スマホ
スマオは日頃から失われた秘宝の部品を作り込んでおり、タングステンを加工し、それに組み込む事で「スマートフォン」は完成した。
3時間くらいかかった。
「じゃあ起動するぞ……」
「ああ……」
僕たちは「スマートフォン」の側面にあるボタンを押す。
すると画面が光り、果物のりんごを形どったマークが画面中央に表示される。
「やった成功した!」
「おお。 良かったな! スマオ!」
しばらくして画面に複数の四角い箱状の絵が表示される。
「スマオ、この箱状の絵は何なんだ?」
「それはアプリと言ってスマホ内で使える道具だ。絵を指で触ると起動できるぞ」
「へえ」
僕は適当に黒い機械の絵のアプリを起動する。
すると画面上に今いる部屋の絵が表示される。
「うおっ。 なんだこれ!?」
「それはカメラだ。周囲の景色を記録することができる。 下中央のボタンをタッチしてみろ」
僕はボタンに触れる。
カシャッという音と共に僕の眼前の部屋の様子が画面上に固定される。
「すげえ!」
「すごいのはこれだけじゃないぞ」
スマオはもう一台のスマホを操作する。
すると、僕の持っているスマホから大きい音が鳴り、画面が変わる。
「何だ!?故障か!?」
「違う。緑色のボタンを触ってみろ」
僕は指示に従う。
「触ったけど何も起きないぞ」
「俺みたいにスマホを耳に当ててくれ」
僕はスマホを耳に当てる。
すると、スマホの中から声が聞こえた。
「どうだ?スマホの中で俺が喋ってるのが聞こえるだろう?」
「ああ、これやべえな!?」
「そうだろう」
スマオは得意げににやける。
「こんなの、売れば一生遊んで暮らせるんじゃねえか?」
「ロマンがねえな……お前……」
スマオは残念なものを見るように僕を見る。
「まぁそいつはカイトにやる、というかカイトのお陰で出来たようなもんだからカイトの物だ。好きに使っていいぞ」
「おう、有り難う!」
「俺も「スマートフォン」の全部を理解しているわけじゃ無いから今から触って調べてみる。カイトもスマホについて何かわかったら教えてくれ!」
「分かった!」