サベージウルフ
駆けつけた先には怯えているスライムと、サーベルウルフが対峙していた。
「ガウ!!!ガウガウ!!」
サーベルウルフがスライムに飛びかかる。
「うおおおおお!!!!」
僕はその中に割って入り、サーベルウルフの攻撃を盾で防ぐ。
「いくぞ! シールドアタック!!!!!」
シールドアタックとは「盾テイマー」の数少ない攻撃スキルだ。
盾で相手を殴る。単純かつ強力なスキルである。
特に盾の先端部分を当てるとダメージがよく通る。
「くらえ! くらえ!」
「ガウ? ヴーーー。ガウガウ!!!」
「ぐはっ!!!!」
盾で殴っていると返り討ちにあい、僕はサーベルウルフに吹っ飛ばされた。
「う……あ……」
Cランクモンスター程度なら楽に倒せると思っていたが甘かった。
いかに今までモンスターや人に頼っていたかが分かった。僕一人では何もできない。
「カ……カイトさん!大丈夫ですか!?」
アリアが僕に駆け寄ってくる。
「だ……大丈夫だよ、アリアちゃん」
僕は強がりを言うが正直かなり痛い。
「その……カイトさん……。私に戦わせてくれませんか?」
「え?」
「カイトさんにテイムされてから、すごく体の調子がいいんです! あのモンスターも倒せるかも……!」
「そんな! 危ないよ! 」
「一緒に戦いたいんです!」
アリアが僕の目を真っ直ぐ見る。
ああ、僕って本当に情けないな。
アリアちゃんに格好良い所見せたかったのにこの有様だ。
「……分かったよ。じゃあ、一緒に戦おう!」
「はい!」