ、命を助けた代価としたら安いもんだろ?


勿論、本気で嫌がる真似はする気もなかったし、少し楽しんだ後はちゃんと説明をし、今後のアイリについては出来る限りの便宜を図るつもりだった。


俺のそんな悪趣味な悪戯は、普段であれば、アンジェやクリムから反対の声が上がるところなのだが、アイリが目覚めてすぐ、俺と行為をしたことに思う所があったらしく、なぜか協力的だった。


「アイリはまだ?」


アンジェが俺の来た方に視線を向ける。


「あぁ、流石に無理させ過ぎた。」


「そう……。それでどうするの、あの子の言ってたこと。」


「それなんだよなぁ……。


俺は、悪戯で、アイリに嫁になるか性奴隷になるかを選べと選択を迫った……もちろん冗談だ。あくまでもプレイの一環に過ぎない。


しかし、アイリの答えは俺の予想外のものだったのだ……。



「えっと、お嫁さんでも、奴隷でもどちらでもいいです……。ソーマ様のお好きな方で。一生を捧げ、尽くすことを誓います。……だから、助けてください。」


「……とりあえず、はアイリの態度次第だな。」


俺は、縛られて動けなくしたアイリの恥ずかしいところを責め立てながらそう言う。


今話を聞いてしまえば、プレイどころじゃなくなるような気がしたからだ。


だから、取り敢えずは目の前の快楽を優先にさせてもらう。


「あっ……は、話を……、んッ……き、聞いて……。」


「いいよ、話してみなよ。」


「じ、実は……、ァンっ……、それ、ダメェ……、お、お話、出……来な……、っぁぁぁ……。」


「ソーマ、ちゃんと話聞いてあげなきゃ。」


果てたアイリを優しく愛撫しながらクリムが言ってくる。


「ってか、何で大きくなってるんだよ。」


「ソーマばっかりズルい。私だって楽しみたいもの。」


クリムは普通のサイズになって俺とアイリのプレイに割り込んでくる。


ってか、まぁ、クリムとはお預けだと諦めていただけに、この参戦を歓迎こそしても、反対する理由はない。


その後、クリム含め三人でたっぷり楽しむ。クリムは途中で魔力切れを起こし、ピクシーサイズに戻ってしまったが、その後もアイリを言葉攻めにして、羞恥に悶えるさまを心ゆくまで楽しんだ。


勿論、その様子は俺の嗜虐心にも火をつけ、普段アンジェやクリムと出来ないようなことも楽しめたので大満足だった。


そして、一度休憩を入れることにして、そこでやっとアイリは「お願い」を口にすることが出来たのだった。



「『姫様』の救出ねぇ。実際トラブルのもとにしかならないよなぁ。」


「だからと言って、見捨てる気はないんでしょ?」


俺の呟きにアンジェが応える。


「まぁな。事情を聴いてしまったし、何より、今のアイリは俺の嫁だ。手放す気はないし、嫁の喜ぶ顔が見たい。」


「そうね、可愛い妹のお願いはお姉ちゃんとしては叶えてあげたいもんね。」


横からクリムも参戦してくる。


昨夜のプレイの時に『お姉ちゃん』と呼ばせ、それがハマってしまったようで、クリム的にアイリは、可愛い妹ポジションに収まったのだそうだ。


まぁ、それだけでなく、アイリの語った話に何かしら共感するものがあったのだろう。


アイリの話をまとめると、こうだった。


アイリは孤児で、街のスラム街で育った。


まぁ、よくある話なのだが、孤児の少女が生きていこうとすれば、8割以上がその身体を売ることになる。


実際、アイリの周りの女性たちも、早いものは10歳ぐらいからその身体を売り物にしていたらしい。


だけど、アイリはそれだけはそうしても容認できず、盗みやスリ、美人局の片棒を担ぐことはしても、身体を売る事だけは、絶対にしなかった。


そんなある日、アイリたちが住むスラム街を『奴隷狩り』が襲撃した。


奴隷商が、手っ取り早く「商品」を手に入れるため、足のつき難いスラムの住民を攫うのはよくある事だった。


スラムの住人も、その場合の対策はしており、迷宮のような路地裏を逃げ回って、追手の手から逃れる。ただ、どうしても足の遅いものや体力の少ない女子供は逃げきれずに捕まってしまう。


そして、アイリも奴隷狩りに追われ、逃げ続けたものの、とうとう追い詰められる。


奴隷として売られるくらいなら、と、自死を覚悟した時、救いの手が差し伸べられた。


王宮の騎士団の見回りだった。


普段、王宮の騎士団がスラム街を見回ることなどありえない。ただ、この日は、第一王女『メイリーン』の気まぐれ……我儘ともいうが……によって、街中、特にスラム街を警邏させられていたのだ。


結果、アイリは騎士団によって窮地を救われるのだが、スラム街の少女など犯罪予備軍に過ぎず……実際、何度も法を犯しているので、アイリにとっては奴隷商に捕まって非合法に売られるか、犯罪奴隷として処罰され、合法に売られるかの違いでしかない。


しかし、ここでもまた、王女の気まぐれがアイリを救う。


王女がアイリを侍女にすると言うのだ。


色々言いたいこともあるが、王女の意見にはその場の誰もが逆らえず、アイリは、王宮に連れてかれ、身体を綺麗に磨かれ、綺麗な服を着て、王女の身の回りの世話をすることになった。


当初は戸惑いも多かったが、年齢が近いこともあり、すぐに王女と打ち解けるアイリ。


何より、自分の窮地を救ってもらっただけでなく、このように人間らしい生活を与えてくれた恩人なのだ。自分のすべてをかけて王女に尽くそうと思うのは当然の成り行きだった。


しかし、いつまでも続くかに思えた平和な時間を根底から覆す事件が起きる。


……世界の崩壊と再構築だ。


今までの常識は全て覆され、力無き者は力あるものに踏みつぶされ食い物にされる世界。


……なんてことはない、アイリが少し前まで生きてきた世界と変わりはない。


国を失い、王女としての立場が意味をなさなくなった王女が生きていくのはかなりつらい世界ではあったが、メイリーンの持ち前の頭の良さと行動力によって、何とか生活することは出来た。何よりアイリが側についていたという事が大きく、アイリがいなければ、命を落としたかもしれないという場面に何度も遭遇した。


そんな風に、日々を細々と過ごしていた二人だが、ある日を境に狙われるようになる。


狙われる理由にアイリは心当たりはないが、メイリーンにはあるらしい。しかしその理由をメイリーンは決して話そうとはしなかった。


アイリとしても理由があろうがなかろうがやるべきことは変わらないので、何も聞かずに逃亡生活を続けるのだが、段々と逃げ道を塞がれ、後はエリア外に逃げ出す以外道はない、という言ところまで追いつめられてしまった。


幸いにも、メイリーンが王家の宝物庫から様々な魔道具を持ち出しており、その中に外部の瘴気から身を護るマントがあったので、それを身に纏い外へと逃げ出すことに成功する。


しかし、それでも追っては諦めることなく、追われ逃げる日々が続く。


そして、運命のあの日、動けなくなったメイリーンを隠し、アイリが囮となって飛び出す。


アイリの狙い通り、追手はアイリを追いかけてくるが、そのうちアイリも力尽きて絶体絶命、という所に俺が駆け付けたという事だった。


◇ ◇ ◇


「でも、その話だと、アイリがそのお姫様から離れて三日たつわ。正直、無事とは思えないんだけど。」


「そうなんだけどな。ビャクレンに言って、アイリが言っていた場所を監視させているが、それらしい気配を察知することが出来ないらしい。つまり、強力な結界で保護されているらしいから、魔獣に襲われる心配はなさそうなんだよ。」


「だとすると、後は食料と、水、そして体力の問題ね。」


「あぁ、だから少し急ぐ必要がある。」


「……なのに、あなたはお楽しみをしていたというわけ?」


アンジェの視線が冷たい。心なしか、周りの温度が下がった気もする。


「し、仕方がないじゃないか……。アイリが可愛いのがいけないんだ。可愛いは正義、他の何より優先されるんだよっ。」


「本人は困ってるようだけどね?」


アンジェが指さした方を振り向くと、そこには複雑な表情のアイリが立っていたのだった。


世間一般はゴールデンウィークが始まってますね。

この機に読書三昧は如何でしょうか。

……というか私の作品を読んでください、お願いします(><)

そして、ブクマ、評価を、ぜひぜひお願いします。

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