第一章 原文会話
一部だけですが、原文の会話を発表します
「それではまず、オシアちゃんにギルドカードを渡します。オシアちゃんにとってはこれが仮の身分証明書の様なものですね。これが、冒険者の証でもあります。Dランク冒険者の証であるオレンジ色のギルドカードを目指してこまめに依頼をこなしていってくださいね」
「オシアちゃんがギルドから信頼されるためには、冒険者ランクを上げるしかないみたいですね。……私と一緒ならオシアちゃんでも安全かもしれません。ギルド嬢さん、オシアちゃんでも受けられるおすすめの依頼を教えてください。10日以内に何としてでもランクをEにあげたいんです」
それでは、こちらの「近くの森」での薬草採取の依頼なんかどうですか? あなたとオシアちゃん、そしてオシアちゃんの監視役兼護衛役の私の3人で薬草を採取します。ただでさえ少ない報酬を3人で分け合うことになりますが、敵モンスターが弱いので安全にランクを上げることに関してはこの依頼が一番適していると思います
「分かりました。では、その依頼を受けます」
「承知しました。では、私はあなたたちとご一緒します。ランディさん、私の代わりに接客をお願いします」
オシアちゃん、もしモンスターを見つけたら、まずは相手の様子を確認してね。もしこちらに気づいていなかったら、音をたてないようにして少しずつモンスターから離れること。もし気づかれていた場合はその場から動かないでモンスターが居なくなることを待つこと。もちろん、モンスターが襲ってきたら全力でその場から逃げ出して私達のいる場所を目指してね
でも、状況によっては逃げ出せない場合もあるかもしれない。そんな時はこれ。この電気棒をモンスターにぶつけることで、モンスターの動きを一時的に止めることが出来るよ。こうやって持ち手をぎゅっと握れば……あれ? 電気がつかない
えいっ、えいっ、えいっ! ……嘘でしょ、まさか壊れているの? これがないとオシアちゃんが自衛できないわ。けど、これは結構なお値段なのよ。私の今の全財産でも買えないわ
オシアちゃんが、私の後ろでギュッとしてくれた? ……オシアちゃん、私になついてくれたんだね。良い子だね。良い子良い子。かわいいよ!
「ギルド嬢さん♪ そこ、どいてくれませんか? フフッ」
「ハッ、ハハハ。はい、どうぞ」
「ありがとうございます♪」
オシアちゃん、これから私達が行く場所はとっても怖い場所なんだよ。でも大丈夫。私がオシアちゃんの盾になるの。だから、私から絶対に離れないでね♪
「オシアちゃん、あなたは私が守るの。私だけがあなたを守れる存在なの。だから、ほかの子に浮気しないで?」
「私はオシアちゃんをいかがわしい目で見るようなことはしていません。ただ、あまりにも可愛いのでオシアちゃんと触れ合いたいなって思っているだけです」
「あの怪しい女、私からオシアちゃんを奪おうとするなんて許せない! ……ずいぶん存在感のある女だったけど、ギルド嬢さんは、あいつのこと知ってる?」
「どこかで聞いたことがある気がします。世界一の極悪さを持つ白髪黒服の令嬢に気をつけろ! 闇の力ですべてを滅茶苦茶にしてくるぞ! との言葉がどこか遠くの国で広まり、それがこの国まで伝わっています」
「ここから先が『小さな森』です。森の中は一応危険なので入る前に作戦を立てましょう」
「まずはお互いのスキルの確認から始めたほうがいいんじゃない?」
「言い出しっぺは私だから、私から始めるね。私は三つのスキルを持ってるよ」
「一つ目のスキルは『戦闘』。敵と対面した時、その敵に対しての戦闘能力が上昇するよ。私はこのスキルのおかげで自分よりも大きな相手とも対等に戦うことが出来るんだ」
「二つ目のスキルは『追跡』。どんなに離れていても、対象の場所を知ることが出来るスキルだよ。その日のうちに対面した相手に効果があるんだ」
「三つ目のスキルは『奇襲』。このスキルを使えば相手にばれずに奇襲することが出来るよ。更に相手の奇襲にも気づきやすくなるんだ」
「あれ? 私のスキルが変なことになっている? ……まあいいや、どうせ表示バグだろうし。次はギルド嬢さんのスキルを教えてください」
「分かりました。……私には二つのスキルがあります」
「まず一つ目は、『剥奪』です。人間相手なら武器を奪い、蛇が相手なら牙を奪い、クマが相手なら爪を奪います。上手くいけば相手の戦力をそぎ落とすことが出来ますが、タイミングが難しいので使うなら仲間とうまく連携する必要がありますね」
「二つ目は『捕縛』です。相手のスキをついて捕縛することで、相手を動けなくすることが出来ます。強力な縄を使って捕縛するほか、大きすぎない相手の場合は体を使って捕縛することも出来ます」
あれ? 私のスキルも何故かおかしいです。一体どうしたのでしょうか? ……まあいいでしょう。次はオシアちゃんの番です。実はあの時オシアちゃんのスキル名しか見ていなかったので、どういった効果があるのかが知りたいのです
「オシアちゃん、私たちは必ずここから脱出してアゼアちゃんの家で4人幸せに暮らします。これは絶対です。だから、安心してください」
「なあ、アゼアとやら。さっき戦ってた時空を飛んでいた俺のところまでジャンプしてたよな。その技術で俺たちを救出することはできないのか?」
「あの時使ったのは私の発明品、『ジャンピングブーツ』。私の体重に合わせて作られたものだから、他人を抱きながらじゃ飛べないよ」
「そうか。それなら先に一人で脱出して、ギルドの連中に助けを求めてくれないか?」
「……さすがのギルドも、こんな巨大な穴から人を救出する技術なんて持ってないよ。救出するために凄く時間がかかっちゃうし、たくさんの費用を消費することになっちゃう。それに、救助を待っていたらオシアちゃんの移住許可書の期限が切れちゃう。オシアちゃんと一緒に入れなくなっちゃうなんて、考えられないわ」
「あんたは随分あの少女に肩入れしているんだな。オシアとやらが羨ましいよ。……で、それじゃどうやって俺たちはここから脱出するんだ?」
「私が芸術作品を作るよ。私の芸術作品ならこの穴から脱出することが出来るはず。……まあ、芸術作品を作るためには時間とアイディアと材料が必要だけど」
「オシアちゃん♪ 私は芸術作品のアイディアが欲しいの。何か可愛いことをやってね。そうしたら私、ものすごいものを作れちゃうから」
「……激しく可愛さを主張したはではでドレスに身を包むオシアちゃん。でも、派手可愛い服装に反して、オシアちゃんはあどけない顔で不安そうに首をちょこんと横に動かしている。やばいわよ、これはやばい。かなり興奮してきちゃった」
「俺はもうドラゴンじゃないって。俺の名前はクリオ。……いや、念のため名前を変えよう。俺の名前はクリムだ。クリムお兄さんと呼んでくれ」
「このマットの上でこのようにして大声を出せば、空高く飛ぶことが出来ます」
「……でも、上方向だけじゃなく横方向にも飛べなきゃ、安全に地上へと戻れないのではないですか?」
「……そんな時はこのドリンク。『ストレスからの解放』」
「私の科学力によって作られたこのドリンクを飲むことで、いやなことを忘れて有頂天になることが出来るよ。また、空中にいる場合は落下速度がゆっくりになります」
「ランディさん、オシアちゃんの移住許可についてなのですが……」
「今はそれどころじゃないでしょうがっ!」
「でも、良かった。ドラゴンにとっての理想郷であるマグマの地を目指していたと思われたドラゴンが、突然この町に向かう森へと進みだしたと聞いたときは心臓が飛び出る思いだったけど。……あんたたちが無事で本当に良かった」
「本当に死ぬかと思いましたよ。オシアちゃんが火球を防いでくれなかったら、今頃私たちは生きていませんでしたね」
「まさかあんたたち、ドラゴンに狙われたの? それじゃ、何であんたたちは生きているの? あのドラゴンの力は推定Sランク、しかもSランク冒険者数人が犠牲を出してやっと倒せる強さだとされているわ。そんな奴に狙われた地点で、灰になることが確定してしまっているはずだよ。奴からは逃げ切れるはずがないんだよ」
「ええ、確かにあのドラゴンから逃げる余裕なんてありませんでした。彼女があの場にいなかったら、私とオシアちゃんの命はなかったでしょうね」
「偶然Sランク冒険者が複数その場にいてあなたたちを逃がしてくれたのね。凄い悪運じゃない♪ 犠牲になった彼らの為にも、みんなしっかりと生きていかなきゃね」
「……Sランク冒険者なんて、どこにもいませんでしたよ?」
「それじゃ、あなたたちはどうやってドラゴンから逃げたの?」
「? 私たちはドラゴンからは逃げていませんよ」
「ドラゴンに狙われたのに、逃げていない?」
「はい、アゼアさんがドラゴンを一刀両断しました」
ランディ(受付嬢)「嘘でしょっ、あのドラゴンが、たったの一撃で倒されてしまうなんて。いくつもの自然を破壊した、最強のドラゴンが。……嘘じゃないわよね」
ローレ(セクハラ警備員)「はい、本当です。アゼアさんが一撃でドラゴンを葬ってくれました」
ランディ(受付嬢)「本当? 本当にアゼアさんがドラゴンを倒してくれたの?」
ローレ(セクハラ警備員)「私が嘘をつく必要性がありません。……オシアちゃん、ドラゴンはちゃんと倒されたよね?」
オシアちゃん「アゼアさんがドラゴンを倒す瞬間は見逃してしまったのですが、ドラゴンが断末魔をあげながら縮んでいく様子を確認しました」
ランディ(受付嬢)「ドラゴンが断末魔をあげながら縮む? 倒された後に縮むモンスターなんて聞いたことがありません。少し、研究してみる必要がありますね。ローレさん、そのドラゴンの残骸を譲ってくれませんか? もし譲ってくれたらたくさんの報酬を与えます」
ローレ(セクハラ警備員)「どのくらいの報酬をくれますか」
ランディ(受付嬢)「あなたたちがドラゴンを倒してくれなかったら、この町にやって来たドラゴンが町を破壊しつくしていたでしょう。そのことを考えると……このくらいですかね」
クリムちゃん「おお、大金じゃねえか。やったな、アゼア」
アゼア(凶悪少女)「やったぁ! これだけあれば、思う存分オシアちゃんのお世話がが出来るわ」
ローレ(セクハラ警備員)「分かりました。では、ドラゴンの残骸を送ります。そして、ドラゴン討伐はアゼアちゃんとオシアちゃんの功績なので、報酬は全てアゼアさんに送ります。オシアちゃんは好きなものをアゼアさんに買ってもらってね」
ランディ(受付嬢)「はい、それではドラゴンの残骸を受け取りますね。では、こちらをどうぞ」
アゼア(凶悪少女)「このお金で、オシアちゃんに何を買ってあげようかしら♪ ……そうだ、ギルドは森の調査に集中してしまって、今は、低ランク冒険者のランクが上がらない状態ですよね。オシアちゃんの移住許可はどうなるんですか?」
ランディ(受付嬢)「……オシアちゃんには、冒険者学校に行ってもらうことになります。あそこの先生たちならオシアちゃんを信頼できる人間へと導くことが出来るはずです」
アゼア(凶悪少女)「学校は危険なところよ、オシアちゃん一人で行かせるわけにはいかないわ」
ランディ(受付嬢)「混乱している今のギルドにできる唯一の移住志望者にできる対応は冒険者学校に通わせることだけよ。そこでオシアちゃんが信頼を得ることが出来ればこの町に移住する権利が与えらえれます……大好きなオシアちゃんを一人で学校に行かせることが心配なのですか?」
アゼア(凶悪少女)「ええ。あそこの生徒たちの関係性にはちょっと問題があるので、オシアちゃんを守る人なしでは行かせることが出来ないわ」
ランディ(受付嬢)「……一つ、提案があります。もし条件を飲んでくれたら、卒業生であるあなたたちをギルドの力で冒険者学校に再入学させてあげるわ。そうすればあなたたちが学校の脅威からオシアちゃんを守ることができますよね」
アゼア(凶悪少女)「条件とは、何ですか?」
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