ハーレム王と新しい世界 2
「それより、クリムの進化について教えてくれ。」
世界の余りにもの変わり様に驚いた俺だが、今はそれより優先することがある、と思い直した俺はその事を訊ねる。
『そうですね、では儀式の間へどうぞ。』
ターミナルのビャクレンに従い、俺たちは儀式の間へと移動する。
そこは薄暗く、明かりといえば各所に設置された蝋燭の火が揺らめいているだけで、いかにも、といった雰囲気を醸し出している。
『ではまずマスターの状態をチェックします。…………問題ありません。』
俺の周りを薄い光が取り囲んだかと思えば、あっという間に消え失せる。
ビャクレンが言うには、召喚獣·使い魔の進化には、使役するマスターの格が重要になるらしいのだが、俺の今の状態で問題はないとのこと。
『ではクリム様のチェックを始めますので、マスターは外へ出てください。』
「へっ?なんで?」
『女の子のパーソナルデータを計測しますので。具体的には、身長、体重、スリーサイズ……』
「出てけっ!」
ビャクレンの言葉が終わらないうちに、俺はクリムのエアブラストによって、部屋の外へと押し出された。
『……クリム様のチェックには3~5時間程かかりますので、適当に時間を潰してお待ち下さい。』
「そんなにかかるのか?……まぁ適当にぶらついているよ。」
俺はビャクレンにそう答える。
クリムを安全に確実に進化ささるために入念なチェックが必要だと言われれば従うより他なかった。
「なぁ、外って出ても大丈夫なのか?」
俺はふと思いついたことを訊ねてみる。
どうせ何時間か空いているなら、その時間を使って、実際にこの目で外の様子を見てみたかった。
『このエリア中心に魔素は薄まっておりますし、そもそもマスターなら魔素の影響は受けませんので、他の魔物にさえ気をつけて頂ければ問題ないかと。』
ビャクレンが言うには、俺は色々規格外なんだそうだ。更に言えば、死んでもこの場に戻って復活できるので大きな問題じゃない、とのこと。
イヤ、死んだらって、それ大きな問題だと思うよ?
とにかく、問題はないらしいので、俺は外に出ることにした。
「普通の森……に見えるが。」
俺は外に出て、周りを見回す。
ターミナル施設への出入り口は全部で4か所。そのうちの3か所は、まだ整備中とのことで、現在はこの森の中に通じる出入り口しか使えない。
ビャクレンの話では、出入り口から200mぐらいまでは結界の影響で魔素が非常に薄いが、それ以上離れると、急に魔素が濃くなる……つまり魔物の活動が活発になるので注意とのことだった。
俺は手近に生えていた野草を抜き、少し詳しく見てみる。
「……なるほどな。確かに魔素の影響というのはありそうだ。」
俺はそう呟いて革袋に野草をしまう。
今採集したのは、一般的なポーションに使われる薬草の一種だ。
多年草で生命力も強く、繁殖力も大きいため、採集しても1日経てば復活しているため、数多くそろえたいポーションつくりには欠かせない薬草の一つだ。
ただし、繁殖力が強い反面、内包魔力が少なく、中級以上のポーションには向かないというのが難点だった。
しかし今採集した薬草は、俺の知っている同じ種類の薬草よりはるかに内包魔力が多く、これなら上級は無理でも中級用の素材としては十分役に立つ。
俺の知っている薬草と見た目は同じでも、魔素の影響で適応進化したのだろう。そう考えると、ポーション類の調合も、今までと同じように考えていては危ないかもしれない。
俺はそんなことを考えながら、薬草類の分布だけでなく、他の植生や、食べられる果実がないか?動物類の種類は?など、、以前の記憶を頼りに、違いを確認しながら辺り周辺を調べて回った。
「フム……、この辺りから植生が変わっているのか。とすると、結界の外に出たってことか?」
ある場所を境に、植物の様相が様変わりしているのに気づく。
まず、極端に大きくなっているのだ。
例えば、先ほど採集したポーションのもとになる薬草、その必要部分の葉は大体10㎝程度が普通なのだが、目の前にある薬草の葉は、裕に50cmを超えている。
時々見つかるキノコ類も、中には普通に座れそうなぐらいの大きさの傘を持つものもあった。
見慣れない種類の植物であれば、他所の世界の植物だ、と言えたかもしれないが、目の前にあるのは、さんざん採集でお世話になったポーション作成の基本の薬草だ。大きさ以外に違いはなく、これは巨大化したのだと認めざるを得ない。
「つまり、魔素の影響を受けると巨大化することもある、ってことか。」
俺はその巨大な薬草を採集し、革袋に詰める。
後でビャクレンに調べてもらおうと思ったのだ。
色々な違いに驚きながら、俺は採集をつづける。
この時の俺は、確かに油断していた。というより、驚きが勝って、周囲への警戒を怠っていた、という方が正しいか。
巨大なキノコを採集しようとした時、不意に眩暈がして、俺はその場に倒れこんだのだった。
◇
くちゅくちゅくちゅ……。
近くで、湿った音がする。……それに、何か気持ちいい感じ……。
そう感じた途端に、激しい快感が身を襲い、俺の意識は急速に覚醒する。
「あら、お目覚め?」
目を開けると、半裸の女性が俺の足元に蹲っているのが見える。……いや、むき出しにされた俺の息子を弄んでいる。
……さっきの快感はコレか。
「まぁ、意識があるほうが楽しめるしちょうどいいわね。」
「アンジェ……いや、違う。お前は誰だっ!何が目的だっ!」
顔を上げた女性を見て、一瞬アンジェと見間違える。それくらい雰囲気が似ていたのだが、その眼を見て俺は即座に先ほどの考えを否定する。
……アンジェじゃない。アンジェの眼はもっと深い慈愛を感じさせる目だ、目の前のこの女のような快感ジャンキーのような目はしていない。
俺は一瞬でもアンジェと見間違えたことを恥じ入る。
「あら?目的ってそんなの必要ないでしょ?目の前に美味しそうな獲物がいたから捕らえた、ただそれだけよ。」
彼女はそういって、俺のモノをその口に含み、一気に吸い上げる。
……あかん、これダメなやつ。
俺は一気に襲い掛かる快感になすすべもなく、そのまま果てる。
「あぁ、やっぱり極上の味ね。ツイてるわぁ、こんな辺境でこんな美味しいご馳走に出会えるなんて。……あなた達も味わっていいわよ。」
その女がそういうと、近くに控えていた、同じような格好をした女たちが寄ってきて、俺の体中を弄り始める。
逃げ出したいのだが、手足を拘束されていてはどうしようもなく、俺話すがままになている。
「クッソ、逆レイプは趣味じゃねぇっての。」
俺はそう毒づくが、先ほどのオンナは妖艶な笑みを浮かべながら俺に囁く。
「そんなこと言ってぇ、身体は正直よ。さっき果てたばかりなのに、もう回復してるじゃない。」
女は、俺のそそり立つ逸物を眺めながら舌なめずりをする。
「……お前ら、サキュバスか。俺をどうするつもりだ。」
あっちこっち弄られながらも、女たちの背中に生えている黒い羽根、お尻から出ている細い尻尾などを見て、俺は、こいつらがサキュバス族だと確信するが、だからと言ってアンジェの仲間のように友好的だとは限らないので警戒を解かずに問いかける。
「あら?よく知ってるわね。……そういえば、あなたの身体から仄かに臭いがするわね。」
女はそういいながら俺の身体を弄り始める。
「……これね。いいわぁ、アナタ、サイコーよ。こんな上質の魔石を取り込んでいるなんて。」
女は俺の胸に手をかざし、何かを引き抜く動作をする。
「ぐぅっ……。」
いきなり苦痛が身体中を駆け巡る。そして、同時に、身体の中から力が抜けていくのを感じる。
「いいわぁ、エルダーの魔石ねぇ。これがあれば、私はもっと強くなれる。」
女の手には、見覚えのある石が握られている。……アンジェの魔石だ。
「それをどうするつもりだっ!それはお前らの同胞の魔石だぞ?」
「だから何?同胞だからこそ、拒絶反応もなく力を取り込めるんじゃない?」
女はそういって、アンジェの魔石を、その大きく開いた口の中へ落とす。
「アンジェぇぇぇ、やめろぉぉぉ~~~!」
俺の叫び声がむなしく、森の中に響き渡るのだった。
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