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ハーレム王の相談屋 4

「なかなかいい場所ね。」


「あぁ、これで月にハーフ金貨2枚だからな。高いか安いかまではまだ何とも言えないけどな。」


ハーフ金貨……ミストラル帝国で流通している通貨で、通常の金貨の半分程度の大きさの為、半金貨とか、ハーフ金貨とか呼ばれている。


更に、ハーフ金貨の半分程度の大きさの通貨があり、クォーター金貨とか、クレセント金貨とか呼ばれている。


クレセント金貨50枚でハーフ金貨1枚、ハーフ金貨50枚でミスル金貨1枚となるため、感覚的にはハーフ金貨が銀貨、クレセント金貨が銅貨といった感じだ。


しかし、マルク金貨とのレートを考えるとどうしても、物価が高く感じてしまうのは仕方がない事だった。


「それで、どういったものを売るの?商品の補充しなきゃいけないんでしょ?」


カミーラが店舗になるスペースを歩き回りながら聞いてくる。


「そうだなぁ……まずは……。」


「お化粧品よ。美容品を置くのっ!絶対売れるわよ。」


俺の声を遮って、クリムがカミーラに必要なものを指示していく。


俺にはよくわからないが、クリムの監修のもと、サキュバスやヴァンパイア娘たちに作らせた化粧品は、ハムの村の女性たちに好評だった。


マイケルも、貴族の奥様方に大人気、と、ハムの村に来るたびに一定量を購入しているところから見ても、売れるというクリムの言葉に間違いはないだろう。


しかし、だ、このままでは化粧品の店長になってしまう。それだけは避けたいと思い、取り敢えず、カミーラに石鹼やシャンプーなどの日用雑貨も用意するように伝え、他に売れそうなものを慌てて考えることにする。


化粧品や石鹼などはヴァンパイア娘やサキュバスたちが調合しているので、何人か応援を呼ぶことになるかもしれない。


他に売れそうなものと言って、パッと思いつくのは、ライターとか携帯食とかテントや寝袋などのサバイバルグッズや、電子レンジ、ドライヤーとかといった家電製品ばかり。


こういう時は、クリムのように柔軟な考え方が出来るのを羨ましく思う……。まぁ偏り過ぎているきらいもあるが、それでもクリムの考えたものの方が、この世界では受け入れやすいだろう。


……ダメだ、考えれば考えるほど落ち込んでくる。


「えーとソーマ様……。…………。……よしよし。」


落ち込む俺を、リズがナデナデと慰めてくれる。


ホンマ、ええ子や。


俺はリズをギュッと抱きしめる。……あー、癒される。


「あのぉ、()()はどうします?」


背後で、カミーラがクリムに訊ねている。


ん?アレって、もしかして……。


「ん-、希釈すれば大丈夫なんだよね?」


「えぇ、まぁ……。」


「じゃぁ、それも置いちゃえ。それに何かあっても、帝国だから問題ないでしょ?」


……いや、その考え方はどうかと思うぞ?


しかし、マジにアレを置くのか。


カミーラが言っている()()とは、新型の精力剤の事だ。


元々カミーラたちが生成していた精力剤は、持続性はないがその強壮力の強さが売り物だった。


それに対し、ハルナ達鬼人族が開発した精力剤は、強壮力はそこそこではあるが持続力が高いものだった。


これは、瞬間的にでも激しい精力が欲しいサキュバスたちと、長く楽しみたい、体力自慢のオーガ達との種族の差が表れた結果と言える。


そして、カミーラとハルナが出会った……出会ってしまった。


元々鬼人族は、オーガ族、ヴァンパイア族など、「鬼」と呼ばれる種族から進化したものであり、ヴァンパイア族とは浅からぬ関係があり、そのメンタリティも似通っている。


そして、互いの研究成果を褒め称え、ライバル心を煽った結果、双方の良いところを持つ精力剤……つまり、強力な激しさと比類なき持続力を持つ精力剤の開発をするに至った。


そして、試行錯誤の末に創りだされたモノ……それの試験に俺は志願した……してしまった。


あの薬を使えば、女神の思惑を吹っ飛ばしてエッチが出来るかも?と思ってしまったから。


結果だけを言えば、俺はエッチが出来た……らしい。


らしいというのは、薬を飲んだ後の記憶が一切ないからだ。


後からアンジェに聞いたところによれば、それはもう凄い大惨事だったらしい。


まず、試験薬を飲むにあたって、アンジェやクリムが所用でその場から離れる日が選ばれた。これは、アンジェ達にばれたら、絶対止められるからで、それでは試験にならないという理由をカミーラが告げ、俺たちはそれを了承した。


そして、その試験薬を飲んだ直後、俺の意識はないが、その場にいたハルナとカミーラを襲ったらしい。そして、止めに入ったビャクレンを始めとする鬼人族、オーガ族の女性たち総勢15人を押し倒し、とっかえひっかえ犯し続けたとの事だった。


隙を見て逃げ出したカミーラがアンジェ、クリム達を呼んできたときには、それはもう、凄いことになっていたという。


その様子を見たクリムとリズが、今なら俺とヤれるかも?と思い、止めるべきか、その身を曝け出すべきか悩んでいる間に、アンジェが俺を拘束し、クリムが泣く泣く俺の心臓を止めて、その場を終息させた。


結局、以前と同じく、俺はエッチをしたらしいが、記憶には全くなく、身体も粉々になってから再生されたため、エッチをしたことは俺の中ではなかったことになっている……らしい。


そして、ハルナだけでなく、ビャクレン達鬼人族、オーガ族の女性がハーレム入り志願をしているという結果だけが残り、俺には、アンジェから精力剤の使用禁止を言い渡された。


そんな曰く付きのアレを売りに出そうというのか……クリム恐ろしい娘。


……うん、そっち関係は任せた。


俺は俺で出来る事をしよう。まずは、この腕の中で悶えてる可愛い子を……。


「ソーマぁ、いつまでイチャついているのかなぁ?」


「え、あ、いや……、イチャついているわけでは……。」


俺がしどろもどろに言い訳している間に、リズはちゃっかりとクリムの背後に隠れてしまう。


……うん、しっかりした子に育ってくれて嬉しいよ……何って言うわけあるかぁっ!ここに来て一緒に言い訳しててくれよぉ!


……結局、その日はクリムの言われるがままにお店の中の清掃と、商品の陳列に費やすことになった。


早く、ドワーフとハイエルフに渡りをつけて、新商品の開発を頼まねば……。


俺は空いた棚を見ながらそう思うのだった。



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