表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
メモリージャッチメント  作者: 紅き鋼
5/10

遺書

それはA4サイズほどの茶封筒で後ろには紐らしきもので服のボタンのようなのが付いていて、それに巻き付く仕組みで閉じられていた。

今時このような封筒があるだろうか?

名前の所も古くなり読みにくくなっていたが、確かに兄貴の名前が書いてあった。

オレは封筒を開けようとした時、男が言っていた事を思い出した。何十年も引き継がれてきた?


どう言う事だ?


封筒を開ける前に一瞬戸惑いがあったが今はこの手紙が気になる。まずは手紙だ!


オレはそう思うと封筒を開けた、中には1枚の写真と2枚の紙が入っていた。かなり古い紙のようで丁寧に扱わなければと思い、恐る恐る文面が書いてある方を向け読み始めた。


『拝啓、時野 椿へ。いきなりの手紙でゴメンなさい。今日は色々な事がいっぺんに起きて混乱していると思います。それでもこの瞬間に伝えなければならないと思い手紙を書きました。

まずは、僕が何故過去から手紙を送れた事について説明するね。今まで隠していたけど僕は簡単に言うとタイムトラベルをして今過去からこの手紙を書いています。みんなからは時の観測者と呼ばれています。

これについては僕からは説明出来ないんだ、ゴメンね。


次に、今この時に椿に伝えたい事を話すね。椿がいるその時代のボクはもう長くはないんだ………

愛宕さんから色々聞かせられたと思う、でもこれがボクの選択した運命なんだ。

だから………ここで起きた事は忘れて椿は椿の人生を楽しく生きて下さい。

椿ともっと話しをしたり、遊びに行ったり、一緒に食事をしたりしたかったな。



最後にひとつだけボクのお願いを聞いてください。


心の片隅でいいので、兄であるボクをたまには思い出してくれると嬉しいです。


忘れないでね。覚えていてね。


ボクが言いたいのは以上です。


幸せになって下さい。


それじゃあ、さようなら、お元気で。

時野 正樹


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ