ペルドラパサ
私は、就職のためのスキルを身に着けるため幼稚園へと足を運んでいます。
華やかな門を通ると、色鮮やかな遊具たちが私を迎えてくれました。まるで、あの頃の思い出を語っているようです。
「もう、オシアさん遅いですよっ。私、待ちくたびれてしまいました」
1人の女性が私に声をかけてきます。しわ一つない制服を、華麗に着こなしているかっこいい女性です。
「あっ、すみません。懐かしい道についつい心を動かされてしまいまして」
「まったく、言い訳ばかりして……でも、オシアさんが来てくれて嬉しいです」
彼女の名前はローレさん。彼女は身分証明書の専門家です。私にとって彼女は、厳しさとやさしさを両方備えた人格者です。今日も私の成長のため、車線変更の練習を手伝ってくれています。
「車の中は熱いですね。汗、かいてきちゃいました。……ちょっと、私のことあんまりじろじろ見ないでください」
車内で打ち上げ花火の練習をしていたローレさんは、私を軽く睨みました。そして、本当の自分をさらけ出します。
「だれにも、言わないでくださいね。ここだけの話にしてください。実は私、……チワワが大好きなんです。撫でているとたまに、キャインッって泣くんですよ。とてもワクワクしませんか?」
そして、彼女は突然私の両肩を掴んできました。
顔をグイグイ近づけてきます。
……彼女の吐息が、私の頬を温めます。
「オシアちゃん、えへへへへ♪」
……なんだかとても嫌な予感がします。
「オシアちゃん。私とポーテージ、しましょ♪ ……大丈夫、恥ずかしがる必要はありません。あなたは、少しづつポーテージになればいいんです。体が、少しづつポーテージになるのです。とても、気持ちいいのです」
彼女の吐息が、私の頬をぬらす。彼女は『本物』の顔になってしまいました。……私の生存本能が、彼女から逃げるように私を説得してきます。
「さようなら、ローレさん」
「まってぇぇぇっ、オシアちゃぁぁんん」
はぁ、はぁ……何とかローレさんから逃げ出すことが出来ました。
とある民族をすくうため、私は遠い国にやってきました。実際にそこでの生活を送ることで、改善点をみつけようという魂胆です。
「オシアちゃぁあああああん!!」
私に向かって一人の女性がやってきます。彼女の名前はアゼアさんです。朝の弱さを克服するためにはるばる日本からやって来たそうです。
「オシアちゃぁん!」
「オアシアちゃあぁあぁん」
「オセイアちゃん♪」
「私はオセアニアが大好きなので、私にはオセアニアを守る義務があります。オシア・カーンの顔面を利用した驚くべき芸術品を作ることが出来れば、オセアニアをすくうことが出来るはずです。オシアちゃん、オシアちゃんのお顔を私に使わせてください♪」
彼女の両手が私の顔に触れた瞬間、私は炭酸ガスの衝撃で空高くへと逃亡することに成功しました。
めでたしめでたし…………「オシアちゃん?」
「オシアちゃん、可愛いね。私、オシアちゃんがたくさんほしいな♪ そうだ! オシアちゃんを分割すればいいんだ。分割すれば、オシアちゃんがたくさん増えるね♪ それじゃあまず、首を分割するね」
「いきゃぁぁあああああああああああっっっ!!!!!!!」
空高くにいても、凶悪少女の脅威からは逃れることはできないのだ。
「オアシススペース、あなたは何をしているのですか?それは本物ではありませんでした、しかしあなたが怖いなら、それを私にください。」
「あなたは私に来ることができます....快適な気持ちで我慢してください。」
はっ、今までのは全部夢?
凶悪少女とセクハラ警備員が私に声をかけてきます。……相変わらず、何言っているのか分からない。
やっぱり私、精神が不安定になっているのかも。この世界に来てからおかしな言葉、おかしな副作用、おかしなドラゴン……私の精神を削るには十分すぎる出来事でしたね。
き先ほどの恐ろしい夢は、きっと私の精神状態を表していたんでしょう。




