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4章「トラさんの話」
残飯は人間の体なら美味しそうにはとても見えなかっただろうが、猫になった体ではご馳走に見えた。
私はあっという間に残飯を食べ尽くし、そのトラネコと公園で話をしていた。
「お前、どうしたんだニャ?普通の猫なら、獲物を捕れずに飢えるなんてありえないニャ」
「・・・えっと、それは・・・。
信じれない話だろうけど、聞いてほしいニャ」
私は猫になるまでの出来事全てを話した。
「・・・確かに信じられない話だニャ。でも猫生、そんな事もあるもんだニャ。それは俺がよく知ってるニャ。誰か猫とぶつかってお前が猫になったなら、入れ替わってるんだろうニャ。俺と一緒に、ロジウラ国に行こうニャ。そこなら、ここら辺全ての猫の事が記録されてるニャ」
長々と話してしまうのは、彼の癖なんだろう。
私は彼と共にその「ロジウラ国」に行く事を決めた。
「・・・そういえば、貴方、名前は?」
「八満虎太。皆からはトラさんって呼ばれてる。よろしくニャ」