5章「戸籍探し」
私はトラさんに案内され、路地裏を歩いている。
「・・・ねえ、トラさん。まだつかないのかニャ?」
「もうすぐだニャ」
そしてトラさんは黙って歩く。
路地裏が開けてきて・・・
猫達が沢山集まっているロジウラ国に到着した。
そこはとても広く、まだまだ奥があるようだった。
「驚いたかニャ?人間は、猫を舐めてる様だが、猫もこれくらいの国は創れるニャ。さあ、もう少し歩いたら戸籍窓口だニャ」
歩くと、色々な光景が見えてくる。
賭けをしている猫や、走り回り遊んでいる猫、レストランらしき建物で魚を食べている猫など。沢山いた。
何個かのダンボールで出来ている、トラさんが言う戸籍窓口に到着した。
「いらっしゃいませ。何か御用ですかニャ?」
「御用も何も、コイツの戸籍を調べて欲しいんだニャ」
私はトラさんに突き出された。
受付猫は白いオス猫だった。
「・・・ふむ。名前は分からないんですかニャ。なら、写真で調べるしかないですニャ。調べるのには時間がかかるので、見つかったら使い猫でお知らせしますニャ」
「分かったニャ。ありがとうニャ」
私達は戸籍窓口を出た。
「分からないのかニャ」
「そう落ち込むなニャ。きっと見つかるニャ。レストランで、飯でも食べたら気分も上がるニャ。今日は俺の奢りだニャ」
私達はレストランで晩飯を食べた。