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ハーレム王の日常 ある朝の一幕

「ジー……。」


「じぃー……。」


アンジェとクリムの視線が痛い。


「えっと、あのですね……。」


「「じぃぃぃーーーーーーー。」」


「ごめんなさいっ。でも浮気じゃないんですよっ。これには深いわけがありまして。」


俺は二人に誠心誠意頭を下げ謝罪を始めた。


しかし、そんな俺の態度をあざ笑うかのように、悪魔……いや、天使の攻勢が始まる。


「あら、ご主人様。起きたばかりですのに、もうこんなに元気に。お鎮めしましょうか?」


俺の首に腕を絡ませ、耳元でそう囁きかけるミレーネさん……ミューナの母親だ。


そして、その右手が、俺のそそり立つモノに伸ばされ、優しく包み込む。


「あっ、クッ……。」


思わぬ刺激に、声が漏れる。と同時に昨晩の快楽に溺れた時間が戻ってくる。



昨晩、俺のベッドにミレーネさんが潜り込んできた。


「ご主人様、ご主人様に助けられたこの命、すべてご主人様に捧げます。」


そう言って奉仕を始めるミレーネさん。


「ちょ、ちょっと、待って。そんなことしなくても・……ウッ……。」


「いえ、、ご主人様に命を救われたのです。どれだけの代価を支払えと言われても、私にはこの身体で返す以外何もないのです。」


そう言って、俺のモノをその口に含む。


「あぅっ、クッ……うっ……。」


そのめくるめく刺激に思わず果ててしまう。


「まだまだ夜は長いですわ。私が誠心誠意、心を込めてご奉仕させていただきます。ですから……娘には手を出さないで……。」


ミレーネさんのテクニックは素晴らしく、俺の記憶は半分跳びかけていた。


だから、ミレーネさんの言葉の後半はよく聞き取れなかったのだが、そんな事を気にするほどの余裕はなく、俺は朝まで、ミレーネさんにより快楽の海に溺れ続けたのだ……。



「ちょっとアンタ。私達嫁の前でいい態度ね。」


クリムが俺とミレーネさんの間に割って入り、文句を言い始めるが、ミレーネさんも負けてはいない。


「あら?お嫁さんと言いますけど、あなた達のそのサイズでは、ご主人様を慰めてあげれないでしょ?だから私が代わりにお慰めしているのですわ。」


そう言いながらも、俺に刺激を与え続けるのを止めることは無い。


「だからと言って、そ、そんな破廉恥な事……。」


「あら?意外と初心いのですね?……もしかしてご主人様が初めてのお相手?」


「そ、そんなことどうでもいいでしょっ!」


「どうでもよくありませんっ!いいですか、殿方というのは、程度の差はあれど、常に女体を求めるのが本能なのです。だから、殿方を心身ともに繋ぎ止める努力をいたしませんと、殿方は別の女性に走ってしまうのですよ。仮に……。」


「そ、そうなのね……。」


「……勉強になるわね。」


気づけば、俺へ文句を言いに、ついでにその相手を威嚇するために来たはずの二人が、ミレーネさんの講義を受けるような形になっていた。


俺のモノは放置されていて、正直な気持ちを言えば、続きをしてもらいたいのだが、今それを言えば、どうなるかは目に見えている。


避けられる修羅場は避けるのが無難なのだ。と、俺は猛る気持ちを鎮めながら、そぉっとベットから降りて身支度を整え、気配を消して部屋から出ていく。


そんな俺に気付くことなく、ミレーネの話に耳を傾けているアンジェとクリム。


俺は、申し訳ない、と心の中で謝りながら部屋を後にした。



食堂に使っている部屋に行くと、そこではメイド服を着たミューナが食事の用意をしていた。


「あ、おにぃさん、おはようございます。」


「あぁ、おはようミューナ。その服気に入った?」


「ハイ、動きやすいし、何より可愛いのです。こんな服をくれたおにぃさんには感謝なのですよ。」


「気に入ってくれたのならなにより。それより、ご飯は出来ているのかな?」


「ハイ、すぐにお持ちしますね。」


そう言ってと手と手と手とキッチンに向かうミューナの背を見送りながら俺はダイニングの椅子に座る。


暫くしてミューナが本日の朝食を運んでくる。


「ハイ、おにぃさんどうぞ。」


焼き立てのパンに、ベーコンとサラダを添えた目玉焼き。コーンスープとダークソイ茶と言った、俺の前に並べられた朝食の数々。


これらはビャクレンが色々検索し、試行錯誤を繰り返している朝食メニューの内、とりあえず問題なしとして採用されたものの一つだ。


「ビャクレンさんが玉子の継続補給のために、養鶏の計画を申請しているから決済をお願いしますって言ってましたよ。」


「それは構わないが……コレって何の玉子なんだ?」


俺は目玉焼きを食べながらそう聞いてみる。


まぁおいしいから何の玉子でもいいし、素材は気にしないのが、この世界で美味しくものを食べるコツだという事は分かっていたのだが、先程の「養鶏」という言葉が引っかかって、つい聞いてしまう。


「今日はベガスさんの玉子ですよ。産みたてのが手に入ったので朝食に使用してみました。」


ベガスというのは、地球の鶏とよく似た鳥型の魔物だ。鶏と違うのは、その体色が赤や青、グレーなど様々な個体がいること、鶏より二回りほど大きい事、それに何より、空を飛ぶことなどだ。


前の世界にはいなかったので、世界再構築で流れてきた魔物なのだろう。


ミューナが言うには、この付近の森には多数生息しているらしく、朝早くから待っていれば、それなりの量が回収できるという。


「あ、それでですね、おにぃさん、マ……おかぁさん知りませんか?朝起きた時姿が見えなかったので。」


ベガスの玉子を集めるために早起きしたら、隣で寝ているはずの母親の姿がなく、びっくりしたという。


ただ、ベッドサイドに母親の書置きがあったので、それ以上には心配せずに玉子回収に向かったのだとか。


ただ、朝食の時間になっても姿が見えないので、少し心配だという。


「あぁ、ミレーネさんなら俺の部屋で、クリムやアンジェと話をしているよ。」


「はぁ……おにぃさんの部屋で……なんでおにぃさんのお部屋なのでしょうか?」


「あっ、ほら、アレだ。ミレーネさんは俺を起こしに来てくれたんだよ。そこで、同じように起こしに来たクリム達と、な。女性同士色々積もる話でもあるんじゃないか?」


俺は慌ててそう弁解する。


「そ、それより、そのミレーネさんの書置きにはなんて書いてあったんだい?」


「そ、それは、その……ナイショです。」


俺は話題を逸らすべく、そんな事を聞いてみたのだが、ミューナは何故か目に見えて狼狽えだす。そんなに重要な事が書いてあったのだろうか?ミューナの態度にかえって興味が引かれるが、とりあえずは下手に触らないほうがいいだろうと、三度話題を変えることにする。


「そう言えば、ミューナはよくベガスの事知っていたね。」


「あ、はい、ベガスさんの玉子は、大事な……きょうきゅうげん?ですから。」


なんでも、ミューナはこの地に来てから毎朝のように森に入って、ベガスの玉子の回収をしていたという。


ベガスの玉子には滋養分に加え、一日に必要な栄養素がたっぷり含まれており、最悪、玉子一つ食していれば、1日の平均的な活動に支障はないとまで言われている素晴らしい栄養食材なのだ。


ミューナあそこまでの事は知らなかったが、幼いミューナでも玉子を拾う事ぐらいなら出来るし、山菜だけでは得られない蛋白源として必要不可欠な食材だという事ぐらいは理解していたから、ベガスの玉子を欠かすことは出来ず、毎朝の日課だったという。


「他の食材が見つからなくても、ベガスさんの玉子だけは手に入れることが出来たんですよ。」


なんでも、ミューナたちの住んでいる小屋の側からそう離れていないところに、必ず2個産み落としていくのだとか。


「それはきっと、ミューナがいい子だから、ベガス達がプレゼントしてくれたんだよ。」


俺はそう言いながらミューナを膝の上にのせ、その頭を撫でる。


「エヘッ、そうだと嬉しいですぅ。」


ミューナは大人しく身を預け、俺に撫でられるがままになっている。


そんな俺達の様子を、扉の陰から眺めている者達がいた。


(アレをご覧になられれば、私の懸念も分かっていただけるかと。)


(そうね、さすがにミューナに手をかけるのだけは阻止しないといけないわね。)


(うん、ミューナちゃんは私の妹なんだから、ソーマに汚れさせるわけにはいかないよね。)


(分かって頂けた様で何よりです。ですのでこれからもご主人様にご奉仕することをお許しいただければ。)


(ま、まぁ、理解は出来たからいいわよ。でも、そのぉ……。)


(はい、わかっております。クリム様の邪魔をすることは致しませんし、もしよろしければ、悦ばせるテクニック等をご教授させていただきますわ。)


(ホント?頼りにしていいの?)


(任せてくださいまし。)


(アッと、その、出来れば私にも……。)


(はい、わかっております。アンジェ様にもしっかりと御教授させていただきますわ。)


(ありがと。とにかく私達の共通の目的はただ一つよ。)


(うんそうだね。)


(((ロリコン死すべし!)))


俺の周りの女性たちが、知らないところで仲良くなっていることを、俺は知らなかった……。

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