数学ⅠA
さて、今年の数ⅠA。
良くも悪くも普通だったのではなかろうか。
難易度も平年並みで、強いて言うならば、命題とデータの読み取り、整数問題の終盤は少し手が止まるかもしれない。
第一問から見ていこう。
{1}筆者はあろう事か4+2=4などという大ぽかをやらかしているのであまり大きな声では言えないが、絶対値の定義と根号の処理の仕方をきちんと理解していれば苦も無いだろう。
{2}命題に関しては、とにかく落ち着いて解くこと。
(1)は焦っていると何をしていいかわからないかもしれないが、単純に各選択肢を当てはめるとどうなるかを考えれば良い。【mとnは共に奇数である】の否定は【mとnの両方が奇数になることは無い】である。ここで変に偶数がどうのとか「または」を用いると混乱する。よって、[シ]に当てはまるのはmが奇数ならばnは必ず偶数でないと否定にならない。逆に、mが偶数ならばnは偶数奇数どちらでも良い(両方偶数も構わないから)
(2)は、0の存在を忘れなければどうにかなったのだろう。
特にp⇒rに関しては、反例にmまたはnが0である時が含まれていることに気づかないといけない。
{3}はごくごく初歩的な平方完成の問題である。これは必ず取りたい。
第二問
{1}の図形問題は、途中で二等辺三角形が現れる。しかし今回はそれに気づいてもあまり効果はなかったようだ。(折角ならそれを利用する問題があればいいのにと筆者は思った)
今年の問題に限らず、此処ではsinθ、cosθの導出や変換がスムーズにでき、かつ、図をうまく書くことが出来ればすぐに解ける。
{2}のデータの問題は初めはかなり優しい。見たママを読みとってしまえば良い。特に箱ひげ図からヒストグラムを選ぶ問題は最大値最小値を見れば瞬殺である。個人的に厭らしいと思ったのは、散布図に書かれた点線である。正直、これは無くても問題を解くのに差し障りはない。
多くの現役生が悩まされたのは(3)だと思うが、平均値、偏差、分散、標準偏差の定義を理解していれば苦しくないはず。グラフを選択する際も、縦軸と横軸をしっかり確認して選べば良い。
第三問
これは、はっきり言おう。塾や予備校に通う人の方が断然有利である。所謂「確率漸化式」という題材になる。勿論、これを知らなくても解くことは可能だ。しかし、ネタを知っている方が見通しは利くだろう。状況をしっかりと把握し、操作の規則性を見い出せば良い。分数は桁が大きく、少し計算が不安になるがそれは日頃からの計算力だ。腹を決めてガリガリやるしかない。こういう時は、素因数で全体の計算を進めるのがおすすめだ。そうすれば約分のし忘れや計算ミスを大きく減らせる。
第四問
筆者はいつも整数は選ばない。そして今回も選ばなかったが、ユークリッド互除法を使って解く典型パターンであるように見受けられる。少しばかり思考力が試されているため、苦手な人にはおすすめしない。どうしても確率や図形が端から解けないのであれば選んでも良いと思うが……。
第五問
今回は恐らく、選択問題の中で最も簡単だったと思われる。勿論、タイトルにあるように主観で言っているが、それでも内接円の接点と求めたQが同一の点という事に気づければゴールは見えていた。強いて悩むとすれば、最後のcos∠DFEだが、図を綺麗に書いていれば△DEFの外接円が△ABCの内接円になっていることが分かり、正弦定理で瞬殺できる。
ここまで見てきて如何だろうか。
処理の仕方さえ間違えなければ時間が少し余るくらいなのが数ⅠAだと思う。それと、図形は図が命だ。時にはグラフ問題も図を見ればすぐに次の解法が浮かぶ。こればかりは経験がモノを言うが、つまりはそれだけである。自身の計算の仕方、情報の処理方法を毎度見直し、何をどうすればよかったのかを振り返ることが大事だ。文系教科よりは模試なども役に立つ。勿論、模試の方が難しい。めんどくさい。なので、直前はやはり本試追試の問題を解くことをおすすめする。筆者は正直、この数ヶ月でパ〇クⅤとか言う予想問題と過去問しかやっていない。
慣れれば数ⅠAは点取りげぇむの様に感じてくるだろう。
是非、来年受験する方にはそのくらいになるまでやりこんでもらいたい。
追伸
因みに、余談だが次の数II・Bも含めて筆者は後ろから解く。これはただの好みだが、本誌の冊子にはアルファベットの科目を付さないモノが各々先についている。序盤はほぼ同じ問題だが、後半から異なってくるので間違えてといていると大きなロスに繋がる。
お気をつけ下さい。
次は数II・Bです
英語の講評について、少し不十分かなと思い直したので後々見直しをするかもしれません