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ハーレム王の新たなる旅立ち 準備編 5

「ほら、もっと良く見えるように。」


「そんなぁ……これ以上は……恥ずかしいです。」


「あぁ?じゃぁアイリにやらせるか?……アイリ、ほら広げてみせろよ。」


「姫様……ゴメンナサイ。」


アイリがその指を使って、閉じられていた口を開く。


「なるほど、こんな感じなのか。」


「あ、あぁ……そんなにじっと見ないで……恥ずかしぃ………。」


メイリーンは余程恥ずかしいのか、顔だけでなく身体中が朱に染まっている。


「ん……キツイな。」


「ダメッ、そんないきなりは……あ、あぁ、無理に入れないで……。」


俺は指を入れようとしたのだが、思いがけない抵抗に困惑する。


仕方がないので、その周りをなぞる様にしていると、メイリーンは何かをこらえているようなくぐもった声を漏らしている。


「ふぅん……じゃぁそろそろ頂こうか?」


俺はひとしきり触った後にそう告げる。


「えっ……そ、それだけは勘弁してください。他の事であれば、何でも言う事聞きますから。」


メイリーンの必死の懇願が俺の嗜虐心をくすぐり、思わず意地悪をしてみたくなる。


「何でも、か?じゃぁ、このあとココででご奉仕してもらおうかな?」


俺はそう言いながらメイリーンのお尻を撫でる。


「ココってまさか……冗談ですよね?」


「俺が冗談を言うように見えるか?」


俺がそう聞くとメイリーンはプルプルと首を横に振る。そして一縷の望みにかけるように聞いてくる。


「アイリのではダメですか?」


「まさかの裏切りっ!」


「アイリのはまた別の機会に。」


「ダメですかぁ。」


「別の機会って、何されちゃうんですか、私。」


「で、どうするんだ?」


「……私の事はスルーですか。別にいいけど仲間外れみたいで悲しいですよぉ。」


イジイジといじけるアイリが可愛いのでしばらくそのままにしておこう。


「クスン、お尻は嫌ですぅ。仕方がないのでこっちを好きにしてください。」


アイリの事は見なかったことにして、メイリーンは指輪を外して渡してくる。


「最初からそう言えばいいんだよ。」


俺はそう言いながら指輪を受け取る。


「クスン……お父様とお母様の形見ですから、大事にしてください……。」


涙目で訴えてくるメイリーンを見ていると、自分がすごく悪いことをしている気分になる。


……ウン、これが罪悪感というものか。


「別に取り上げる訳じゃない。ただどんなものか調べたいから見せてもらおうってだけだ。……だからそんな顔するなよ。」


俺がそう言うと、メイリーンに少しだけ笑顔が戻る。


「ソレはそうとして……キツイな指入れるのが精一杯だ。」


「だからぁ、無理に入れないでくださいよぉ。魔力障壁で私以外の出し入れができなくなってるんですぅ。」


俺が開いたアイテムボックスの入り口から、手を中に入れようとすると、表情を歪めたメイリーンがそういう。なんでも他人がアイテムボックスに触れると、登録者であるメイリーンの魔力が反発するらしく、その時の感覚が凄く不快だという。


「だったらお前が出してくれよ。あぁ、さっき見えた下着とかの衣類は別にいいから。」


「うぅ、忘れてください。恥ずかしぃです。」


「だから姫様、あれほど無闇矢鱈とモノを入れないようにって言ってるじゃないですか。」


「まさか、こんなところで中身を見られるとは思っていなかったのよぉ。」


メイリーンは、アイリに叱られながら、アイテムボックスから1冊の本を出し俺に渡す。


「これは?」


「お父様の手記です。一応中にある魔導具について書かれていますので、目録(インデックス)代わりになると思います。……全部出すのは数が多くて大変ですので。」


「なるほど。じゃぁ少し読ませてもらおう。」


俺はソファーに座り直すと、その手記を開き、目を通す。


「では私はお茶の用意をしてきますね。」


アイリはそう言って逃げるように部屋を出ていった。


ちなみに、一緒に出ていこうとしたメイリーンは捕まえて隣に座らせてある。気になった魔導具はすぐに出してもらわないといけないからな。


「えーと……。」


俺は手記を読み進める。


書かれていたのは、その魔導具の名前及び使用用途に使用方法。そして意外なことに、その魔導具を作るのに必要な素材や手順、付与方法についても書かれていた。


これは凄い、宝の山じゃないか!……と思えたのは最初の数ページまで。読み進めるうちに、俺はパタンと手記を閉じ、隣りにいるメイリーンの頭を、同情と憐れみと激励の気持ちを込めて撫でてやる。


「あの……。」


「いや、メイリーンも色々苦労したんだろうなぁって。」


「いえ、お父様は基本アレでしたが、馬鹿な国民や元老院、貴族などが絡まなければ、聡明で優しかったですから。」


メイリーンも手記には目を通したのだろう。俺が言いたいことがしっかりと伝わったらしく、そう返事を返してくる。


……しかし、国政において貴族や元老院が関わらないなんてことはないだろうから、常にストレスに晒されていたんだろうなぁ。


それが予想されるような内容も、赤裸々に書かれていた。


例えばコレ……エリクサーのページ。


エリクサーはどのような重傷も部位欠損も難病も、瞬く間に治し、死亡直後であれば蘇生すら可能にするという伝説級の最上位ポーションだ。


なんでも頭さえ残っていれば、身体を復活させることもできるとか。


もっとも頭だけになってどれだけ生きていられるのかは疑問だが。


因みに、アタマが潰れていては他がどんなに奇麗でも復元は無理らしい。そうでないと、身体が真っ二つに斬られた時、上半身と下半身にそれぞれエリクサーを使うと同じ人間が二人になるという矛盾が生じるからとのこと。なんでもありのファンタジーにも制限があることに少しだけホッとする。


手記によれば、元老院の中でも発言力が強かった人物が不死の病に侵されたという。


その人物が亡くなれば、元老院の発言力が一気に低下するぐらいの重要人物だったので、元老院の長老達はなんとかならないか、と相談してきたという。


普段、人の言うことを聞かずバカにするだけ、しかも命令を敢えて曲解して自分たちの都合の良い様に解釈し、勝手気儘に国を食い物にしてきた馬鹿者達。そんな奴らのことを何故聞かねばならぬ……そう思いながらもエリクサーについて教えてやった。


………書かれていたのがここまでだったら、俺も国王の立場とその苦悩に大いに同情したことだろう。しかし手記にはこの後こう書かれていた。


『やーい、クソジジィ共のバーカ、バーカ。頑張って素材探しに翻弄するがいい。ま、ドラゴン、それもエンシェントの生き血なんて手に入らないだろうけどなぁ。』


そう、エリクサーが伝説のポーションと呼ばれる所以は、その素材の希少さにあった。特にドラゴンの生き血などは手に入らないことと同意だった。


『でも儂ならエリクサーだって簡単に作れちゃうもんね。この小瓶に入れた水が……ホイっ!あっと言う間にエリクサーの出来上がり。…………っと調子に乗って30本も作ってしまった。流石に今日は魔力切れだからこの辺にしておこう。』


……………この部分を読んだとき、それまであった同情心がどこかに飛んでいってしまったとしても、だれにも責められることはないだろう。


「なぁメイリーン。このエリクサーってまだ残っているのか?」


「ハイ、あと27本残っています。」


「27本?3本も使うようなことあったのか?」


「え、えぇ、まぁ……。」


歯切れの悪いメイリーンから聞き出したところによると、使用したのは国王本人とのことだった。


しかもその使ったときというのが………



「ここに伝説のポーションエリクサーが3本ある。秘蔵の秘薬から辛うじてコレだけ作ることができた。(ホントはもっとあるけどな)」


病に伏した最長老と主だった元老院のメンバーを前にして国王は3本の小瓶を取り出す。


周りはざわめくが、その中に不審な声が上がるのを国王は聞き逃さない。


「フン、信じれれないのも無理はなかろう。……連れて参れ。」


国王が側近に声をかけると、その場を離れた側近が、一人の死にかけの老人と、今息を引き取ったと思われる老猫を連れてくる。


「持たんかったか。可哀想に。」


そう言いながら、小瓶の中身をその老猫に振りかける。そしてもう一本の瓶を老人に渡し飲むように告げる。


しばらくすると、老猫が息を吹き返し、老人は今までの状態が嘘だったかのように飛び跳ね、国王に何度も礼を述べ、スキップしながら退出していった。


それを見た元老院のメンバー達から感歎の声が上がる。


「流石国王様です。」


「これでこの国は救われます。」


「ささっ、早くその薬を長老様にっ。」


そんな声が上がる中、国王は冷たい視線を周りに向けこう告げる。


「なんで儂が苦労して、命を懸けてまで作った秘薬をそんなクズのために使わなければならんのじゃ?(もとはただの水だし、簡単に作ったけどな)この国王たる儂の命よりそこの老いぼれのほうが国に必要と、お主らはそう申すのか?(と言うか、そう言いたいんだろ?ほらハッキリ言ってみろや)」


国王の言葉に答えるものはいない。たとえ心のなかで思っていたとしても、目の前にいるのは国王なのだ。この公の場で蔑ろにするような発言ができるわけがない。


国王も、それがわかっているから、そのような言い方をしたのだ。


「フンっ、大体こんなものがあるからいかんのだ。」


国王はそう言って、病に付す最長老の目の前で、見せつけるようにしながら、その中身を一気に飲み干した。


「これで茶番は終わりじゃ(ザマぁ)。さっさと職務につくが良い。」


そう言って国王はその場から立ち去ったとのことだった。



「……とんでもないな。」


話を聞いた俺は思わずそう呟く。


「えぇ、お陰でその後の風当たりがキツくて大変でした。」


「まぁ気持ちはわからんでもないがな。」


都合のいいときだけ利用される……そんな立場は俺だったら願い下げだ。


そういう意味では、そんな状況下でしっかり国王をしていた、メイリーンの父親は尊敬してもいいかもしれない。


「でしょうねぇ。お父様とソーマ様はよく似てらっしゃいます。きっと気があったことでしょう。」


「似てるって……俺そんなに立派に見えるか?」


「……いえ、似てるのはゲスい所です。」


……メイリーン、自分の父親をゲスなんて言っちゃいけないよ。


俺は、メイリーンの発言をスルーして、他の魔導具について調査や確認を続けるのだった。


ご意見、ご感想等お待ちしております。

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