オセアニアの野原☆
前回までのあらすじ
オシア一行は移住許可書を求めて冒険者ギルドを訪れた。
しかし、信頼のない人間は長期間の滞在が許されないことを
ギルド嬢から告げられてしまう。
ギルドからの信頼を得るためには冒険者ランクD以上が必要とのこと。
果たして、オシアは目標を達成することが出来るのだろうか?
「まず、オシアンギルドに手紙を渡してください。 これはオシアで特別な体験と見なされています。 ……可用性の証です。 Dステータスの証明としてポルトガルギルドを持つための要件をみたしている必要があります。」
(それではまず、オシアちゃんにギルドカードを渡します。オシアちゃんにとってはこれが仮の身分証明書の様なものですね。これが、冒険者の証でもあります。Dランク冒険者の証であるオレンジ色のギルドカードを目指してこまめに依頼をこなしていってくださいね)
セクハラ受付が、私にカードのようなものを渡してくる。手紙には見えないけど……
「オシアがギルドに信頼されるのは冒険家に他ならないようです……多分オシアは私といっしょです。あなたのリクエストについて教えてください。10日以内に私は昇進したいと思います」
(オシアちゃんがギルドから信頼されるためには、冒険者ランクを上げるしかないみたいですね。……私と一緒ならオシアちゃんでも安全かもしれません。ギルド嬢さん、オシアちゃんでも受けられるおすすめの依頼を教えてください。10日以内に何としてでもランクをEにあげたいんです)
「では、この「近くの森」で樹木を集めてほしいという要望はどうでしょうか。 あなた、オシアちゃん、そしてオシアちゃんの警備員でありリーダーである私が薬を集めます。 あなたは3人で小さなおくり物を共有し、敵は弱いですが、この要求は状況をかくほするための最良の方法だと思います。」
昇進をのぞむ凶悪少女に対し、一枚の紙をわたすセクハラ受付。……凶悪少女の獲物にされ、セクハラ受付を警備員にしなければならない私の女運は、この異世界に来てから地の底まで落ちてしまったのだろう。
「はい、私たちはあなたの要求を受け入れます。」
「わかりました。一緒に来てください。ランディ、場所を変えてください。」
セクハラ受付が私たちの所に来て、代わりにおっとりとした女性がセクハラ受付の仕事を受け継ぐ。そして、私たちが施設の外に出ようとしたとき、凶悪少女が何かを話し始めました。
「オシア・カーン、モンスターを探しているなら、まず相手が何をしているのかを確認します。モンスターが攻撃した場合は逃げて、私たちがどこにいるかに注意してください。」
「ただし、状況によっては逃げられない場合があります。 その場合、これ。 この稲妻をモンスターに向けて発射することで、巨大なトカゲの動きをコントロールできます。このように手を握ると…あれ? 光は輝きません」
凶悪少女は何かを私に伝えたあと、棒状の物体を取り出し力を込めて握る。しかし何も起きず、凶悪少女は困惑し始めた。
「はいはいはい! 不当に壊れていますか? これがなければ、オシアは自分自身を守ることができません。 しかし、それは良い価格です。 現在、すべての製品を購入できるわけではありません」
凶悪少女の額から、滝のように汗が流れる。
これは危険だ。冷静さを失った凶悪少女はきっと、自分を抑えることが出来ず本能のままに私に暴行を加えるだろう。……やむを得ない。今からあなたが私の警備員です。
「オシアは私の後ろに来ましたか? ……おっしちゃん、一緒にいました。 あなたはいい子ね。 いい子赤ちゃん。 可愛い!」
これが私の必殺技『セクハラシールド!』
セクハラ警備員を盾にすることで、どんな攻撃でも防ぐことが出来る!
「ギルディアンさん、道に行きませんか? ふふ」
「ああ、はぁ。はい、お願いします」
「ありがとうございました」
……凶悪少女が、セクハラ警備員をどかしてしまった。……私の『セクハラシールド』が破られた? ヤバイ、凶悪少女が邪悪な笑みを浮かべながらこっちに来る。
「オシアカーン、これから行くところはとても危険なところです。しかし、それは大丈夫です。私はオセアニアの野原になります。だから、私を置いていかないで♪」
私の目の前に凶悪少女の顔が迫ってきた。それを見て、私は恐怖のあまり涙を流してしまう。更に、彼女の右手、そして左手が私の腰に、少しずつ、少しずつ近づいていく。
「ふきゃぁああああっ!」
私の叫び声も虚しく、凶悪少女の両手は私の腰に巻きつかれてしまう。
この回から原文を保存するようにしました。試しに全部載せてみます。
「それではまず、オシアちゃんにギルドカードを渡します。オシアちゃんにとってはこれが仮の身分証明書の様なものですね。これが、冒険者の証でもあります。Dランク冒険者の証であるオレンジ色のギルドカードを目指してこまめに依頼をこなしていってくださいね」
「オシアちゃんがギルドから信頼されるためには、冒険者ランクを上げるしかないみたいですね。……私と一緒ならオシアちゃんでも安全かもしれません。ギルド嬢さん、オシアちゃんでも受けられるおすすめの依頼を教えてください。10日以内に何としてでもランクをEにあげたいんです」
「それでは、こちらの「近くの森」での薬草採取の依頼なんかどうですか? あなたとオシアちゃん、そしてオシアちゃんの監視役兼護衛役の私の3人で薬草を採取します。ただでさえ少ない報酬を3人で分け合うことになりますが、敵モンスターが弱いので安全にランクを上げることに関してはこの依頼が一番適していると思います」
「分かりました。では、その依頼を受けます」
「承知しました。では、私はあなたたちとご一緒します。ランディさん、私の代わりに接客をお願いします」
「オシアちゃん、もしモンスターを見つけたら、まずは相手の様子を確認してね。もしこちらに気づいていなかったら、音をたてないようにして少しずつモンスターから離れること。もし気づかれていた場合はその場から動かないでモンスターが居なくなることを待つこと。もちろん、モンスターが襲ってきたら全力でその場から逃げ出して私達のいる場所を目指してね」
「でも、状況によっては逃げ出せない場合もあるかもしれない。そんな時はこれ。この電気棒をモンスターにぶつけることで、モンスターの動きを一時的に止めることが出来るよ。こうやって持ち手をぎゅっと握れば……あれ? 電気がつかない」
「えいっ、えいっ、えいっ! ……嘘でしょ、まさか壊れているの? これがないとオシアちゃんが自衛できないわ。けど、これは結構なお値段なのよ。私の今の全財産でも買えないわ」
「オシアちゃんが、私の後ろでギュッとしてくれた? ……オシアちゃん、私になついてくれたんだね。良い子だね。良い子良い子。かわいいよ!」
「ギルド嬢さん♪ そこ、どいてくれませんか? フフッ」
「ハッ、ハハハ。はい、どうぞ」
「ありがとうございます♪」
オシアちゃん、これから私達が行く場所はとっても怖い場所なんだよ。でも大丈夫。私がオシアちゃんの盾になるの。だから、私から絶対に離れないでね♪