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いつか君に会えたなら  作者: 大迫心一
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非日常的授業

 私は、初めてのテレビ会議アプリを用いたオンライン授業に少し緊張していた。

 早速、ダウンロードしたテレビ会議アプリを起動した。

 私の顔が画面に映った。

思わず、「おーすごい。」と声を漏らした。

 すると、担当のK先生が

「姉川萌音さん。聞えますか。画面とミュートを切って下さい。」と言った。

 私は、慌てて「はい。」と答えながらも、切り方が分からなくて戸惑った。

「姉川さん。大丈夫ですよ。慌てなくて。画面下の四角いマークとマイクのような形のボタンを押して下さい。」と先生は優しく促した。

 私は、指示に従い、無事に画面とミュートをオフにできた。

 何故か、一年生の必修で前期初めの授業であったのにも関わらず、他の受講生は慣れた様子であった。

 次いで、担当のK先生が

「手を挙げてみて下さい。」と指示する。

 私以外の全員が“バッ”と一斉に手を挙げ、手の平のマークが画面に映り出す。

 私は、画面越しに赤面した。

「はい。手を下ろして下さい。操作法が分からない方は、授業後に教えます。」

 そして、授業の後半、いきなり画面が変わりルームから抜け出てしまった。まるで、操作ができない者を追い出すかのようにWi-Fiにイタズラされた。

 他の人に「操作ができないことを恥じて、ルームを退室したのではないか。」と思われていることを想像したら、私は、また顔が熱くなってきた。

 とにかく、授業に戻らなければと思い、ルームに入ろうとしたが、入れなかった。授業も終わってしまった。

「あーもーどうしよう。」と私は一人呟く。

 とりあえず、担当のK先生に事情をメールで説明して、何とか出席となり、操作法も教えてもらえた。



 翌日の授業は、配信された動画を見て、課題に取り組む形式のオンライン授業だった。

 早速、動画を見ようとしたが、中々動画が見られない。ダウンロードに十五分程度かかり、一向に課題に手が付かない。根気よく待ち、二~三時間掛けて、動画を視聴し課題に取り組んだ。

 また、ある授業では、誤って違う科目の課題を送ってしまい、担当のY先生に問い合わせた。

すると、Y先生は「誤って送った分は、出席カウントできません。一回の欠席はそんなに影響しません。」と返信が来た。

 私は、ショックを受け「大丈夫かな…。単位落とされないかな。」と心配を募らせた。

 こうして、オンライン授業におけるトラブルが多発し、課題が山のように降ってくる。まるで、パズルゲームのようだ。どんどん課題を消さなければ詰まって、ゲームオーバーになってしまうような…。

 さらに、私は“家事”という慣れない敵をも倒さなければならなかった。

 このパズルゲームと“家事”を倒すことは、長期戦であり、体力を回復する暇も与えなかった。

 そんな時、私はあの歌を口ずさむ…



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