スマホ
「うぃっす。久しぶり〜。スマオ」
「お、カイト。久々だな、お前が来るなんて」
クエストを終えたのち、僕はアリアとスライムを宿に待機させ、親友スマオの錬金術研究所を訪れた。
スマオはちょっと小太りでメガネを掛けたオタクっぽい見た目の奴で、錬金術のエキスパートだ。日々錬金術により新しい物質や道具を創り出している。
研究所にはフラスコやら鉱物やら液体やらが無数に置かれている。
「今日はいい土産を持って来たんだ。スマオ」
僕は髭スライムからもらった宝をスマオに差し出す。
「むむっ!? これは……タングステン!?」
「僕も驚いたよ。 クエストを受けていたら偶然手に入れたんだ。 スマオが前から欲しがっていた鉱石なんだろう?」
「ああ、これさえあれば、この鉱石さえあれば、アレを作ることができる」
「前からずっと言ってたよな。確か失われた秘宝の「スマートフォン」だっけ? それを作るのにタングステンが必要だったんだよな」
「こうしちゃいられない。カイト、お前も手伝ってくれ」
「おーけー。その代わり僕にも作ってくれよ?」
「元よりそのつもりだよ!「スマートフォン」は2つあってこそ力が発揮される超高速伝達道具だからな!」