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検証



「私たちはすでに学校を卒業していて、少し年上です。私たちは不快感を感じることなく生徒たちと仲良くすることができますか?」


 凶悪少女とランディさんの会話がひと段落した後、セクハラ警備員が話題を変えました。……たしかに、私やクリムちゃんと比べて、凶悪少女とセクハラ警備員は大人に近い姿をしています。私みたいな小さな子供の通うような学校にいたらかなり目立ってしまうと思います。


「……その場合、この化学物質。『若賀エステティックオイル』」

「顔に塗ると5歳になります。成長する前に使って、学生時代の輝きを取り戻すことができます。」


 ちらっと凶悪少女の方を見てみると、彼女は顔に何かを塗ってしまいました。……さて、凶悪少女はどんな姿になってしまったのだろうか?




「ああ?? どういうわけか私の体が収縮した...ウヤン。小さい!」


 セクハラ警備員と同じくらいだった身長は、彼女の半分ほどになってしまいました。凶悪少女の強さを感じさせる少しだけ鋭い瞳は、ぱっちりとした可愛らしいものに変化しています。……正直、今の私よりも小さいです。可愛い姿になって、凶悪さ半減ですね。


「学校入学は10年後になります♪」

「まてば、おしあちゃんはおねえさんになるよぉ…」


 セクハラ警備員の軽い冗談に対して、凶悪少女はあどけない声でツッコミを入れます。……正直、凶悪少女にはこのままでいてもらいたいです。





 ……




「あなたは美しい顔をしています。彼女はうさぎ王国の女性のように見えます」


 ドラゴンが倒されたことを聞いて、すっかり安心した様子になった男性から声を掛けられる。


 美しいと言われてなんだか奇妙な感覚ですが、ここで彼の言葉を否定してはいけません。……人は褒められたい生き物です。自分が褒められるために、相手のことをほめる。信頼関係を作るうえで重要になってきます。


 今、私がするべきこと。それは、褒めてくれたことを感謝すること。どんな人だって、自分に感謝してくれる人を大切にしたいはずです。


「あなたみたいな素敵な人に褒められると、恥ずかしくなってしまいますね。ありがとうございます」


「ああ、やってください……。私が少し若かったら、あなたと仲良くしたかったのです」



 男性は、恥ずかしそうにしながら頬を染めます。そんな彼の姿から、若々しさを感じますね。



「では、今から仲良くなりましょうか」

「はい、ああ、はい」


 頬を染めたまま、男性は自己紹介を始めます。



「私の名前はテカ。各国の建築様式の違いについて研究しているよ。利便性を追求した座間王国の民家、耐火性および防弾性に優れた事務所王国の要塞、家の外観の美しさを重視したヘア王国の芸術家。

国別、家の追求の要素が変わることが非常に興味深い」


「テカさんは、国ごとの家の違いについて詳しいんですね」


「ああ。 人々は自分の価値に応じて異なるものを望んでいます。その性質が家の建築に反映されていることに注目するのは興味深いことです」


「独特な視点で物事を研究しているようですね。私は物事を単純にしか捉えることが出来ないので、テカさんのような人に憧れちゃいます」


「ははは、私があなたを称賛しても何も出てこない……おい、誰かがあなたのところにやってくる」


 笑顔のテカさんが、誰かが近づいてきたことを教えてくれます。



「おしあちゃん、いえにかえる時間です」


 左手をクリムちゃんとつなぎ、右手を私に近づけながら凶悪少女はが私のことを呼ぶ。



 ……今回の会話で、面白いことが分かりました。私が誰かと会話をするとき、落ち着いてさえいれば、翻訳の精度が上がりある程度相手の言っていることが分かるようになるようです。これなら積極的に会話ができそうですね。

「顔に塗ると5歳になります。成長する前に使って、学生時代の輝きを取り戻すことができます。」

                    ↓

「これを顔に塗れば、-5歳顔に。大人になる直前の私達が使うことによって、学生時の輝きを取り戻すことが出来ます」


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