僕はただの人殺しでした
君を忘れることなんて出来ないと
電球を叩き割って閉め切ったあの日の窓
真っ暗な世界の中で繰り返し呟いた呪文は
僕の願いを叶えてはくれずに記号になった
君との思い出も
君への想いも
枯れた蔦の様に
形は在れど命は亡く
ねぇ知っていましたか
君と出会えて世界が変わったこと
光や温もりは本当にあるのだと
あの時初めて気付いたのです
そして僕が居た場所は闇だと
何も気付いていない君に言葉をあげたのは
罪であり業であると今では解ります
存在を与えられた痛みが君を蝕むこと
痛みしか知らなかった僕は気付けなかった
大切だったから
教えてあげたかった
大切だったのに
助けられなかった
ねぇ知らなかったんです
人が生き続けられる訳を
だから知りたかったんです
君の温もりとその訳を
ねぇ知らなかったんです
闇が光を覆ってしまうこと
本当に知らなかったんです
冷たさが温もりを奪うこと
君は笑いながら泣いて
その淵から落ちてしまった
僕には解らなかった
僕が殺してしまった
闇に生まれ冷たく育った僕は
光も温もりも求めてはいけなかったんだ
差し伸べられたその手を
見つけてはいけなかった
底へ逝くのは僕であるべきで
君じゃなかったのに
君じゃなかったのに
何度も君の元へ逝こうとしたけど
心ばかり失って不自由になるだけで
もう何も思えなくて 感じられなくて
君の姿も分からなくなって
ただ冷たい所でじっと横たわっています
僕はきっと、君のことが好きでした
君の闇を「お揃いだね」って笑いたかった
その痛みを代わってあげたかった
僕が想っていたことの全ては
君へ注いでいたことの全ては
僕はただの人殺しでした