国語
【国語】
最近の現代文、評論問題は軽い文体が多いように感じていたが今回もかなりラフな雰囲気であった。一人称が僕であったり、話し言葉に近いような感じと言えばわかりやすいだろうか。所謂、ツッコミのような要素も含まれる表現が見られた。
そして、もうひとつ印象としては数年前の問題形式に戻った、ということが挙げられる。もちろん、生徒同士の議論を扱った問題はむしろ「適切でないものを選べ」と新傾向だったが、それ以上に段落番号が振られていることや最後の表現に関する問題もそれを元に判断が可能であった。故に今年は易化した、と方々で囁かれているのだろう。さらに、各予備校が施行した模試では昨年の例に倣って写真付きの文章を採用していた(新テストでもその傾向があったらしい)が、今回はそれもなかった。去年のパターンに染まりきっていた人にはやりにくかったかも知れません。
小説文に関しては、久々に男性作家の文章だったのではないだろうか(筆者はその方がありがたいタイプで救われた。女流作家のは問題文としては肌に合わないのである)
今回はその心情も読み取りやすく、かなり易しかったと思われる。ただし、妻の事を案ずる主人公の心情を読み落とすと大量失点に繋がったのでは無いだろうか。彼の視線、見ている景色、それから何が連想されるかを考えればどうにかなると思う。
そして、待ってました。古文。
何ともファンタジックな設定で、昨年の英語のタコ宇宙人を思い出した筆者だが、主人公はキツネである。もう一度言おう、キツネである。しかもこのキツネ、自分は前世で何か悪いことをしてこうなってしまったのだろうかなどと仏教的な思想を持っている上に、惚れた女やその家族への気遣いもできるという凄いやつだ。
そして、ある人はこれの結末を百合展開だと言っていた。そう見ようと思えばそう見えるが、結局は美女に化けたオスの狐なのである。展開が分かりきっていて、基本的な文法ミスなどをしなければ高得点が狙えたのではないだろうか。
最後に漢文だが、筆者は迷った所をことごとく落とした。
しかしながら、のちのち思い返してみれば昨年までの過去問の類題がそれなりにあったのではなかろうか。特に、文法問題。漢文は過去問研究と言われる所以はまさにこれであろう。また、話の方向性も一貫していたので読もうと思えば読めただろう。
全体的に、過去問での経験が有無を言うような印象であった。来年でこのようなマークセンス式のセンター試験は幕を閉じる訳だが、現高二生、及び来年に賭ける予定の方々は是非とも過去問をひたすらやって欲しい。答えを覚えてしまうくらいでも構わない。センター試験の作問者の着眼点に自分の視線を合わせてとくことが大事だと思う。
正直、国語(特に現代文)は模試と本試では選択肢が違う。なぜなら模試は「解説を書くことを想定して」作問しているからだ。受験生を納得させる様な、さも、明らかな答えがあるように作らねばならない。一方、本試の作問者は解説など行わない。これが大きな違いだ。それを踏まえた上で模試の活用方法も考え直しては如何だろうか。
ちなみに筆者は、模試の現代文は殆ど復習したり直前に見る事をしなかった。
【注】これはあくまでも個人の感想です。予備校の講師などでは無い、一般の人間の感想です。
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