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ハーレム王の相談屋 6

「えー、Cセットはクレセント金貨30枚、Bセットは、ハーフ金貨2枚になります。」


俺は冒険者の三人娘にそう告げる。


最初は「キミ達の笑顔で」と言ったのだが、その直後に、クリムに大量の水を頭から掛けられた。……沸いた頭を冷やせ、というメッセージらしい。


「んー、一応聞くけど、Aセットはいくらになるの?」


ミリーシャが聞いてくる。余程シャワーセットが気になるらしい。


「Aセットは、一夜のアバンチュール……じゃなくて、金貨2枚です、はい。」


クリムの視線が怖い。ちょっとしたジョークなのに。


「ちなみに超豪華Sセットなんてのもありますが、こちらは受注生産でお時間がかかるのと、お値段が金貨300枚になっております。」


俺はそう言って庭の片隅に置いてある馬車を見せる。


この馬車は、一見普通の荷馬車に見えるが、空間魔法を封じてある魔石を使っているため、中はオーク3匹が裕に入る広さを持っており、簡易キッチン、シャワー室、簡易ベットを備えた寝室などもある。


馬車そのものの強度に加えて、防護結界も晴れるようになっているために、ちょっとした小要塞並みの防御力をもち、そこらの魔物に襲われても、中にいれば安全という代物である。


また、Cセットの携帯食や水の出るタンクなども多めに常備してあるので、その気になればこの馬車で1ヶ月は籠城できるようになっているのも売りの一つだ。正直、過剰装備だ、とアンジェに呆れられているが、この馬車による旅が快適なのは、アンジェも認めざるを得なかったという、実績もある。


貴族などに見せれば金貨1000枚以上の値を付けても購入されるだろうが、これはあくまでも「冒険者支援セット」の為、冒険者以外には売る気もないし、貴族が冒険者を雇って購入することも出来ない仕掛けをしてある。


お金を持っている貴族には貴族向けの豪華で高価なものを用意するつもりなので、焦らずに待っていて欲しいものだ。


「ねぇ、あなたの愛人になればSセット譲ってもらえる?」


エリーシャがそっと近づいてきて、俺の耳元で囁くように告げる。


「考えなくもないが……、それをクリムに言えるか?」


俺がそういうと、エリーシャは少し考えたのち、静かに首を振る。


「むりね。私だって命が惜しいもの。」


「だよなぁ。」


「でも、なんでギルドに卸さないの?少なくともcセットならギルドで定期的に買取ってもらえると思うんだけど?」


俺とエリーシャの会話がひと段落ついたところで、アリーシャが聞いてくる。


「そんなの決まってるだろ?怪しげな場所で、怪しげな男が、怪しい商品を取り扱っている。その中に思いもよらぬ掘り出し物がっ!……っていうのが漢のロマンってものだろ?」


「怪しい自覚はあったんだね。」


俺の答えを聞いて、ミリーシャが複雑な表情を見せる。


「アホなの?」


アリーシャが呆れた目で俺を見る。そばで、クリムがウンウンと頷く。


「ロマンは大事だよねぇ。」


エリーシャだけが俺のこのロマンを理解してくれているようだった。


結局、彼女達はCセットを3セット購入していった。


彼女たちには、そのセットの素晴らしさと、この店の怪しさを多く広めてほしいものだ。




数週間後………。


「何故冒険者が来ない……。」


「来てるじゃない。」


俺の呟きに、アリーシャが答える。


「いや、お前ら以外の冒険者が殆こない。というかお前ら客じゃないだろ?」


「ヤダなぁ。ちゃんとしたお客様だよ。魔力チャージに来たんだから。」


彼女達は、あれから定期的に店に来るようになった。


購入した支援セットの使い勝手はよく、特に水の竹筒は必須とのことで、予備を多めに購入し、魔力が切れたものをこうして魔力チャージのために持ってくる。


リピーターとしては成功例なのだが、何故か彼女ら以外の冒険者がやって来ない。


彼女らの持っている携帯食や竹筒のことは、かなり広まっていると聞いているにも関わらず、だ。


「まぁ、他の冒険者が来ないのは仕方が無いんじゃないかなぁ?」


エリーシャがそんなことを言う。


「なにか知っているのか?」


俺がそう聞くと、エリーシャは黙って店内を指差す。


そこには美容品を買い漁る女性たちと、強壮剤をコソッと買っていく男性たちの姿がある……いつもの見慣れた風景だ。


「店内の様子がどうかしたか?」


「分からない?あそこにいるの、全員貴族様の使用人だよね?普通の人は、貴族様とトラブルを起こしたくないから、貴族の関係者がこんなに犇めいているお店には、近寄りたくないんだよ。」


ミリーシャが、俺に擦り寄りながら教えてくれる。


「……くぅっ、まさかそんな罠があったとは。」


「マジで気づいてなかったの?」


落ち込む俺を見て、驚いた声を上げるエリーシャ。


「そういうところが、わたしたちの旦那様の可愛いところでしょ?」


そう言いながら抱きついてくるアリーシャ。


「それもそうね。ってか、私の場所開けなさいよ。」


「ヤダよ~。早い者勝ちなんだから。」


俺に抱きつく場所を巡って、言い争うアリーシャとエリーシャ。


そう、この3人はいつの間にか、俺の愛人に収まっていた。


冒険者の情報を得るためにアンジェが陰で動いた結果だ。


可愛い嫁が増えるのは大歓迎なので、俺に文句はない。


文句はないのだが、彼女達が依頼で出かけるたびに、クリムがついて行きたがるのを、押し留めるのが大変だった。


現在、彼女たち専用のSセットの馬車を作製中でそれが完成したら、お披露目を兼ねて、皆で依頼を受けよう、ということで落ち着かせてはいるのだが。


そんな感じで、3人とイチャついているところに、新たな来客がやって来る。


「店主は居るか?」


入ってきたのは、以前精力剤を融通してあげた貴族様だった。



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