表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/13

冒険者ギルド

 門番に言われた通り冒険者ギルドに行ってみる。冒険者として登録すれば基本的にどこでも身分証明書になるって門番も言ってたしな。剣と盾が付いたマークの看板がトレードマークらしい。

 それらしき建物を見つけたから中に入る。


 中は酒を飲む者や喧嘩をする者などで雑然としていた。


(騒がしいな。いや、賑やかと言ったほうがいいか。)


 とりあえず受付と思われる所の前までいく。


「新たに冒険者として登録したいのですが。」


「はい。ではまず名前をここに書いてください。」


 と言って受付のお姉さんがカードのようなものを手渡してくる。金髪碧眼の美人さんだ。

 別にこっちの世界でも文字は同じだよな。乗合馬車のときも「アルノア行き」って思いっきり日本語だったし。


「書きました。」


「では次にこの針で指を刺してこのカードに血を一滴垂らしてください。」


 針で指の先を軽く刺す。血が出てくるのでそれをカードに垂らす。すると、カードが光りだし、紋様が浮かび上がる。


 少しして光が収まった。


「はい。登録完了ですね。このカードはあなたのステータスやギルドなどに関する情報が書かれています。また、倒した魔物や依頼の状況なども見ることが出来ます。無くさないようにお願いしますね。」


 ギルドのお姉さんがこちらに向かって笑みを浮かべて言ってくる。やばい。惚れそう。


「ギルドについての説明をしますね。冒険者ギルドはどこの国や街でも仕組みは変わりません。

 まず、ランクについての説明をしますね。冒険者にはランクというものがあって所謂階級のようなものです。F、E、D、C、B、A、Sと分けられていてランクが高ければ受けられる依頼の数が増えたり様々な優遇を受けられるようになります。依頼をこなすことでランクが上がります。

 次に依頼について説明しますね。基本的にはギルドにある掲示板の紙を剥がして受付に持ってくれば受けられます。ランクによって受けられない依頼もあるので注意してくださいね。他には強制依頼といって、魔物の襲撃など街に危険があった場合に冒険者全員を招集してその危険に立ち向かうシステムがあります。これを断ると冒険者資格の剥奪となるのでこれも注意してください。以上です。」


「ありがとうございます。」


 俺はギルドカードを確認してみる。

 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 名前:神崎文哉

 スキル:憤怒之化身サタン 暴食之化身ベルゼブブ 基礎属性魔法Lv1 治癒魔法Lv1 筋力・魔力・敏捷増強【大】 再生 威圧 斧術Lv1 剣術Lv5 短剣術Lv2 弓術Lv1


 体力:173/173

 魔力:488/488

 筋力:432

 防御力:189

 魔法攻撃力:378

 敏捷:305

 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


 うおっ!何かステータスが数値化されてる。でも高いのか低いのかよくわからんな。それをギルドのお姉さんに聞いてみる。


「はい。ギルドカードに表記されるステータスは現状最も詳しく表せます。ステータスを数値化出来るなんてプロの鑑定士とこのギルドカードくらいなんですから。ちなみにステータスは一般人の平均がそれぞれ100、冒険者なら200程度で、得意な項目が250程度が平均ですね。」


 暴食之化身ベルゼブブの鑑定より優秀なのか。

 ステータスは体力と防御力が冒険者の平均より低いな。他はスキルの効果で伸びているといった感じか。伸び代はまだあるかな。


 ちなみにギルドカードはプライバシー保護のため本人以外は見れないらしい。安心だな。


(折角冒険者になったのだから適当な依頼でも受けてみるか。)


 掲示板から東の森でのウルフ討伐と薬草採取の依頼が書かれた紙を受付のお姉さんのもとに持っていく。ちなみに2つとも同じ場所で済ませられるからだ。


「お!冒険者として初の依頼ですね!頑張ってください!」


 お姉さんに笑顔で送り出される。


「では行ってきま〜す!」


 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 街を出てから歩くこと少し、東の森とやらに到着した。出てくる魔物もそこまで強くなく、初心者冒険者が初の依頼でよく来るそうだ。


 森とはいっても頻繁に人が来るので開拓のあとや道を整備した跡などが見られる。勿論、中央から外れれば木や雑草がびっしりと生えそろっているが。


 薬草はその辺に大量に生えている。見た目が非常に似た毒草があって見分けをつけるのが大変そうだが根っこの部分を見ればわかるらしい。根っこの先が丸いのが薬草、尖っているのが毒草だそうだ。


(でも……!)


 俺はそんなことしなくても鑑定スキルを持っているからそれを使えばいい。ギルドカードの技術より劣っている鑑定だが腐っても鑑定。スキル自体がレアで持っている人も少ない。


 ー鑑定ー

 薬草


 ー鑑定ー

 毒草


 ー鑑定ー

 毒草


 ー鑑定ー

 薬草(悪質)


 ー鑑定ー

 毒草


 ー鑑定ー

 薬草(良質)


 ー鑑定ー

 薬草


 手当り次第に鑑定してみる。すると、中には薬草に上質ってついているものがある。何も書かれてないのは普通ということだろう。悪質も何個かある。良質を片っ端から見つけてそれだけ集めていくか。




 薬草(良質)を手当り次第に採取して1時間。


(そろそろいいかな)


 かなりの量を取ったはずだ。ストレージに入っているから全く重くないけど。


 薬草採取を終えてもう一つの依頼、ウルフの討伐に向かう。

 といっても魔物の気配を感じることが出来ないからなぁ。

 と、悩んでいたとき、近くの草むらから


ガサガサッ!


と音がする。そこか、茶色い狼が飛び出してきた。多分コイツがウルフだろう。

俺は腰の剣を抜き放ち魔力を通し獣を一閃。


断末魔をあげながらウルフは命を落とした。


ストレージにウルフの死体を入れて解体。美味しいと評判だから素材としてストレージ内に残る肉。腐ったりしなければいいが。と思ったらストレージに補足が出てきた。


ストレージ内では物体の時間が止まる。よって肉が腐ることはない。


お、それなら大丈夫そうだな。


それと今ウルフを殺したことで敵感知のスキルを手に入れていた。便利だな。これで魔物がどこにいるかわかるようになる。


その後は敵感知に引っかかった魔物を倒してストレージに入れて解体しての繰り返しだった。


「ふぅ〜 そろそろ疲れたな」


ギルドに依頼完了の報告と素材を持っていきますかね。

 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


「えっ!?こんなにっ!?」


ギルドのお姉さんが驚愕の声をあげる。


カウンターの前には薬草が山のように積み上がっている。


「ま、まあいいわ。とりあえず査定しますね。って良質ばっかり!どうしてこんなにっ!?あなた一体何者なのっ!?」


「僕は冒険者見習いっ、てことになるのかな?一応。」


数十分して査定が終わり、報酬の金を貰う。ギルドカードを見せ、依頼の精算をしてもらう。ちなみに、ギルドカードに依頼が達成したかどうか書いてある欄があるから、それをギルドの職員に見せて許可をもらえば依頼完了ということになる。


冒険者ギルドは素材も買い取っているようでウルフの肉を自分で食べたい量の分だけ残して売った。


(さて…宿に行きますかね)


宿は冒険者ギルドのすぐ隣にある。そこは評判のいい宿で冒険者達に人気がある。


「いらっしゃい。何泊だい?」


「とりあえず1ヶ月分お願いします。お金は先に払っておくんで。」


そう言って宿を借りる。しばらくはここが拠点だな。


夕飯を食べて風呂に入ってベッドにつく。明日からやっとまともに生活が出来る!そんな期待を抱きながら俺は深い眠りについた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ