女神の祝福2
「何……だと……。」
「聞こえなかったのですか?仕方がないですね。もう一度言いますよ。色欲が無くなるのです。」
色欲を司る女神エルゥスが、俺に行ったこと。あと5年童貞でいれば賢者を超える大賢者になれるだろうという事。
そして……一切の色欲が無くなるという事。
「それって……、目の前にこんな果実がたわわに実っていても何も感じないって事が?」
「そうですよ?色欲を感じないのですから。そんな事に捕われず真理の追及が出来るのです、素晴らしいでしょ?」
「どこがすばらしいんだっ!それってエッチする気にもなれないって事じゃないかっ!」
「あら?エッチする気になれないというか出来ないんですよ?だって起たないんですから。」
色欲……つまり興奮もしないのに起つわけないでしょ?と、エルゥスが微笑みながら言う。
「ふざけんなぁッ!やっぱり呪いじゃねぇかっ!……クリム、やれっ!」
賢者なだけに、一生賢者タイムってか。そんな事認められるかっ!
「んっ……神縛鎖陣!」
「えっ、ちょっと、これ何?」
「な、何で人間がこんな術を……。」
クリムが呪文を唱えると、黒い鎖がロリ女神とエルゥスに向かって伸びていき、女神たちを縛り上げる。
因みに誰の趣味かは分からないが、亀甲縛りという奴だ……あまり胸元が強調されないロリ女神と、これでもかというぐらい胸元が強調されるエルゥス。
これが持つ者と持たざる者の差か……。
「はんッ、いつまでも俺達が大人しくしていると思ったら大間違いだよっ。この時の為に、クリムには女神に対抗する力をつけてもらったんだぜっ!」
「威張ってるけど、すごいのはアンタじゃなくてクリムちゃんじゃない。」
「いいんだよ、クリムの物は俺の物、俺の物は俺の物。世の中そうなってるんだよ。」
「ちなみに、ソーマの物は私の物ね。だから、ソーマの怒りは私の怒りなのよ。喰らえっ、神の玩具!」
クリムの手元から更に黒い霧が伸びていき、それが触手の形へと変わると、その黒い触手は、二人の女神を蹂躙していく。
「このまま人々の前に姿を晒してやってもいいんだぜ?それが嫌なら、さっさと俺の呪いを解けっ!」
賢者は確かに魅力的だが、一生女の子と縁のない生活を送ることになって迄得たい力ではない。
俺は大賢者になるより、エッチ三昧のハーレム王を目指すんだぁッ!
「くっ、私がこんな目に……ぁんッ……。クッ……。」
「あふぅ……ダメぇ……おかしくなっちゃうよぉ……。」
触手に嬲られ悶える女神たち。
「ぁっ、くッ……、わ、私を……ンッ……ここまで追いつめたご褒美に……っつ……教えてあげましょう。……ぁん、嫌っ……。」
「さっさと話せっ!」
「んっ……。その祝福は……解け……ンッ……ません……っ……。」
「何だとっ!」
俺は一歩前へと踏み出す。
「しかし、祝福の効果を打ち消す方法ならあります……ンッ……。……。」
何かを言いかけていたが小さくてよく聞き取れないので、俺はさらにエルゥスに近づく。
「……っと、……へ……。」
「何だ?」
彼女の口元に耳を寄せようと近づく。
俺はこの時かなり油断していたのだろう。俺がすぐ目の前まで近づくと、エルゥスは、その唇を俺の唇へと押し付ける。
俺の身体方力が抜け、エルゥスの戒めが解かれる。
「ふぅ、完全に油断しましたわ。でも、二度は通じませんからね。……リィ、何遊んでいるの?さっさと戻りますわよ。」
「あんっ、だってぇ、コレ、気持ちいいのぉぉ。」
「まったく。」
エルゥスは、クリムとロリ女神の間の黒い鎖状の物を一瞬にして断ち切る。そして、まだ悶えているロリ女神を抱え上げると、一度俺の方を振り返り、一言二言何かを告げて、消えて行った。
「大丈夫?」
女神たちが消えて、ようやく動けるようになったアンジェ達が慌てて近づいてくる。
力を使い果たして倒れているクリムをカミーラが抱え上げ、まだ呆然としている俺をアンジェが抱えてハムの街へと戻る。
その間にも、俺の頭の中は、去り際にエルゥスの残した言葉だけが渦巻いていた。
◇
「だから無茶だって言ったんですよっ。でも無事でよかったですぅ。」
屋敷に戻り、事の顛末を留守番して居たリズたちに話すと、リズは起こって抱きついてくる。
「それで、結局どうなったのでしょうか?」
セレーナがおずおずと聞いてくる。
「あぁ、簡単に言えば、俺の呪いは祝福だから解呪は出来ず、このまま5年経てば大賢者になれるそうだ……代わりに一生エッチが出来なくなるけどな。」
「それは……なんていうか……。」
「ですねぇ……。」
そのあまりにもな話しに、困った顔でお互いを見るセレーナ達。
「失われし知識と魔術を得ることは素晴らしいですが、その代償が……。」
「えぇ、さすがに……ねぇ。」
メイドたちも口々に呟いては困惑した顔を見せる。
「あ、でも、去り際に、あのエロ女神何か言ってたよね?」
クリムが思い出したかのようにそういう。
「そう言えば、解呪は出来ないけど、祝福を打ち消す方法があるとか……。」
アンジェは動けないながらも、しっかりと状況の把握に努めていたらしい。
「あぁ、あのエロ女神はこう言ったんだ。「王になれ」と。王になれば祝福が消えると……。どういう意味だと思う?」
「うーん、ソーマがいつも言っているハーレム王の事?ってか、それならすでにハーレム王じゃないの?ソーマいつもそう言ってるでしょ?」
「あ、あぁ。しかし、真のハーレム王を名乗るなら、やっぱりエッチをしないと……今のままでは、なんちゃってハーレム王だ。」
「でも、それが出来ないのは呪いの所為でしょ?王になれば呪いが解けるけど、その為には呪いを解かないといけない……矛盾してるよね?」
俺とクリムがそう言いあっていると、何かを考えていたアンジェが口を開く。
「ソーマ、クリム、ちょっと話したいことがあるから奥へ行こう。」
アンジェはそう言って奥の部屋への移動を促す。
って事はあまり大ピラに話せない事か?
俺が迷っている間にも、アンジェはリズとカミーラ、セレーナを連れ立って先に行ってしまう。
「フリーシャ。俺達が出てくるまで、誰も部屋に近づけるな。」
俺は、そう指示を残して、アンジェの後を追いかけるのだった。
◇
「これから話すことは、魔族の中でも一部の者しか知らない事だ。たぶん人族の中でも知っている者は少数だろう。」
だから他言無用で、と前置きをしてからアンジェが語り始める。
「まず、王はどうやって王になるのか?これを知っている者はいる?」
アンジェの問いかけに俺達はリズを見る。
リズはメルマルク王国の王女様だから、知っているのでは?という視線だった。
「ごめんなさい、詳しくは知りません。王家に連なる者が脈々と受け継いできたのではないでしょうか?」
リズがそう答える。
「それも間違いじゃないけどね、じゃぁ、最初の王は、どうやって王になったのかしら?そして、クーデターを起こしたあの将軍は、王になれたのかしら?」
アンジェの言葉に答えることが出来るものは誰も居なかった。
「あ、ごめんね。知らないから悪いって事じゃないの。というより、この事は秘匿されているから知らなくて当然なのよ。」
アンジェはそう言うが、何を言いたいのかが今一つ理解できない。
「アンジェ、悪い、何が言いたいのかが分からない。」
「うん、何から話せばいいか分からなくて……。ソーマ、今のハムの街、をここまで運営している間に、何か、変わった光を放つ、魔石を手に入れなかった?」
「あぁ、良く知ってるな。マヴロスからもらったんだ。決して無くすな、と言われてな。」
俺はそう言って、腕輪を外し裏側に取り付けてある魔石を見せる。
「ん、ありがと、やっぱりだわ。」
「やっぱりって、何がだよ?」
俺は腕輪を装着しながらアンジェに問いかける。
「ソーマは不思議に思わなかった?あの土地が……暗黒龍の狩場が、あまりにも都合がいい事に。」
そこからアンジェの語った話は、俺達を驚かせることになり、そして俺達の次の行動の指針を示すものだった。
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