スライムの孫
スライムについて行くと先程と空気が変わり、神聖な雰囲気な場所に辿り着く。
スライムは其処にある穴蔵の中に入っていく。
しばらくして、穴蔵からそのスライムと共に巨大で冠を被り、髭を生やしたスライムが現れた。
「お主達がわしの孫を助けてくれたのかスラ?」
「うおっ。しゃべった!?」
髭のスライムは人の言葉を放った。
スライムが人の言葉を喋るなんて聞いたことがないぞ。
「は、はい! まあ、結果的にと言った感じなんですけど……」
髭のスライムは僕たちに頭を下げる。
「有難うございますなのじゃスラ。この子はわしの大事な孫なのじゃスラ」
「い、いえ……」
「お礼として、このスライムの村の宝を受けてっとってくれないかのうスラ?」
スライムの宝……?いったいどんなものなのか検討も付かない。
髭スライムの体内から石のようなものが出てくる。
銀灰色の鉄のような見た目だ。
「あ、ありがとう……」
僕は多少ヌメッとしたそれを手に取る。
重っ!!
それに硬いな……。
もしかしてこれタングステンか!?
「スラ!スララ!スラ!」
スライムが何か言っている。
「爺さん、あなたの孫は何て言ってるんですか?」
「おおそうかそうか……。この子はお主達に付いて行きたいそうじゃ……」
「えっ!?」
「スラ!スラ!」
スライムか……。可愛いけど、あんまり役に立たないんだよなぁ。
「カイトさん! スライムちゃんを仲間にしましょう! 私スライムちゃんと仲良くなりたいです!」
アリアがキラキラ目を輝かせている。
「分かったよ。じゃあ行くよ」
僕はスライムの孫に手をかざす。
「テイム!!!!!」
スライムの孫の周囲を温かい光が囲む。
そして、光は消える。
「よし、テイム成功だ」
こうして僕はスライムの孫をテイムした。